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506 山並みを越えて

 朝になった。

 朝食後、新大陸に向け出発。

 ステファニーさんは行かないそうだ。マリアさんに何とか言っている。何々。

「増えても困るからマリアはずっとついていなさい」

 増やしませんて。


 ドラちゃんが大きくなって、アカ、ジェナ、マリアさん、ブランコ、エスポーサ、リン、観察ちゃんが乗って出発。ドラニちゃんは脇を飛ぶ。エスポーサだけ人化。ジェナを抱っこしてニコニコしている。

 二百人衆に手を振って飛び立った。もう畑仕事などをしている。働き者だね。


 リンが嘆きの丘には行ってないというので、嘆きの丘に寄った。墓参りをして巨木に挨拶して、一路新大陸へ。

 石碑の岬で降りて、墓参りをして、二百人衆の暮らしていた漁村を見て、ドラちゃんに乗って友好国跡地の上を過ぎ、王様たちの墓がある元峠で墓参り。マリアさんとリンに花を渡して、マリアさんとリンが花を供え祈って、僕らも手を合わせて、再びドラちゃんに乗ってまっすぐ王宮跡へ。


 今日は王宮跡から出発だ。

 王宮跡は自然に任せておこう。

 王宮の門柱にだけ保護をかけておこう。ステファニーさん、マリアさん、二百人衆、この地や逃げた先の友好国で亡くなった人たちの国があった地の記念だ。

 マリアさんとリンにお礼を言われた。


 さて歩きで出発だ。王都の城門があったところを出て、道路跡を辿って、滅びた帝国を目指す。城門を出たらもう何もない。もともと集落もなかったのだろう。ただ森が続いている。かろうじて分かる道路跡を辿って歩く。


 夕方、川に行き着いた。王都から一日というところか。河原の幅10メートルくらい、水は中央辺りに1メートルくらいの幅で流れている。


「これが国境です。わたしたちは壁も何も作りませんでした。侵略する気になれば何事もなく川をわたって侵略できます。だれも侵略してくるとは思わず備えは何も有りませんでした」

 マリアさんの解説だ。

「平和な国だったんだね」

 川のほとりで一泊した。


 朝、川をポンと飛び越えて旧帝国側へ。

 川を挟んで道が続いていく。こちらのほうが雑草や木は生えているが道らしく残っている。進軍のためにしっかり踏み固めておいたのだろう。


 こちらも何も無い。半日歩いた。瓦礫が出現した。王都の城壁だろう。大分崩れている。中に入ってみる。中は徹底的に破壊されている。マリアさんの国と同じだ。何も残っていない。今はところどころ瓦礫がある森になっている。

 僕らは少し見て、元に戻って城壁の外に出て少し行ってからお昼にした。なんとなく城壁の中でお昼にしたくなかった。


 先に行こう。道路は進軍する必要がなかったからきちんと踏み固めていなかったのだろう。ほとんど森だ。それでも王都周辺は幅があったが、だんだん細くなって消えた。多分時たま人が歩くくらいだったんだろう。王都跡から半日歩いた。坂道になってくる。


 ドラちゃん、ドラニちゃんが観察ちゃんと見に行った。

「シン様。山だよ。かなり険しい山が連なっているよ」

「わかった。今日はここで野宿して明日登ってみよう」


 少し平らなところを見つけた。かろうじて移動用スパ棟が出せる。テントばかりでも疲れるからね。たまにスパ棟だ。

 全員でお風呂に入った。お狐さんも来た。楽しく遊んで夕食、就寝。右がアカ、左がリンを抱いたマリアさん、頭の上がエスポーサとお狐さん。お腹の上がドラちゃんとドラニちゃん。足元にブランコだ。いつもと同じ。黒猫のリンが増えただけだ。ジェナはアカと僕の間にいたけどゴロゴロしてブランコにペロされてすやすやと眠った。リンもすやすや眠っている。


 朝、食事をして移動用スパ棟を収納。山登りを再開する。

 すぐ急な坂になってきた。もう道は全くない。帝国はこちらを攻めるのは大変だろう。楽なマリアさんの故国方面に攻め込んだに違いない。

 ブランコは坂が面白いらしい。エスポーサとジェナを乗せたまま、時々駆けてみたりしている。ジェナも喜んでいる。リンが元気よく走ってついていく。

 僕?僕はマリアさんとアカに乗って楽ちんだ。ドラちゃんとドラニちゃんがブランコに乗ったりアカに乗ったりリンに乗ったりしている。


 おやつの時間までに山を登り切った。振り返ると森だ。帝国、マリアさんの国、山を越えて友好国。全て森に帰った。


 前は山並みが重なって続いている。たたなづく青垣だね。右も左も山だ。前に進もう。おやつにして頑張るか。


 おやつが終わって、ブランコにジェナとエスポーサ、アカに僕とマリアさんで走って行こう。リンは走ってもよし、誰に乗ってもよしだ。今日中に山を突っ切ろう。飛んで行けばいいって?飛べるのに飛ばないで地上を進むのが乙というものだ。


「出発」

 ブランコが大喜びで坂を下って行く。早いね。勿論アカは余裕でついて行く。リンも大丈夫そうだ。下って登ってを何回も繰り返してお昼には最後の山並みの稜線に着いた。早かった。道がないので人なら何日かかるかわからない。毎回思うが人なら死んでいる。


 リンもついてきた。走り切った。マリアさんがアカから降りて抱っこした。頬擦りしている。リンも体力がついたね。今の登り降りでさらに力がついたのではないか。

 ブランコはわかっていてトレーニングしてやったのか?まさかね。でも尻尾を振っている。よしよしよくやった。なでなでしてやる。ジェナも早かったとほめている。尻尾がさらに振れる。

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