弱虫どもに深き眠りを
ずいぶんとごっつい鼻毛が抜けたもんで、おれは小さな喜びを感じている。こんなものがおれの鼻の穴の中に収まっていたのかと考えると、どうにもむずむずしてきちまうものだ。なんの感慨もなくこいつをぱっと屑籠に捨ててしまえる人間もこの世の中には存在しているのだろう。そういうやつとは友だちになれそうもない。おれはとりあえずこの鼻毛を、キーボード横にあった文庫本の裏表紙にそっと置いてあるのだけど、こいつだっていつまでもここにはいられない。おれの不注意で、または家人に見つかって、そのうちどこかに旅立ってしまうだろう。悲しい別れがいつくるかはわからないけど、おれはこの文庫本を開くたびにこいつのことを思い出そう。新潮文庫のジョイス作・ダブリナーズ。もしきみが、この作品を手に取ることがあったら、おれのこのごっつい鼻毛を思い出してほしい。
性加害があったのかどうかはもちろんわからない。逆に訊きたいけど、当事者以外がそんなことをどうやって知り得るって言うんだ? 裁判の結果がどうであれ、それが真実とは誰にも言えないでしょう。真実がどうかわからないからなにも言うことはない、そんな言説がもっともらしいこととしてまかり通っているこの状況は、はっきり言って異常だ。裁判に注力するから、表に出るの止めます。オッケー、はいはい、頑張って。ぼくらは揃ってお口にチャック。なんじゃそら。だっさいのう。他人のあれこれには、いちいち嘴はさんで散々笑いものにするくせして、てめえらの都合の悪いことには、どちらが悪いとは現時点では言えない、だってよ。4、50絡みの男どもがこぞって、偉いやつに女性を献上するっていう遊び方が、そもそも超恥ずかしいしキモいしダサくねえですかね? 犯罪行為のあるなしは置いといて、その時点で人間として終わってません? そんな腐れ遊びをしている王様と家来どもこそ、笑いのネタにするべきなんじゃありません? てめえらお得意のイジりってやつはどこにいったんだ? イジられるとおいしいんだろう? なんでもかんでも笑い事にしてきた連中が神妙な顔して、世間と権力者の双方におもねる風景は、お寒いことこの上ねえな。クソッタレども。揃ってくたばりな。
本性ってやつはピンチに出るんだよね。おれだってたぶんスカ―フェイスのチェーンソーのシーンみたいな現場に居合わせたら、小便漏らしながら、おかあちゃーん! だよ。あそこでファックユーって唾を吐きかけることができるから、トニー・モンタナって男がどてらいやつなわけでさ。死が、それも激痛を伴う死が目の前にある状況で、強がれるやつが現実にどれだけいると言うのか。まあそんなことはどうでもいいけど、松本人志とその家来どもは、まあやってることもダサいんだけど、今回のムーヴと普段の立ち振る舞いとの差がね。ダサすぎて。あそこで泣き出してしまったトニー・モンタナみたいなもんだよね。もちろん映画の登場人物と現実の人間は違うって意見もあるだろうけど、映画好きの松本さんがスカ―フェイスを観ていないわけがないんだよね。なんのために映画を観ているんだろうね。松本人志とあろう男も結局は、フィクションなんか所詮は絵空事で済ませるその他大勢の連中のひとりってことなのかな。映画まで撮っておいて? カッコいいとかカッコ悪いとか、人一倍拘っていそうなのに。そうでないと、あそこまで身体デカくできないよ。あんなひょろひょろだった人間があそこまでの身体にするのって並大抵じゃないですよ。まあこれは偏見だけど、筋トレ好きって気持ち悪いヤツ多いもんな。
まあいいか。キモいヤツのことなんかどうでも。つっても松本ヘッズって異様に多いからな。心酔とまではいかなくても、好感を持ってるやつの数は圧倒的でしょう。少なくない数のやつが多かれ少なかれ影響を受けていると考えると、やっぱり嫌な感じですよ。ウケればなんでもええねん、みたいなやつら。いいわけあるかっての。まあいいや。いいんだよ。もうやめよう。阿部ちゃんが松本人志を良く思っていないのはじゅうぶん伝わったと思うよ。なにか素敵な話をしませんか。ないよそんなもん。クソッタレなことばっかりだよ。この世はゴミだらけ、頭の中はクソだらけ、だよ。純情可憐なおれなんかはいっつも馬鹿を見る。トレイシー・ウルマンでも聴こう。おれの中の乙女にキラキラを補充しないといけない。涙のブレイクアウェイ。名曲中の名曲ですなあ。本人的には恥ずかしい過去みたいだけど。いやいやこんなに素敵な曲もないですよ。おれ的には、ユー・キャント・ハリー・ラヴ、木綿のハンカチーフ、恋のバカンス、あたりの曲に並ぶ女性ヴォーカルポップソングのマスターピースです。きみも聴いてみてごらんなさい。きっと恋がしたくなっちゃうよ。
ちくしょう。変なこと書いちまったせいで、おれのリズムはガタガタだ。あと15分で1000文字。無理だね。諦めよう。のんびりいこう。一応、自分で締め切り的なものを作っているおれなのであった。真面目だよねえ。そんなに文章を書くのって楽しいかい? うるせえな、それどころじゃないんだって。無理だとわかっていながら、それでも急ぐおれだよ。なんのために? 自己満です。マスターベーションです。独りよがりです。文句は言わせないよ。舐めんなっての。ま、おれのジュニアは舐められているがな! 梶原一騎ファンしかわからない下ネタを気軽にぶち込むのはやめようね。文字数稼ぎなら他の方法にしなさい。阿部ちゃんはこう見えて下ネタ苦手なんだから。そう言えばぜんぜん関係ないけど、また夜尿症の少年からブックマークが外れたね。ついたり外れたり、落ち着かないのう。いっつも同じようなことしか書いてないのに、どこで目をつけられて、どこで見放されるのかさっぱりわからん。いつも同じようなことしか書いていないから見放されるのでは? なるほど。そういう考え方もあるのか。でもアイスクリーム屋さんじゃあるまいし、そんなに色とりどりのフレーヴァーなんて揃えられんのよ。生身のおれも文章のおれも、クソ野郎どもめって怒ってばかりだよ。でもなるべく文章の中ではちょっと気取った形で、クソ野郎とかクソッタレって書いてるんだけどね、なにがお気に召さないのかな。ふん、なんでもいいですけどね。おれの文章の影響力がじわじわと広がっていってるのがおれにはわかっていますから。おまえ! それにあんた! あとおまえも! たぶんあいつも! ふっふっふ。阿部千代さんからの影響を隠せていませんなあ。しかしおれへのリスペクトが、数字という形でなかなか表れてこないのはなぜなんだろう。ぜんぶ妄想だからじゃない? そうなのかなあ。そんなことないと思うんだけどな。ま、どっちでもいいか! とにかく毎日粛々と文章を書いてゆくだけだ。このスピードについてこれるやつだけついてこい。見下したいやつは見下しな。真似したいやつはすればいい。勝手にしやがれ。どこまでいってもおれには関係のない話だぜ。褒められようが貶されようが、おれはおれの流儀にそむくつもりはない。どこまでも貫き通す一本の筋が、クソ野郎どもの土手っ腹に風穴を空けるぜ。その穴からおれは、きみたちのことを覗いている。気をつけな、おれは筋金入りだ。筋は通すが、一筋縄ではいかん男よ。スージー・スズキばりにハードコア。筋書きのない文章を書かせたら、向かうところ敵なし。牛スジ肉は圧力鍋でとろとろに煮込むと美味いぜ。こんなもんか。それじゃあな。夢の中で会おうぜ。




