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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に —新大陸編—  作者: SUGISHITA Shinya


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602 塩輸送荷馬車襲撃前日 (上)

 朝。朝食後、ジゼルさんが馬車が用意できたというので、裏庭に行く。

 馬車は2頭立て、軽い馬車だ。4人も乗れればいい方か。

 御者はアンヌさん。馬車はジゼルさんと僕とアカ、マリアさん。外はブランコにエスポーサが乗って、ドラちゃんとドラニちゃんが馬車の屋根の上にいる。熱帯号、雪原号もジェナとチルドレンを乗せて一緒だ。


 では転移。荷馬車の少し後方に転移した。ドラちゃんとドラニちゃんが飛び始める。アンナさんが馬車を進める。先方に荷馬車が見えてきた。

 すでにティランサンとティランママは気が付いていた。追いついた。


 組合長に今日から都までジゼルさんとアンヌさんが同行する、食事などは持参していると話しておいた。


 僕たちは長居は無用。ドラちゃんが大きくなりすぐ乗って空へふわりと浮き上がる。みんな口をあんぐり開けている。

 手を振って王都までドラちゃんに案内してもらう。下からは見えないようにする。


 襲撃場所の候補を何ヶ所か見る。丘の麓の街道だ。絶体絶命の崖とかない。つまらない。ジェナたちは襲撃隊の人数がいればいいらしい。この間は少なかったからね。


 塩を都に届かないようにするのは、どうするか。盗む。取り返されるかもしれない。

 塩をダメにするのが一番いい。そうすると水だ。橋から荷馬車を落とす。塩だから水に浸かると溶けてダメになってしまう。


 都に近いところに橋があるから、みんなで迎えに出て、荷馬車を橋から落として迎えの人を絶望の淵に落とす。いいなあ。なかなかいいぞ。きっとそうするに違いない。迎えに出るというところがミソだな。


 すでに何ヶ所か丘の上に馬を連れて人が待機している。荷馬車が見えたら次々と通過を知らせるのだろう。一大イベントだな。こんなイベントに参加しない手はない。参加ですよ。参加。


 都から軍隊らしいのが出てきた。らしいというのは制服ではないからだ。でも軍隊だな。庶子側についた軍人たちだろう。橋を渡って街道から見えないところにテントを整然と張り出した。ほら軍隊だ。少し乱れているのは庶子の私兵だろう。


 一部は都側のやはり街道から見えないところにテントだ。丸太を何本も運んできた。なるほどなるほど。丸太で橋を塞ぎ、荷馬車の後ろから追い立てて橋の上の丸太に乗り上げさせて、荷馬車を積荷の塩ごと橋から落とすという筋書きだな。面白いねえ。ワクワクだよ。


 塩商人の塩はどこまで来ているのかな。観察ちゃんがあと二日と言っています。

 道を間違えたらどうするんだろうね。山道に近づいた。あれあれ霧が出てきた。通ったことのある道だから霧を気にせずに進んでいく。山道を登り出した。本来の山の隣だ。霧は一向に晴れない。遠くは見えない。自分たちが歩いている数歩先は霧だ。大変だねえ。山を登り、降りると道は逆行している。


 霧に包まれ3日くらい進むとすでに通った街道に出るけど。気がついて引き返してきても合計6日のロスだ。塩の荷馬車は重いからね。鞭を入れたら馬が潰れてしまう。急げない。げに自然現象は恐ろしいねえ。


 庶子と副組合長はこのイベントを待たずに今日塩商人の先乗り隊と契約をした。目処がついたと思ったんだろう。観察ちゃんが契約書の画像を送ってくれる。現物はあとで先の国王に届けておいてもらおう。


 流石にワインは塩と引き換えの契約で、契約日から3日の間に塩とワインの交換だ。それはそうだよね。塩がなく、ワインも取られてしまっては、砂金だけあっても庶子についていく人はいなくなってしまう。でも塩商人さんの塩はいつ着くんだろうね。楽しいね。こちらの塩が届かず塩商人の塩が届く前提の契約だけど。大丈夫かいね。塩商人と庶子さん。


 荷馬車が橋に差し掛かるのは明日の昼頃だ。どうしようかな。今日帰ったらみんなで計画立案を楽しもう。


 都の上を飛んで帰る。緩やかな丘の上に王宮がある。周りを囲んで貴族街、一般住宅、商店街、中央広場、ワイン醸造所か。周りは葡萄畑。さすがはワイン国。もちろん食料用の畑もある。消費する分だけだろう。城壁ももちろんある。人口はどのくらいだろうね。5万くらいかな。もう少し多いかもだな。


 パレートのスパ棟前に転移。お昼だ。今日は屋敷にジゼルさんやアンヌさんがいないから静かだ。屋敷から昼食を一緒にどうでしょうかと迎えに来た。どうも人数が減って寂しいらしい。行こう。


 みんなで楽しく食事。オリメさんの話では練習生が作ったタグ無し下着も値段半額、見た目はほとんど変わらずで大好評なのだそうだ。

 荷馬車2台も順調に進んでいると話しておいた。


 午後はジェナたちは昼寝の後、遊びに行くというから「おやつには帰ってくるんだよ。荷馬車のところに夕食前に行くから」と話しておいた。

「わかったー」

 とジェナとチルドレン、熱帯号、雪原号で出て行った。


 僕は軍にいるというジゼルさんの息子さんを探そう。観察ちゃんが教えてくれます。小隊を率いている。兵は50人程度だ。かなり多い方だろう。


「庶子に走った軍が城門を出て行ったが、制服も着ていなかった。塩の荷駄を襲うと思われる。俺たちは奴らの背後を突く。いくぞ」


 城門から出て、20人程度が橋の先に、30人程度が橋の近くの方に行った。ジゼルさんの息子さんは盗賊もどきと丘を挟んで布陣した。動いたら突入だな。犯行を起こすまで待っている。現行犯でなくては庶子に責められる。

 襲撃班もそれを後ろから突く方も荷馬車待ちだ。

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