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酩酊ポジティヴヤングガールズ地獄篇

 祝! 夜尿症の少年のユニークPVが868となりました。868のなにがめでたいんだって? ばか。868は王貞治の通算本塁打世界記録だろうが。こんなめでたい数字を見ることのできるのは今日だけ。さあみんな、いますぐ夜尿症の少年のアクセス解析をするんだ。その画面をスクショして、ツイッターとかインスタとかそういうやつにアップしよう。運気アップ間違いナシだ。おまけに長打力もアップするかもしれない。弾道も上がるね。なにしろ世界の王だからね。広げよう、ホームランの輪。


 いや飲んだね。久しぶりにお酒を飲んだ。いやー、飲んだ飲んだ。で、モテたね。おれってやっぱりモテるのよ。若い頃からそれなりにモテてきたけど、若い頃は本当に見た目と雰囲気だけで、話術とかそういうのはからっきしだったから、なんかモテたって実感はなかったよね。知らない間に勝手に好かれてたから。手応えがないのよ、そういう好かれ方って。なんか寂しいしね。おれの人間性とかは、どうでもいいんだな、みたいな。ちょっと軟弱なことを書いてるけど、実際そうなのよマジで。

 今は勝手には好かれないかわりに、おれが喋ると女の子たちがおれの話に引き込まれていくのがわかるよね。すごいポジティヴなヴァイブスが場に生まれるんだ。それがおれの能力だね。できればこの能力、若いころに欲しかった。そうしたら、もう本当にあり得ないくらいにモテたろうに。でもそんなもんですよね。ゲームでも経験値を貯めて、レベルが上がって、それで初めて有用なスキルが覚えられるじゃない。そういうことを表現してるんだよね。何事も経験と蓄積だわ。そして挫折ね。それが人間を強くしていくね。強くてニューゲームなんて邪道ですわ。だって何も面白くないもんなあれ。


 でもさ、おれがリアルで喋ることって、この夜尿症の少年で書いていることとあんまり変わらないんだけど、リアルではめっちゃ好評で、ここだと超不評なのってなんだろう。やっぱりリアルとネットは違うって話なのかもしれないけど、普通は逆じゃない? ネットでは人気者だけど、リアルではへっぽこってのが、なんかこうステレオタイプのイメージじゃんすか。それともおれのイメージがもう古い? むしろおれ自身が最先端? カッティングエッジ? 生まれ変われるから、カモンナウ? また始まっちゃったよ、おれの連想ゲームが。たぶんほとんどの人がわからない連想ゲーム。でもちゃんと繋がってるからね、これ。解る人がいることを願う。別に解ったからって偉くもなんともないけどね。だっておれと同じ知識を有してるからってなによ? おれはこの小説家になろう内でぶっちぎりの不人気だぞ。カルトヒーローのなり損ない。翼の折れたエンジェル。傷だらけの天使。そんなやつとシンクロしたからって、良いことなにもないですからね。むしろおれがなにを書いているのか、さっぱりわからないくらいで丁度いいのよ。なにに丁度いいのかは知らない。本当は知ってるけど言わない。これ以上嫌われたくないもん。


 しかしあれですなあ。おれは絶対100パーセント、元不良だと思われるんだよな。それは隠せないところに刺青が入ってるってのもあるし、物怖じしなくて、態度がデカいからなんだと思うけど、おれぜんぜん不良とかじゃないんだよね。普通よ普通。学業的には普通にすら手の届かない落ちこぼれだけどね。別に徒党を組んで悪いことしたことなんてないし。みんなと同じで、ヤンキー的な人たちは怖くてたまらなかったもんね。

 めっちゃ普通だったよって言ったって、信じてもらえないけどね。本当に不良だった人からだってそう思われちゃうんだから、もうそういう雰囲気を纏っているのでしょう。ぜんぜん違うのにね。どっちかと言うと、オタクよりの人間だよおれは。オタクからは否定されるだろうけど。なんなんだ一体。おれはおれをどうカテゴライズしていいのかわからん。普通って言っても、絶対にそんなことないと言われ、不良でしょう、って言われても、実際違うんだから違うよって言ったって、信じてもらえない。まあいいけどね。不良だと思われるのは、悪い気しないし、否定したって勝手にそう信じ込んでるんだから、おれが嘘をついてるわけではない。それにこのとっぽい雰囲気のおかげで得をしたことが何度もあるし。痛い目に遭ったこともあるけどね。フィジカル的に痛い目だよ。

 おれたぶんまだ酔ってるよね。普段はこんなこと絶対に書かないよ。そういう意味で今日この文章を読めた人はラッキーだね。知られざる現実の阿部ちゃんの素顔。そいつをチラ見せ。ふん、なにがラッキーだよ。誰も求めてないっちゅーの。いやわからんぞ。こういうのこそ、求められているのかもしれない。こういう恥知らずな内容こそが。そりゃおぞましい世界だね。そうなんだよ、世界ってのはおぞましいんだ。とっくにわかってることだろう? まあね。


 そして、ご機嫌な宿酔気分のまま、文章は進んでゆく。おう、なんてすげえパワーだ。石炭燃やして、がっしゅがっしゅ邁進する機関車のようだ。頭痛のない二日酔いってなんて素晴らしい。昨夜はめちゃくちゃ頭が痛かったけど、ぐっすり眠ったら頭痛は解消されていた。これって、最高ですよ。吐き気もないし、頭がちょっとぐらんぐらんしていて身体は怠いけど、メンタル的には絶好調さ。

 なんだかとってもピースフル。世界中のみんなが友だち。なんてね。やっぱりおれって人とコミュニケーションをとるのが好きなんだろうな。人間が嫌いなのに? うん、そう。でも、もしかしたら好きなのかもしんない。金とか欲望が絡まないコミュニケーションは好きさ。すべてを笑い飛ばすことができるコミュニケーション。悲しい物語は笑いながらするものってラッツアンドスターも歌ってただろう。そうなんだよね。個人的な悲しみをシリアスに語るのはノーサンキューさ。そんなヤツは独りでシコッてりゃいいんだ。悲しみを伝染させようとするな。悲しみは笑って昇華させるのが正しい対処法だ。

 それは悲しい傷の舐め合いの風景に見えるかもしれない。でもおれが生きてゆくには必要な儀式だ。アルコール飲料が精神に及ぼす高揚で、日々の悲しみの凧を揚げるんだ。そして祈る。いつかまた、こんな夜が訪れますように。それまで耐えてみせよう。クソッタレな何もかもから目を逸らさずに、真正面から受け止め、思いっきりストレートを投げ返してやろう。生きることは戦いだ。それは間違いない。周りは敵だらけ。四面楚歌。だからって諦めるわけにはいかないだろう? ファイティングポーズを解くわけにはいかないだろう? まるでかなわないかもしれないけど、だからってやりたい放題しているのを黙って指を咥えて見ているわけにはいかないでしょう? 牙を突き立てる覚悟を持たないやつは、死んだ魚の目をしたまま、腐った川の下流までそのまま流されていってくれ。その後はしらない。行方不明。きっと腐って己を呪いながら死んでゆく。自業自得だ。勝手にしやがれ。


 おれは小説家になろうの中で不人気のまま、怪気炎をあげる。きみたちは胡乱な目つきでそれを見て、目を逸らし、シカトして去ってゆく。それがきみたちの生き方であり、おれの生き方だ。決して交錯しない運命。さて考えてみよう。どっちが格好良いかな? どっちが強いかな? おれはきみたちから目を逸らしはしない。まっすぐに見つめ続ける。きみたちはその視線に耐えられるかな? 考えてみよう。じっくりと考えてみよう。頭が割れるまで考えて、そのあとでもう一度、おれの文章を読んでみるといい。 

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