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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に —新大陸編—  作者: SUGISHITA Shinya


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727 花見

 一日空けてさて今日は花見です。


 まずは、二百人衆、板長さんたち、女将さんと花街の人たち、二百人衆と神父さんの奥さん連中を転移させる。みんなが来る前に早朝の湖を見てもらう。朝日に照らされた花は薄いピンク色で満開の少し前。8分か9分咲きだ。


 「綺麗な湖だな。花の木が満開で湖を一周取り囲んでいる。天気も良いし、いい花見になる。よーし。会場の設営をしよう」

 タカベ板長さんがチームを率いてテントに向かった。


 観光馬車屋さんは観光馬車とボートをスタンバイさせてくれた。僕がボートを作って数を増やしておく。


 テラーサス王国のワイン、オリメ商会パレート支店の品物を扱う売店も前国王のおつきの若い人が開いた。今日が開業だ。


 湖の周りの店にも1000人以上集まる花見会を行うと知らせておいたから朝早くから店を開けてくれた。


 神国とリュディア王国の人たちをはじめとして次々転移してくる。

 アングレア王国、スパーニア王国、バルディア帝国、アレシアス王国、ヨーセキオアシス、ソーロクオアシス、イヅル国、緑の回廊のキジール、コクサール国、鉱山都市ミネリア、岩塩都市サルメウム、テッサニア王国、クエンヴェル王国、テラーサス王国、エルフ、バーレス国の皆さんたちだ。


 お狐さんも来たけど、あまりに人が多いのでびっくりして僕にしがみついた。お狐さんの部屋を作ったよと教えてやったらすぐ僕の服の内側の拡張空間お狐さんの部屋に入った。お狐さんの体は世界樹が作ったからすんなり入れる。ということは僕が作った観察ちゃんも入れるかもしれない。入れた。アーダの部屋と行き来できるから三人で遊んでいる。


 パーティーは11時頃からと知らせておいてまずは皆さんに湖のほとりを散策してもらった。


 地元のテッサニアのオフェリア王妃さんが気を使って衛兵さんを連れて来てくれた。もちろんジェナの警備員も出動だ。


 ボートに乗る人たちは列をなして待っている。ボートは初めてのようだ。恐々乗っているが、家族用だからすぐ慣れて湖上から楽しそうな声が聞こえて来る。

 観光馬車も満員で大忙しだ。

 ボートと観光馬車は、宿屋の人と棟梁さんのお弟子さんも総出で手伝ってくれている。


 11時ごろにテントに招待客が続々と集まって来る。会場はタカベ板長指揮のもと準備万端である。


 大体集まったのでゴードンさんが開会を告げた。


「お集まりのみなさん、今日はシン様主催の花見の会にご出席いただきありがとうございました。まずはシン様よりお言葉を頂戴したいと思います。なお、私は神国の外交担当のゴードンと申します。よろしくお願いします。ではシン様お願いします」


「みなさん、こんにちは。ここはテッサニア王国の湖です。国王夫妻のご好意により本日お花見をこの湖で開くことができました。ありがとうございます」

「本日ご招待した方々は皆私の関係者です。二つの大陸でこのように大勢の方々と関係を持つことが出来ました。感謝しています。海を挟んでの大陸で行き来もままならないと思いますが、この機会に親睦を深めていただきたい。また何か起こったら皆さんに出動をお願いすることもあるかと思います。その時はよろしく。ではひととき楽しんでください」


 僕とアカでこっそりみんなを祝福した。

 アーダも僕の服から出てみんなの上を飛び回った。参加者は妖精だとびっくりしていた。エルフの皆さんは妖精様の祝福だと騒いでいた。


「シン様、ありがとうございます。妖精のアーダさんの祝福もあったようです。なお、お一人お一人ご紹介すべきですが、本日はごらんの通り出席者が大変多いので、主な出席者は名簿を作り、お配りしました。参考にしてください。では、乾杯の音頭をこの場を提供していただいたテッサニア王国、オフェーリア王妃にお願いいたします」


「オフェーリアと申します。この湖と周りの魔物、盗賊をシン様に片付けていただきました。おかげさまで湖も昔日の賑わいを取り戻し、観光収入が途絶えて傾いた我が国も持ち直しつつあります。湖にシン様湖と名付けた所以です。シン様、眷属様、関係者様の益々のご発展を祈念し、乾杯」


「乾杯」


「では無礼講だ。シン様に感謝しつつ存分に楽しもう。おっと、今日の料理は、タカベ板長、クレマン料理長、コルテーロ宮廷料理長とその弟子のみなさんだ。食材はシン様提供だ。生涯一度食べられるかどうかの見たこともない、食べたこともない食材、料理が溢れている。感謝していただこう」


 みんな僕とアカに挨拶しに来てくれる。

 デキウス皇帝とコッリーナさん、ルチャーノさん、重臣が真っ先に挨拶しに来た。

 お礼を長々と述べて、後ろの人の咳払いでやっと次の人に譲った。


 あちこちに人の輪ができる。


「お姉ちゃん」

 ローザリンデとユリアーナを見つけた三女児、二人の元に駆け寄る。

「元気にしてた?」

「うん。アンヌお姉ちゃんにいろいろ教えてもらっている」


 三人の幼女をシン様から預かって二泊ほどの旅をしてロワール商会パレート支店に届けたのであったが三人の記憶の中ではもっと一緒に長旅をしていて、三人はローザリンデとユリアーナ、リンダ、ヴィーラントをよく覚えていた。


 交代で三人を抱っこするローザリンデとユリアーナであった。

 アンヌが「お姉ちゃんに会えるかなといつも言っているんですよ」とにこにこしている。

 ローザリンデとユリアーナは時々ロワール商会パレート支店に顔を出そうと思った。


 エリザベスさんがシャルル王子、ノエルさん、アンリちゃんと話している。シャルル王子とノエルさんの結婚式の招待状をもらったようだ。僕のところにも招待状を持って来た。


 テラーサス前国王夫妻、先の国王夫妻、国王がテッサニア国王夫妻に挨拶している。先の国王が前国王をお願いしている。幾つになっても親なんだろう。


 鉱山都市ミネリアの四人とついてきた主だった者たちはきょうちゃんを見つけた。

「きょうちゃん棍棒聖人様」

「おれのことか」


「はい。両手に棍棒を持って振り回すのが我々の理想ですがなかなか出来ません。ご活躍を見聞きして棍棒聖人様と思いました」

「そうかい」


「直接見たことのない者もおりますれば是非模範演技をご披露願えませんでしょうか」

「いいぞ」


 テントの外できょうちゃんが両手に棍棒の模範演技をして、ミネリアの連中は感動している。いい土産話ができたろう。


 コクサール国の兄、妹、重臣達は、僕に挨拶したら、内乱のときに助けてもらったエレーネ女王と兵隊さん達のところに行きお礼を言っている。


 湖ではブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃん連合、ジェナとチルドレン、アンナとアンヌで競艇をやっている。ジェナとチルドレンは直線では敵わないので、ブイを浮かべてスラローム競技にした。スピードを出しすぎるとコースアウトして失格になるので、なかなかいい勝負になった。よく考えついた。楽しそうだよ。


 新大陸の人たちはラシード隊が語る砂漠の話に興味津々だ。ベーベーも大人気だ。乗ってみたりしている。


 パーティーが一応終わると、食事は片付けて、テーブルと椅子を多数出して、休憩所にした。

 参加者は、そのままお茶を飲みながらテントで話したり、湖の周りに行って商店を覗いて土産を買ったり、饅頭を食べたり、ボートに乗ったり、散策したりして、一日を楽しく過ごした。

 ラシードさんに頼んでベーベーで湖の周りを散歩する人もたくさんいた。バトルホースも希望者を乗せてポクポク歩いている。


 もちろん花見もしたが花より団子はどこでも同じであった。


 そうそう、テラーサス前国王の土産物店も大繁盛だった。ワインとマノンさんのところの製品が飛ぶように売れた。念の為ジゼルさんとマノンさんが持って来ていた製品を補充して間に合わせた。


 夕方、僕とアカのところに次々挨拶に来て、それぞれ観察ちゃんが送っていった。


 最後に手伝ってもらった人たちにテントに集まってもらって僕がお礼を言って見送って花見は終わりになった。


 警備員も一日頑張ってくれた。撫でてやってジェナとチルドレンが熱帯号と雪原号に跨って送って行った。


 みんなを送った後、テラーサス前国王が茶屋に招待して、僕たちとテッサニア国王、オフェーリア王妃、クロエ侍女長、テラーサスの皆さんでお茶にした。

 良い関係が作れたようだ。


 最後に僕とアカ、眷属が会場、湖周りを清掃して、観光馬車屋さん、宿、湖の周りの店にお礼を言って神国に戻った。

 ここで新大陸編は終わりです。長い間お読みいただき、また運営様におかれましては掲載していただき、ありがとうございました。

 次は地球編となります。


地球に異形出現 幼女神あわてる

https://ncode.syosetu.com/n6964kf/


 引き続きよろしくお願いいたします。


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終わりと書いておきながらですが、地球編を挟んでここで次の物語を続けることにしました。

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