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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に —新大陸編—  作者: SUGISHITA Shinya


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522 人為的作出獣を絶滅する

 道を外れて森の中でおやつをしていると、コットで出会った種類の獣が襲って来た。ブランコがポンと殴って倒した。

 アカがおかしいという顔をしている。


「シン、この獣と、最初に出会った獣、この前のコットの獣、みんな血が濃い。繋がりが濃すぎる。おかしい」

「確かにそうだね。突然変異の強い親がいて、そこから増えたようだ」


『シン様。シン様。これから行く王都くらいの大きな街のそばにその獣を繁殖させているところがあるよ。悪い人がやっているみたい』


『シン様、シン様。獣の実験日誌があるけど、長い時間をかけて多くの獣を犠牲にして実験して作り出したみたいだよ』


『シン様、シン様。大変。大変。獣が上手く行ったので、人でも初めているよ。誘拐して来た人を使ってる。上手くいかなくて処分と書いてある。何人もだよ』


 日誌、記録類は観察ちゃんが全部見て映像を送って来た。


『わかった。ありがとう。マリアさんを街の外に送るからそこに実験されている人を転移させて』

 すぐアカがマリアさんと一緒に行った。アカは神様モードだ。


 許さない。人にまで手をつけたな。許さない。


 ティランママとティランサンを呼ぶ。

「すぐ呼び戻してすまないね」

「いいえ、いつでもお呼びください。お役に立てるのはこの上ない喜びです」


「みんな、昨日の獣は、この先の大きな街で、交通を遮断するために人為的に作り出し増やして放した獣とわかった。それに人まで改造しようと何人も誘拐して実験して殺している。許さない。全て滅ぼす。根絶やしにする」


「ブランコ、エスポーサ、ドラちゃん、ドラニちゃん、ティランママ、ティランサン。それに熱帯号と雪原号はジェナとチルドレンを乗せて一セットだ。フィーニスの裏山から向こうの山まで、この世にいるこの獣全てを燃やせ。飼われている獣も全て燃やせ。この獣の特徴を覚えて探せ。この獣の特異的な部分はここだ」


 みんなの頭に特異的な部分を送る。すぐわかるだろう。たとえお腹の中だろうと特異的部分がわかる。


「飼われている獣は高空から熱線で燃やしてしまえ。派手にやれ。獣を放している人がいたら獣ごと燃やしてしまえ。手分けしてやれ。頼んだよ」


 ジュビアとアイスマンはすぐ熱帯号と雪原号になりジェナとチルドレンが分乗した。


 シン様が怒っている。自分たちがやらなければこの平原全て滅びの草原だ。みんな直ちに四方に別れた。ブランコとエスポーサは越えて来た山の稜線に転移した。エスポーサが後ろの方を見るけど獣はいない。まだ山を越えていなかった。ブランコが緑の平原に向けウォーンと吠える。吠え声が平原いっぱいに響く。


 殲滅隊の行動開始だ。時々熱線が天から注がれる。地上が爆発的に明るくなる。早い。お昼の時間までには終わってしまった。頭数が少なかったこともあるけど、広いから大変だったと思う。みんな帰って来た。

 討ち漏らしがないか、ドラちゃんとドラニちゃんが空から確認している。平原の外まで確認した。絶滅した。もうこの世にいない。


 観察ちゃんが獣を作り出した人や飼育していた人、人で実験していた人、実験日誌、記録類、施設も全て蒸発してしまったと言っています。


「待ってろよ。これを企んだやつ。ふふふふ」

 シンから憤怒の強い光が放たれ始める。


「あ、おとたんが危ない」

 破壊神になったら大変だ。

 おかたんと宥める。いい子、いい子。いくらかおさまった。


 コット

「お父さん、傷が、傷が」

「傷がない」

 包帯を解いた。確かに傷がなくなっている。


「触ってみても痛くない。なんともない」

 組合員も驚いている。


「なんてことだ。シン様は神様だったのか。お前ら失礼はなかったろうな」

「多分」

 それから組合は狩そっちのけでシン様の話に持ちきりになった。


 しばらくして、吠え声が聞こえた。建物が震える。腹に響く。ただの吠え声ではない。平原に広がっていく。何かの合図かもしれない。


 なんだ、なんだと言っているうちに、森の方に火柱が天から降って来た。ズドーンと音が響いてくる。地が揺れる。建物が揺れる。解体場から悲鳴が聞こえる。なんだなんだと出ていくと、あの獣の皮などあの獣の全てが燃えて消えた。灰も残らない。食肉組合からも悲鳴が聞こえる。もちろん一同行ってみる。

 あの獣の肉が炎をあげて燃え尽きてしまった。何も残らない。


「俺はシン様が怒っているように思う」

「お父さん、森に行ってみよう」


 狩人組合員全員で森に行く。多分というか、確実に昨日の場所だろう。急ぐ。


 昨日の現場についた。二つに切られた獣と臓器などを埋めたところに大穴が空いている。焼けこげている。


「昨日何頭か残っているとおっしゃっていたな。探せ。多分燃えてしまっているだろう。燃え跡を探せ」

 狩人だ、踏み跡などを辿って、何かが高熱で燃えた跡を数箇所探し当てた。


「あの獣は、おかしかった。今まで見たことがなかった。特級狩人が敵わない獣はいなかった。自然ではなかった。あの獣が現れた理由にシン様が怒ったのだろう。シン様は神だな。ついていた人たちは眷属なのだろう。あの大きな獣を一刀両断できたのも考えてみればおかしかった。眷属なら納得だ」


 一人お腹を押さえて真っ青になっている狩人がいる。

「お前、あの獣の肉を食ったな。燃えるぞ」

 喉に指を突っ込んで吐き出そうとしている。


「心配するな。食肉組合の肉まで燃えてしまったのだ。燃えるならもう燃えてしまっている。これに懲りてつまみ食いはするな」


「帰ろう。これからいい方向に向かうだろう。俺たちは社を作ってシン様と眷属様をお祭りしよう」

 全員が賛成した。

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