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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に —新大陸編—  作者: SUGISHITA Shinya


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730 龍愛たちを連れて世界樹に報告に行く

 世界樹の台地に登って少し休憩したらすぐ巨樹の森の入り口まで転移。


 龍愛たちに説明する。

「ここから巨樹の森だ。この森に対応した体でないと中に入れない。龍愛は神だから世界樹が許可すれば入れる。ポニー、黒龍、黄龍も龍愛の親神製だから世界樹の許可だけで良い。宗形マネージャー、ホーク龍、ホーク愛は体の組成を変えて世界樹眷属仕様にしなければならない。世界樹眷族仕様にして後で元に戻す。今世界樹が変更した。では世界樹の元まで一気に駆ける。行くよ」


 膜を通り抜けたような感覚があって巨樹の森に入った。

 龍愛はポニーに乗り、ブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃんが先導する。


 一時間半ほどで巨樹の森を抜けた。目の前は里芋畑、その先に世界樹が聳えている。


 龍愛とその眷属は世界樹の巨大さにびっくりしている。

「でっかい。てっぺんが見えない」

「見たことのない巨樹だ」


「では行くよ」

 今度は僕が先頭。ゆっくり里芋をかき分けて、広場に出る。


『龍愛、久しぶり。がんばったみたいだね』

『うん。ドラお姉ちゃんとドラニお姉ちゃんのところに時々遊びに来るけどいい?』

『もう来ているんじゃなかったっけ』

『えへへ』

『まあいいわ。知らない仲じゃないから』


『屋敷稲荷を譲ったんだから何かちょうだい』

『手を出して』

 龍愛の出した掌に林檎がポンと乗った。


『林檎だよね』

『そうだよ。シンが作った神国産だから地球のリンゴとは一味も二味も違う。食べてみて』


 龍愛が林檎にかぶりつく。

『ほんとだ。美味しい。確かに地球の林檎より美味しい』

『はい、取引成立』

『ううーん。いつも林檎で誤魔化される』

『つまらないとこも成長したわね』

『まあいいか。林檎は美味しかったから』


『宗形と眷属達。龍愛をよろしくね。そんなに遠くない将来、一緒に戦う事になるだろう。それまでに力を付けてください』

「・・・わかりました」

『それでは山城稲荷神社まで送ろう』


 世界樹が龍愛達を地球の山城稲荷神社に転移させた。龍愛は神だから別だけど、龍愛の眷属は世界樹の眷属じゃないからね。長居は無用だ。


 龍愛達が帰って、僕らは世界樹に抱きつく。

『よく龍愛を成長させてくれたね。ありがとう』

『龍愛もがんばったよ』


『そうね。龍愛の親神様が集めておいてくれた眷族も優秀だったのよ』

『やっぱり集めたんだ』

『そう。時間をかけて集めたみたいだよ』


『僕らの星の谷にいた星外飛来生物と異形は違うみたいだけど』

『星外飛来生物は意図せず来てしまったみたいね。それに異形とは出自が違うようだ。だから第二陣が来ることはない』


『異形は他の星にも来ているの?』

『龍愛の親神様が他の星に呼びかけて異形を発見した星があるそうよ。もちろんカプセルに入っていた送信機は消滅させたという話』

『それは良かった』


『ただ確認したのは全ての星ではない。親神様と付き合いのない星もある。送信機に気づかず壊したり、異形が蔓延ったりして送信されることもあると思う。異形はなんてことはないが、それを作った連中が進出してくると大きな争いになる。異界との間のゲートが開かれると必ず異界の通信が漏れてくるから、エスポーサが作った受信機を気にかけていてね。なかなかいいものを作ったわ』

『ありがとうございます』


『それでエスポーサ、あの受信機を複製して他の星に配りたいと龍愛の親神様が言っているんだけどいい?』

『はい。どうぞ』

『ありがとう。連絡した。すぐ知り合いの星に配ると思う』


『屋敷稲荷を連れて来たけど』

『良い子ね。林檎で無事この星の所属になったから力をつけてみんなが留守の時に神国を守ってもらうようになれると良いわね。神だから力をつければ神国を守れる。尻尾が3本になったから、成長も早い。一本から二本になるのは大変だけど、二本になればその先は早い。お狐さんに時々見て貰えば良い。すぐ4本になり環状の森の内側を守れるようになるだろう』

『わかった。お狐さん頼んだよ』

『うん』


 環状の森から内側はバリアで覆ってあるけど、多重バリアのほうがいいね。うん。


 屋敷稲荷はお狐さんと世界樹の間に入って片手を世界樹に、片手でお狐さんの毛をしっかり掴んでいる。


 みんなひとしきりそれぞれが世界樹と会話した。

 しばらくして、森の恵みで昼食。


 お昼寝の後、里芋畑で里芋をもらって、泉に寄り、果樹園、野菜畑、穀物畑、岩塩畑を一周して収穫する。

 屋敷稲荷はお狐さんと一緒にまわり、木の実、果物、野菜、山菜、塩をアカがせっせとお狐さんと屋敷稲荷のアンクレットに入れてやっている。


 収穫が終わって、広場に戻っておやつ。

 ドラちゃん、ドラニちゃんは世界樹に登って行った。みんなは巨樹の森などを散歩だ。

 僕はアカを抱っこして世界樹に寄りかかってうとうと。


 日が翳り始める頃みんなが戻って来た。ドラちゃんとドラニちゃんは今日もてっぺんまで行けなかったと戻って来た。てっぺんは亜空間に入っているのではないか。


 みんな戻って来たので森の恵みで夕食にして、そのままごろっと横になる。今日も星が綺麗だ。観察ちゃんは相変わらず星の観察。よその星もみんな異形に気がつくといいね。


 翌朝は、いつも通り、霧に起こされて里芋の葉に溜まったコロコロした水を飲んでから朝食。

 少し休んで、世界樹に挨拶して帰途に着く。


 帰りはのんびり巨樹の森を進む。

 泉の水を飲んで、それから果樹園などを一周して、いつもの河原に着いた。


 河原で遊んで昼食。

 お昼寝をして巨樹の森を出る。


 静謐な世界から生き物の気配が充満している世界に出た。

 蟻さんが人数が前より増えた。だけど来たときより人数が減っていると言っている。よく見ている蟻さんだ。


 木がまばらに生えている平らな地を大地の縁まで進む。

 恒例のジャンプだ。屋敷稲荷はしっかりお狐さんに捕まっている。みんなでジャンプ。無事着地。


 魔の森の泉まで走る。

 アーダは泉に飛び込んだ。自分の生まれた泉だからね。実家に戻ったようなものか。


 おやつにして、熱帯号と雪原号はそれぞれ自分の熱帯と雪原に、ティランママとティランサンは台地下へ戻った。

 僕らは神国に転移した。

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