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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に —新大陸編—  作者: SUGISHITA Shinya


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526 気分良好 今日は先に行こう

 気分良好。今日は先に行こう。とりあえず集落をいくつか過ぎた宿場まで急ぐ。


 宿場には、塩は普通にあった。やはりあの街で塩などを止めていた。これからはあの街の下流でも塩や調味料が流通するだろう。塩は普通品だったよ。

 確認したから次の宿場へ急ぐ。

 おやつの時間には宿場についた。


 宿場にはすんなり入れた。人数だけ聞かれたが他は特に何も聞かれなかった。ジェナ、ブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃんは屋台に行った。自分たちで何か買うだろう。僕らは宿を探そう。観察ちゃんが広場に面した宿がいいと言っています。行きましょう。今日はリンにやってもらう。


 宿の玄関を入り、フロントまで行ってリンが尋ねる。

「すみません。宿泊したいのですが」

「はい。何人様でしょうか」

「大人四人、子供五人です」

「一部屋では入りきれませんので、二部屋か、二間続きの部屋になりますが。どちらになさいますか」

「二間続きの部屋でお願いします」

「何泊でしょうか」

「一泊です」

「料金は前金になります。塩か砂金でお願いします」

 砂金で支払いを済ませた。なるべく目立たないように。

 食事時間の注意があって部屋へ。いつもと作りは同じだ。


 ジェナたちを迎えに行こう。

 ブラブラと出かける。

 いたいた。今日は薄く伸ばした粉に野菜をのせて焼いたものを食べている。美味しいみたいだ。調味料があるのだろう。香ばしい匂いがしてくる。


「おとたん、おかたん。おいしいよ」

「それは良かった。もうすぐ夕飯だよ」

 子供が子供におとたん。おかたんと言っているので周りの人はびっくりしている。そういう遊びだろうと思い直したらしい。興味が失われていく。


 宿に戻って夕飯にした。

 料理はちゃんと調味料も塩も使ってあった。普通に美味しい。なるほど。この辺に来ると流通は正常だな。滅ぼした街はあくどいことをやっていたな。迂回路も改良獣で絶って儲けていたのだろう。

 部屋も綺麗だった。いつものようにお狐さんが来て一泊。


 朝、朝食を食べてから街を出た。

 少し先に進んだら観察ちゃんがプリメーロとプリメーラを連れて来た。親がジェナちゃんが寂しいといけないから行っておいでと送り出してくれたのだそうだ。ジェナは喜んだ。

 フロランスちゃんとリオンちゃんも来た。みんな送り出してくれたみたいだね。


 それじゃ世話係を呼ぼう。

「ジェナ、熱帯号と雪原号を呼んでおいで。人化してくるんだよ」

「わかった。おとたん、ありがとう」


 ジェナとチルドレンが転移していった。すぐ戻って来た。

 熱帯号と雪原号はジェナたちがいないと寂しいみたいだよ。強くなりすぎて、縄張り争いもなく、それぞれ、熱帯と雪原の支配者になってしまったようだ。気楽なのは気楽なのだが、周りと知能も違うし、話し相手?もいないみたい。迎えにいったら喜んでたと観察ちゃん。


 今度貴族がいるところに行ったら領地持ち貴族と紹介してやろう。領地持ち貴族が3人になったぞ。みんなティランランドにするか。それとも何か名前を考えるかな。面白そう。


 少し走っておやつの時間だ。街道から少し外れておやつ。おやつが終わったら街道に出て、荷車を出して、ジェナとチルドレンを乗せ、アイスマンが引いて走る。特製荷車だからたいして揺れないぞ。ジェナとチルドレンは荷車で寝ている。


 起きたら走る。集落を過ぎ、宿場を過ぎ、次の宿場を目指す。遠くの方から荷車がやってくる。僕たちは駆け足はやめて歩きにした。


 荷車に近づいた。なんと牛に荷車を引かせている。声をかけられた。

「どこから来たんかいのう?」

 おじいさんとお孫さんの行商人みたいだ。

「フィーニスです」

「遠くから来なすったな。知ってたら教えて欲しいんじゃが」


 お昼にしよう。

「お昼の時間ですから、お昼にしましょう。僕たちも知りたいことがあります」

「そうかい。それじゃそうしよう」

 お孫さんは牛の世話だ。


 道端にシートを敷いた。人の良さそうな人たちだから一緒に食べよう。

「こちらへどうぞ」

「すまないね」

 各自リュックから出したフリをして、おにぎりを出す。豪華なものではおかしいからね。行商人さんにもあげよう。


「おひとつどうぞ」

「すまないのう」

 お爺さんはお孫さんとおにぎりを食べた。

「早速じゃが、この先、しばらく行くとなんだか大きな獣が出て先に行けないんじゃが、何か知っていなさるか」

「大きな獣はすべて退治されたようです。今はいませんでした」


「そうかい。この先しばらく行ったところになんだかおかしな街があるのじゃが」

「大きな街が瓦礫になっていました。その街のことでしょうか。他の街は特に何もありませんでしたよ」


「そうか、瓦礫になってしまったか。近年街ぐるみ悪いことをし始めて、迂回してその先に行こうとしても大きな獣が出て来て行けなんだ。昔からのお得意さんのところに行けなくて困っていたんじゃ」

「もう大丈夫ですよ。あいかわらず盗賊は出るでしょうが」


「盗賊はの、孫も強いし。この牛も見かけによらずいざとなれば足が早いので大丈夫じゃ。それでお前さんたちの聞きたいことはなんじゃ」

「塩がどこから来ているのかと思って」


「塩はな、向こうの山を越えたところに岩塩があるんじゃ。わしらはこの平原の突き当たりの山の麓の街で山を越えてくる商人から塩を仕入れて売って歩いている」

「山までどのくらいでしょうか」

「あと一、二日じゃ」


「調味料などはどこで仕入れるんでしょうか」

「この一帯はな。布を作るのは好きなんじゃが、調味料は岩塩を超えた先で作っておる。塩と同じように山裾の街まで山を越えて商人が運んでくる」

「そうですか。ありがとうございました」


「行ってみるのかい?」

「はい。行ってみようと思います」

「変わったお人たちじゃ。気をつけて行きなされや」

「ありがとうございます」


「どれ出ようかの」

 お爺さんとお孫さんの行商人が牛に荷車を引かせて歩いていった。


「お爺ちゃん、あの人達なんか変だよ。あんな荷物でフィーニスから歩いて来られないよ。それにあの食べ物、美味しかったけど食べたことないよ」

「そうじゃな。確かにいう通りじゃ。小さな子供があれだけいて無事にフィーニスから旅が出来るとは思われん。だが悪い人じゃ無かろう」

「それはそうだけど、子供が主人みたいだったよ。坊ちゃんじゃなくて本当の主人みたいだったよ」

「フィーニスまで長い。あれだけの変わった一団だから、何か噂話になっているじゃろう。道々気をつけてみよう」


「街が瓦礫になったって言うのもおかしいよ。3万人くらいの凄く大きな街だったよ。人が瓦礫にするのは大変だよ。それに3万人の人はどうなったの」

「そうじゃな。いう通りじゃ。天罰が下ったという話ならありそうじゃが、まさかな」

 お爺さんとお孫さんは牛に荷車を引かせて歩き去って行った。

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