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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に —新大陸編—  作者: SUGISHITA Shinya


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750 砂金取りと出会う

 ラピスラズリの村は見えなくなった。

 先へ行こう。


 何もない。訓練の間、村を通る人は誰もいなかったと言う話だったけど、たしかに誰にも会わない、家もない。道は人一人歩く幅の道だ。木もない。茶色の山が続くだけだ。ラシードさんたちが行くと言う山と砂漠の境の道にするんだった。


 みんなすっかり飽きてしまった。

 魔物も出ない、盗賊も出ない、人にも会わない山に囲まれた谷間の細い道を歩いているだけではそうだよね。


「ドラちゃん、誰も住んでいないから飛んで行こう」

「わかったー」


 ドラちゃんが大きくなって、僕たちはドラちゃんに乗ってゆっくり飛んで行く。やがて山から川が流れてきて道を横切り方向を変え道に沿って先に流れているところに差し掛かった。

 豊かな水があれば人も多いだろう。


「ドラちゃん、ここから歩こう」

 ドラちゃんが着陸。今日はここまで。ちょうど夕方になった。さてどうするかな。神国に戻るか、ここで野宿するか。あまり戻っていては旅の気分が出ないな。

「今日はここで野宿にしよう」


 川は急に水が出るといけないからやや高くなったところにテントを出す。

 ジェナとチルドレンは川で遊んでいる。水量はあるがまだ川幅の狭い谷川だ。アイスマンが子供達を見ている。ブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃんは周りを見回りに行った。マリアさんとジュビアは夕食の支度だ。


「おとたん、冷たいよ」

「山の雪解け水だろう」


「ジェナちゃん、何か光っているものが川底にあるよ」

 プリメーラが気がついた。

「ほんとだ。金色だ。おとたん、砂金だよ」


「どれどれ」

 川底を掻き回すと沈んでいた砂金が顔をだす。


「ほんとだ。たくさんあるね」

「おとたん、どうする」

「どうしようかねえ。まあ夕食にしよう」

 砂金もたくさん持っているしな。


 ブランコたちも戻ってきた。魔物はいないそうだ。

 今日も二百人衆の作った夕食を美味しくいただく。汚れ飛んでけをしてテントに入ってゴロゴロする。


 お狐さんが来た。横になった僕の胸の上でアーダを抱えてイヅル国で子供と遊んだ話をしてくれる。アーダは眠ってしまった。ドラちゃんとドラニちゃんは小さくなって僕のお腹の上だ。


 アカは僕の右、間はジェナ、マリアさんは左、ブランコは奥でチルドレンを寝かせつけている。熱帯号と雪原号は小さくなってテントの入り口で見張り。バリアを張ってあるので心配はないのだけど。


 ジェナはあっちこっちゴロゴロして最後はブランコのところに行ってペロッとしてもらってチルドレンと一緒にぐっすりだ。


 観察ちゃんはどっかにいるんだろう。外で天体運行を観測しているのではないか。


 朝、みんなで朝食をとっているとロバを引いた男の人が三人来た。


「おい、お前たちは砂金泥棒か?」

「いや、旅人だよ。砂金をとるなら大人だけでしょう」


「それはそうだが、ここで何をしている」

「向こうから来て夕方になったから野宿、一泊だよ」


「砂金はとってないな」

「とってないよ。川底にはたくさんあるみたいだったけど」


「わかったのか」

「子供が遊んでいて見つけたよ。結構あるね」


「なぜとらない」

「旅をしているだけだからね。それに道具もないし」


「どこから来た」

「西の砂漠の先だよ」

「そんな遠くからか」

「そうだよ」


「これからどこへ行く」

「東だよ。おじさんたちは砂金とり?」

「そうだ。砂金をとって暮らしている」


「砂金はどうするの?」

「お前たちが来た方向に街がある。そこで売る。これから行く」

「ふうん。だから細い道があるのか」

「そうだ。おれたちしか歩かない。街へ行って塩と交換するが少ししかもらえない」


「ほかの品物だけど安く買い叩いていた悪徳商店があってその店は潰れたよ」

「おれたちは昔から取引のある店だ」


「買いたたかれていた人たちも昔から取引していた店だと言っていたよ」

「・・・」


「おじさんたちが売っていた店が潰れていたら悪徳商店だよ。買いたたかれていたんだよ。市場で価格を調べてみたらいいよ」


「それは店を裏切ることになる」

「そういっていた人たちがいたけど、今は適性相場で取引して、あまりの差に気がついてびっくりしていたよ。裏切っているのは買いたたいていた店だよ」


「砂金はどのくらいの相場か」

「そうだねえ。この辺は塩が取れないみたいだから、砂金と塩が同量かな」

「そんなに塩がもらえるのか」

「そうだよ。一対一ならどこでも交換してくれると思うよ。塩はそんなにいらないだろうから、塩は必要な分だけ交換してほかの品物も交換したら。きっとたくさんもらえるよ」

「知らなかった」


「よく市場で自分たちで調べたほうがいいよ。そうでないといくら砂金をとっても暮らしが大変だよ」


「坊主よく知っているな」

「世の中の常識だよ。純朴な人を相手に買いたたく連中は悪人だよ」


「そうか。悪いがこの先に俺たちの村がある。今の話をしてくれるか」

「これから交換しに行くんじゃないの」

「今日はやめておこう」


「行ってもいいけど、納得しない老人がいそうだね。先に街で交換してきたら。話しても分からない人は分からないから、実際に交換できたものを見せたほうがいいよ。現実は力がある。凝り固まった人には言葉は響かないよ」


「坊主、大人のようだな。確かにそうかもしれん。じゃあ交換しに行こう」

「うん。がんばってね」


 砂金取りの三人は袋を積んだ痩せたロバと歩いて行った。普通のレートで砂金を物と交換すればロバもまぐさをたくさんもらえるだろう。

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