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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に —新大陸編—  作者: SUGISHITA Shinya


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652 エルフとマノン達 ダンスと食事マナーの講習を受ける (上)

 朝は急いでスパエチゼンヤのスパ棟に戻る。僕とアカ、アーダ、ブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃん、ジェナとチルドレン、熱帯号と雪原号だ。


 スパ棟から出ると丁度マノンさん達も宿舎から出て来たところだ。

 待っているとリンダがエルフを連れて転移して来た。


「今日は、ゆっくりスパエチゼンヤを楽しんでください。ここは特殊でこの大陸にここしかありません。その意味では、人の世のリアルを知る参考にはなりませんが人々の話題に取り上げられることが多いです。知っておけば話題についていけるでしょう。明日からは、人の世のリアルの研修になります。では今日からの責任者、ツアコンエスポーサに代わります」


 僕、エスポーサにバトンを渡したのであとはすることないな。多分。


「はい、みなさん。昨日まで、訓練で身体を、座学で頭を酷使したことと思います。今日は一日スパエチゼンヤという特殊な場所でリラックスして明日からの研修に備えましょう。では私が持つこの巨木印の小旗が集合などの目印になります。覚えておいて下さいね。迷子にならないように。今日は周りが囲まれていますので大丈夫でしょうけれど。それでは行きましょう。その前にシン様からお小遣いを頂きました。どう使おうと自由です。十日くらいは十分な額です。朝食は賄いですが、原則昼と夜は小遣いから支払って食事をして下さい。それも訓練の内です。小遣いを全部使ってしまうと朝食しか食べられなくなってしまいます。盗まれてしまっても同様です。では各人にお渡しします」

 エスポーサが巾着に入ったお金を渡す。


 ツアコンエスポーサが歩き出した。ブランコに乗って。

「こちらはシン様のスパ棟、いつもあるとは限りません。こちらは管理棟です。朝食はこちらの会議室で仕出になります」


「次は旅館です。この大陸一の高級旅館です。泊まってみるのもいいかもしれませんが、肩が凝るかもしれません。一応中を見学してみましょう」

 エスポーサが旅館に案内していく。


 旅館内部はエリザベスさんが案内してくれた。閑静な森の中の趣の別棟の宿泊棟などを見学した。見学の終わりは豪華食堂でお茶だ。マノンさん達は昨日経験しているが、エルフは初めてだ。


 侍女がお茶を淹れてくれる。エルフでも緊張するらしい。かちゃかちゃと音がする。

「そうねえ。マナーの研修も必要かな」

 エリザベスさんがかちゃかちゃ音を聞いて呟く。


 目配せされたエスポーサ。

「では、エルフの皆さんが人間界にデビューする前にマナーの研修をしましょう。座学ではありませんので安心してください。三日間詰めてやりましょう。食事のマナー、簡単なダンスなど。講師は座学の時の先生です。普通に出来るようになればいいと思います。その間の食事はこちらで持ちますのでご安心ください」


 えええとエルフの皆さん。リラックスがなくなってしまったと顔に出ている。

「はいはい。それでは楽しいダンスの稽古に行きましょう。なに、エルフの皆さんは運動神経抜群なのですぐ覚えますよ」


 総領事館、通称迎賓館に行く。ブランコもドラちゃんも、ドラニちゃん、熱帯号、雪原号も全員人化した。


「神国名誉総領事館」、「在神国リュディア王国総領事館」の看板がかかっている。

 エルフの皆さんは一応文字は読める。在神国に首を傾げている。


 僕が解説しておこう。

「リュディア王国の人は魔物が多くて神国に行けないから、神国にあるべき在神国リュディア王国総領事館がここに設置されています」

「なるほど。しかし領事館にしては迎賓館のような豪華さと重厚さですね」

「まあね。通称迎賓館です」


 エスポーサが続ける。

「それでは今日も昨日に引き続き同じ講師の先生方です。顔馴染みですね。それではホールに行きましょう」


 背の高い重厚なドアを開ける。


 エルフの皆さんが目を見張る。

 中は、シャンデリアがいくつもキラキラ輝いている部屋だ。床もピカピカで、シャンデリアの輝きを反映している。壁一面に巨木の絵がまるでそこに生えているかのように描かれている。窓の外は明るい森だ。天井にはさらに大きな樹が描かれていて、樹の根元に3人の人物が描かれている。真ん中は男で両脇が女だ。3人とも美男美女だ。男の右手の女との間に幼児がいる。妖精が飛んでいる。隣に一組の男女。こちらも美男美女だ。女の方はツアコンさんに酷似している。というかツアコンさんだ。眷属の皆さんがいる。エリザベス夫妻もいる。


「はい。それではこれから昼食までダンスの稽古です。まずは私の父と母、元宰相夫妻に踊ってもらいます。いいわね」

 ここからはエリザベスさんが指揮することになったらしい。

 講師がいささかげんなりした顔をしている。


 楽師が楽器を奏で始めた。4人が踊り始める。上手である。


「よく動きを見ておいてくださいよ。縫い子さんも売り子さんも、運動神経は人外以上に向上しましたので、エルフの皆さんに負けてはいませんよ。しっかり見てくださいね」

 一曲踊り終わった。


「どうでしたか。老成した踊り振りでしたが上手ですよ。次は若い人に見本を踊ってもらいましょう。ブランコさん、エスポーサさん、ドラちゃん、ドラニちゃん、ジュビア、アイスマン、リンダにお願いします。あれ一人半端だな。それでは私も若いから加わりましょう」

 嘘だあ、リンダとエリザベスさんは違うと思ったエルフであったが睨まれた。


 楽師がさっきと同じ曲を奏で始める。

 やっぱり体のキレがいい。リンダも世界樹にリンクしたから最初は少しぎこちなかったがすぐ上手になって踊り切った。


「はい、みなさん上手です。この大陸で右に出るものはいません。良い先生に巡り合いましたね。それでは、老人組と、ブランコさん、エスポーサさん、ドラちゃん、ドラニちゃん、ジュビア、アイスマン、リンダさんはマノンさん達とエルフの方と組んでください。交代でお願いします。頭の中に動作を叩き込みましたね。その記憶を辿って踊ってみましょう。それでは1回目行きましょう。みんな組んでくださいね。教える方を増やしておきましょう」

 すぐ二百人衆が10人来てくれた。


「では始め」

 踊り始めた。指導者は相手をリードして動作を確実なものにしていく。ジェナとチルドレンも参戦した。指導者がいないところに行って踊って見せている。幼児がと甘くみていたエルフの皆さん。上手なので幼児に負けたと項垂れている。


「おじさん。おばさん。大丈夫だよ。すぐ上手くなるよ。リンダさんだって踊るのは今日が初めてだけど、一曲踊る間に上手になったよ」


 リンダの上手さをみて、さらに踊り巧者の幼児におじさん、おばさんと追い打ちをかけられ、自信喪失のエルフであった。それにしてもとエルフ。シン様と出会ってから自信喪失が続くなあと思うのであった。


 一曲が終わって、エリザベス師匠の講評が行われた。

「では、もう一度」

 午前中は何回となく踊らされたマノン達とエルフ。お腹がすいた。

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