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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に —新大陸編—  作者: SUGISHITA Shinya


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676 ジェナたちが盗賊を退治し囚われていた人を助け出す

 僕たちは村を通り抜けて先に進む。しばらく行くと村から続く高台はだんだん低くなり平地と変わりなくなった。畑などが広がる。所々に集落がある。人目がなければ転移し、人目があれば歩いて進んだ。途中休憩と昼食・お昼寝をしておやつの頃に街に着いた。


 ここは城壁が街を囲んでいて城門があった。

 ほとんど街に入る人はいない。門の向いている方向には僕らが通って来た村しかなかったからね。門番はいたけど何も言われず街に入れた。

 ジェナ達は少し先の方に見える広場に走って行った。ジュビアが付いて行った。アイスマンは荷車を引いているからジェナ達と一緒に走っては目立ってしまう。


 少し早足で広場に向かう。すぐ着いた。ここが中央広場だとしたら小さい街だ。


 ジェナ達が困っている。マリアさんが行った。

「どうしたの」

「塩も砂金も使えないって」


 マリアさんが屋台の人に聞く。

「何で支払うのかしら」

「この街は物々交換だ」


 テラーサスで買った野菜があるが新鮮だと変だし、ここらでもありふれた物でなくてはおかしいし、どうしようかな。

 乾燥野菜にしよう。旅の友だ。作った。テラーサス産野菜の乾燥野菜ミックス。収納の中で布袋に入れた。


「マリアさん、これ使って。乾燥野菜」

「ではこれで支払いたいと思いますが、いいでしょうか」

「乾燥野菜か。いいぞ」


 ジェナ達は無事におやつにありつけた。小麦粉の皮の中に野菜を入れて焼いた物だ。僕らも食べてみる。素朴な味だ。聞いてみよう。


「どうして砂金や塩ではダメなんですか」

「砂金は食えねえ。塩は品質が悪くて使うのに手間がかかる」

「そうですか」

「それに塩はこの国では取れねえ。先の方の国だ」

「海からとっているの」

「山でとっているそうだ」

「ふうん。隣の街までどのくらい?」

「二日だな。おまえさんたちだと三日はかかるだろう」

「ありがとう。美味しかったよ」

 ぶらぶら歩いて行くとすぐ入ってきた城門と反対側の城門だ。


 観察ちゃんが、行商が泊まるような宿しかないと申しております。

「おとたん、先に行こう」

「そうしよう」


 では行きますか。この小さい村のような街では泊まるにしてもまた物々交換だろう。

 ジェナを先頭に街から出た。門番は見ているだけだ。


 暗くなるまでに少し街から離れよう。急足だ。ジェナたちは荷車に乗って寝てしまった。

 ところどころ転移して街から離れた。人の移動も少ない。ほとんど転移しっぱなしだ。街に着いた。この街もやや大きくなっただけで物々交換だ。先に行く。

 先ほどと同じようだ。人が少ない。


 次の街に着く。砂金が通用するようになったが街の規模はやや大きくなった程度だ。次の街を目指す。街道もだんだん人通りが多くなって来た。人目が多くなったので転移はしにくくなったが、明るいうちに街の城壁が見えるところまで到着した。


 夕方になってから宿を探すのも面倒なので野宿。翌朝街に入る。ここでは門番が仕事をしている。このへんから盗賊が出ると村の人が言っていたっけ。門番はテラーサス王国の名誉国民証をちらっとみただけだった。問題なく入れた。初めて使ったよ、テラーサス王国の名誉国民証。


 ジェナたちは広場に向かって走っていく。

「おとたん、砂金が使えたよ」

 小麦粉の皮の中に野菜を入れて焼いた物を頬張っている。この辺の名物なのかな。

 僕らも買って食べた。相変わらず素朴な味だ。

 特に変わったところもないようだし、先に行こう。

 街の城門を通過。出る時は何も見せなくていいらしいよ。


 先に進むが、街の周辺は人が多い。おとなしく歩く。少し離れると人が少なくなってきた。急ぎ足と転移で距離を稼ぐ。街から離れると街道を往来するのは街と街を移動する人たちだけだろう。


 さて盗賊さんのいるような場所に着いた。

 先方の丘の辺りにいるそうだ。観察ちゃんが教えてくれます。


 ジェナたちは荷車が止まったから起きた。

「おとたん。盗賊がいるよ」

「そうだね。行ってくるかい?」

「みんな行くよ」

「おー」

 寝ていたから気合い十分。


「あれ、乗り物が」

 ジュビアとアイスマンが何処かに転移してすぐ熱帯号と雪原号になって戻って来た。ブランコも人化を解いて来た。


 すぐジェナとチルドレンが熱帯号と雪原号に分乗した。みんな棒を手にした。

「ムジンボーケン隊出動」

「ムジンボーケン、ムジンボーケン、ショーコインメツ」

 呪文を唱え棒を振り回しながら出動した。


「獲物が少ないようですね」

「そうだなあ。不満だろうな」

 案の定ぷんぷんしながら戻って来た。


「おとたん。10人しかいなかった」

「先の方にもっといるみたいだよ」

「わかったー」


 猛スピードで熱帯号と雪原号が走って行った。ブランコもついて行く。先の方は人の足では半日かかるだろう。


 さて僕らはもちろんドラちゃんだ。ドラちゃんとドラニちゃんがパッパと人化を解いた。女の子なのだけど。まあ誰もいないからいいか。

 僕とアカ、マリアさんがドラちゃんに乗って、観察ちゃんがドラちゃんとドラニちゃんに乗って出発。観察ちゃんは地図作りだ。


 早いねえ。ジェナ御一行。丘を越え、谷を越え、森を越え、川を走り下り、あっという間に盗賊の巣に近づいた。かなり大きい。熱帯号と雪原号が反対周りに円を描いて走り出した。ところどころでチルドレンが降りる。包囲作戦だ。一周した。すぐ雪原号が円の反対側に転移。円が大きいから完全に包囲できないねえ。


 ジェナが警備員を連れて来て空いたところに配置した。包囲網完成だな。

 ブランコが開戦の合図だ。吠えた。


 一斉にムジンボーケン隊と警備員が円の内側に進む。

「ムジンボーケン、ムジンボーケン、ショーコインメツ」

 あちこちで楽しそうな呪文が聞こえてくる。ブランコは少し高い地点で足踏みして浮いている。上手になった。高みの見物だな。


 時々盗賊の悲鳴が聞こえて来る。だいぶいるねえ。ジェナたちは十分堪能できるだろう。

 程なくアジトを囲んだ。


「おとたん。囚われている人がいるよ」

「わかった。観察ちゃん、救出」


 観察ちゃんが次々と囚われている人を救出してきてドラちゃんの背中に乗せる。女性が10人だ。美形だ。すぐアカが眠らせた。もういないそうだ。


「ジェナ、もういいよ」

「わかったー」


 ジェナ、チルドレン、熱帯号、雪原号、警備員がアジトに突っ込んでいく。駆け抜けただけだ。あっという間にアジトが粉砕された。

 ドラちゃんとドラニちゃんがアジトがある丘の隣の丘に着陸。マリアさんがテントを張って囚われていた人を収容。


 ジェナたちと警備員が転移して来た。ジェナ軍団だな。

 アジトは証拠隠滅。消しておこう。


「おとたん。全員やっつけたよ」

「よくやったね。囚われている人がいることに気づいて偉かったね」

「うん。えへへ」


 みんなを抱っこしてやる。警備員はなでなでしてやる。みんなうれしそうだ。

「警備員を送って来るね」

「行ってらっしゃい」

 ジェナとチルドレンで出かけた。


 観察ちゃんが盗賊のお宝を収納から出した。テラーサスから逃れた人が持っていたと思われるものもあった。ここで襲われ全滅したのだろう。


「よしよし、よく気がつくね。囚われていた人のために使おうね」

 手の上に乗せて撫でてやる。観察ちゃんは尻尾を振って喜んでいる。

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