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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に —新大陸編—  作者: SUGISHITA Shinya


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631 テラーサス王国 国王交代の手続きをする

 王都

 ホルストが塩荷馬車隊を率い王都の城門に着いた。アンヌはダミーの荷馬車にまわり少し後から行くことにして塩荷馬車隊が先に入城した。幌はあげて塩の積荷が見えるようにして王宮まで進む。


 道ゆく人は「塩が着いた。本当にサルメウムが復活した」と言いながら、塩荷馬車隊の後をついて行く。王宮に着く頃にはかなりの数となった。ホルストの荷馬車に人はついて行ったので、アンヌの荷馬車は騒がれずにロワール商会に着いた。


 王宮の門前に着いてホルストが群衆に挨拶をする。

「皆のもの、サルメウムでは新たな塩の鉱脈がロワール商会の貴賓のシン様により発見された。すでに国境からここまでの街、村などには別途ロワール商会が塩を配布している。この塩は王都とその西の分だ。十分ある。塩の心配は全く無くなった。安心するが良い」

 群衆の歓声に包まれ塩荷馬車は王宮に入って行った。


 王宮ではジゼルが待っていた。ホルストは拉致される。塩荷馬車は王宮に入るのは儀式なので王宮の分の塩をおろして裏の出入り口からロワール商会に向かった。


 すぐ国王執務室で会議が開かれた。先の国王夫妻、現国王夫妻、ホルスト、ジゼル、ジロー、宰相が出席である。

 先の国王が発言する。

「関係者が揃ったので始めよう」

 国王が発言する。

「迷惑かけますが、退位します。私に子はいません」

 先の国王が続ける。

「宰相、この場合規則では誰が国王となるのか?」

 宰相が答える。

「国王に子がいない場合、国王の兄弟になります。この兄弟には養子を含みます。国王の兄弟は先の国王の養子のジロー様のみです。従ってジロー様になります。なお、養子の場合、王家の血筋でなければなりませんが、ジロー様は、父は公爵家の出で、母は先の国王の同母妹で申し分ありません」

 国王が発言する。

「ジロー兄さんお願いします」

 ジローが受ける。

「わかった」

 儀式は終了である。


 先の国王が続ける。

「これから貴族代表者・街衆代表者合同会議を行う。会議室まで移動してくれ」


 会議の出席者には現国王夫妻が心優しいのが知れ渡っていた。それに国の宝のワインを救った吟遊詩人が歌う塩荷馬車を守る橋上の英雄ジゼル、ジロー小隊武勇伝、アンヌ無双伝の半ば伝説と化した人々、今回塩を運んできたホルストが揃っているのである。アンヌはいないが。いやいた。そのジローが国王になることについて異論はなかった。


 代表者会議はつつがなく終了した。


 先の国王夫妻、現国王夫妻、ホルスト、ジゼル、ジロー、宰相は国王執務室に戻った。アンヌもいる。


 先の国王が発言する。

「手続きは終わったのであとは退位・即位式の日程とテッサニア王国における国王の住まいだな。先にテッサニア王国に人を派遣しておこう。誰がいいか、みんな忙しいな」


 ジゼルが提案する。

「トンデモ情報収集能力、シン様関係を含む人間関係構築達人に行かせましょう」


「そうだな。じゃあ、アンヌ臨時渉外担当大臣だ。よろしく頼む」

 先の国王にもアンヌのトンデモ能力は知れていた。


「えええ。そんな」

 誰も異論を挟まない。宰相はさっさと出ていき、書類を持ってきた。

 アンヌ臨時渉外担当大臣の辞令である。書類に国王がサインした。


「では辞令を交付する」

 宰相がそう言ってアンヌに辞令を渡した。


「知りませんよ。ワインなんか飲んでしまいますから」

「飲もうが何をしようが結果が良ければそれで良い。頼んだよ」

 ホルストの一言で諦めたアンヌ。


「じゃあ行ってきます」

 さっさと部屋を出ていく。

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