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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に —新大陸編—  作者: SUGISHITA Shinya


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634 テラーサス王国臨時渉外担当大臣アンヌ サルメウムとクエンヴェル王国を籠絡する

 アンヌは一路帰国、いや帰らない。サルメウムを目指す。すぐ着いた。

 城門の外側の塩商人組合の事務所と倉庫の近くに着陸、驚く人たちを尻目に馬を引いてブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃん、ジェナとチルドレン、熱帯号、雪原号と門に向かう。勿論シン様関係だから門番はロッカを迎えに走って行った。ロッカを連れて戻ってくる。


「こんにちは。私はテラーサス王国の臨時渉外担当大臣のアンヌと申します。隣の王妃様に用があったので、寄って見ました」

「そうですか。王妃はお元気でしたか」

「はい。国王と仲睦まじく離宮に滞在していました。国王夫妻とクロエさんと楽しそうでした」

「それは良かった」


「はい。それで岩塩の鉱山を見たことがないものですから見学させてもらえないかと」

「いいですよ。まずはお茶でも」

 事務所らしいところの応接室に案内された。

 女性がお茶を淹れてくれた。

「家内です」

「初めまして。そうだ。これを差し上げます」

 布袋を進呈する。

「何でしょうか」

「休憩室で試着して見てください。良かったら一組ずつ差し上げます」

「まさか噂の」

「多分そうだと思います」


 奥さんはすぐ出て行った。そしてすぐ戻って来た。女性達を引き連れて。

「会議室にお願い出来ますでしょうか」

「いいですよ」

「アンヌおば」

 睨まれるジェナ。

「アンヌお姐さん、外で遊んでいる」

「はい。お願いね」


 ロッカは何が起こっているのかわからない。

「あなたは仕事をしててね」

 奥さんに言われてしまった。一人で応接にいてもしょうがないから、お茶を啜って鉱山に行った。


 会議室では出かける前にオリメ商会パレート支店で仕入れておいた下着を並べる。ドラちゃん人形も並べる。

「テッサニアの離宮から噂が流れて来た下着だよ。一人一組いただけるそうだ」

 アンヌの方に向いて言った。


「家族の分を購入させていただけませんか」

「いいですよ。実費でおわけしましょう。旦那さんのも上下一組無料です」


 観察ちゃんが的確にサイズを教えてくれる。かなり売れた。数がないドラちゃん人形は取り合いになった。

「毎度あり。今度テッサニアの湖に売店を出しますから次はそこで購入してください」

 店じまいをして、鉱山に向かう。奥さん連中がついて行く。


 観察ちゃんがこっちこっちと先導して行く。すぐ採掘場に着く。採掘場には屋根がかけてあった。屋根の下は斜めに掘ってあって斜面の先はすぐ岩塩である。ブランコとアイスマンが掘った穴にきちんと蓋がしてあり、「シン様の眷属様掘削救助穴・岩塩発見穴」と看板があり、お供えが上がっていた。

「へえ。ここを掘ったんだ」


 ロッカがやって来た。

「シン様の命により、眷属様が掘ってくれました。発見していただいた岩塩は、硬い岩の層の下に広がっています。しっかりした岩なので岩の下を部屋のような形で掘っています。部屋と部屋の間は厚く残し、壁の支柱にします。もっともまだ始めの部屋に取り掛かったばかりですが」


「シン様はツルハシを片手で振っただけで深々と地面に突き刺さった」

 休憩時間になったのだったろう。鉱夫が出てきて話した。


「これですか」

 アンヌがツルハシを手にとってブンと振り下ろした。深々と地面に刺さった。

「おーー」

 ロッカさん、鉱夫、奥さん連中がどよめく。

「お嬢さん、名前を教えてくれ」

「アンヌと申します」

「すげえ。俺たちよりすげえ」


 アンヌがツルハシを引き抜こうとしたらボキッと柄が折れた。

「おーー」

 再び全員がどよめく。


 鉱夫達は喜んだ。

 バンバンとアンヌの肩を叩いたり握手したり大騒動だ。ツルハシを引き抜こうとウンウン言っている鉱夫もいる。


 少し落ち着いたらロッカさんの奥さんが、「あなた、大変良いものをいただいたので、岩塩を沢山持って帰ってもらってね」。

 奥さん連中の圧がすごい。ロッカも鉱夫もタジタジである。


「わかった。お前がついて行って倉庫から好きなだけ持って行ってもらえ」

「持ってけ、持ってけ」

 鉱夫達の大合唱である。


 倉庫で奥さん連中にもっと持っていけと言われて結局荷馬車二台分は持たされた。岩塩は、およそ長辺100センチ、短辺60センチ、厚さ5センチ。重さは35キロ程度に整形してあった。不純物はない。そのまま使える珍しい塩である。


 ドラちゃんがみんなを乗せて岩塩都市の上を一周、手を振って、帰路に着いたが、クエンヴェル王国の王都プールクアに寄った。


 王宮で国王夫妻や侍従、侍女達に下着を進呈、シャルル王子、ノエル、アンリ姉弟と仲良くなった。ドラちゃん縫いぐるみをノエルが大変気に入った。

 王妃に下着展示即売会を懇願され、即売会は大好評であった。

 国王や貴族から是非ワインの隊商に下着を持たせてくれと頼まれてしまったのであった。奥さんや娘さんにつきあげられたらしい。


 ドラちゃんに乗ってあちこち上から見て、陽が沈みかける頃テラーサス王国パレートのロワール支店に戻った。チャッチャッと報告書を書いて、スパ棟に寄った。ジェナちゃんに報告書を複製してもらって、一部はシン様に進呈した。それから観察ちゃんに送ってもらって王宮に戻った。

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