時には水のように
書き出しに困るのはよくない傾向だ。調子に乗ってるときは、すっと入れる。するっと、滑り込むように、忍び込むように入ることができるし、どんな書き出しだろうとあまり気にせず文章を書き進められるのだけど、ちょっと自信喪失気味のときは、書き出しにしっくりこず、長々と悩むハメに陥る。それがわかってるから、おれはもうこんな書き出しでも構わず書き進めているのだ。と言っても、あんまりいつもと変わらないね。いつもこんなこと書いてるもんね、おれは。結局いつも同じことを書くなら、毎日文章を書く意味などどこにあるんだ? なんて考えだしたらキリが無い。究極的には自死しかなくなってしまうから、意味など考えないことだ。気にしない、気にしない。シカト、シカト。ぜんぶシカト。それで上手くまわるのなら、それでいいじゃないか。
久しぶりにムカつく……いや、別にムカついちゃいませんよ。腹立たしい、と言うのもちょっと違って、賛同しかねる文章ですね、こういう場合は。そうなんですよ。小説家になろうに賛同しかねる文章がドロップされていたものでね。ちょっと言わせていただきますけどね、これは悪口ではないですから。あくまでも反論です。そこんとこ、勘違いしないように頼みますよ。ぼくは、小説家になろうゴールド免許所有者なんですから。無事故無違反、トラブルとは縁のないところで活動してきているわけです。くれぐれもそこらの輩と一緒にせんでくださいよ。
どうしようかな。名前出しちゃおうかな。どうせ誰も読んじゃいないし、別に出してもいいと思うんだけど、やめておきましょうかね。どこにネズミが潜んでいるかわかりませんからね。まあでも反論ですから。言論に対しての言論ですから。では敬意を表して件の文章を書いた方を先生とお呼びしましょうかね。
先生はね、冒頭こんなようなことを書いてらっしゃるわけです。
「与党に質問という名のいちゃもんをつけていた野党がなにをしたかったのかわからない国会が終わり、私は寂しいよ」
これどう思う? まあ別におれはムカつきはしなかったけど、なに言ってんだ? という気持ちにはなりましたよね。まずね、野党がなぜ野党なのか。与党とは意見を共にしない別の政党組織だからでしょう。基本的に与党の意向には反対の立場でいるわけです。だから時にはいちゃもんに見えるような質問だってすることもあります。当たり前の話だし、それが野党の仕事です。なにをしたかったのかわからないのは、野党の仕事と、野党に投票した有権者たちの存在を、先生がまったく理解も想像もしていないからですね。まあそれはいいです。流行りっすもんね。反対するなら対案を出せ論法。実にアホらしい論法ですが、いいでしょう。
でも、さすがに今回の国会は、野党が与党を糾弾するのは当たり前じゃないですか。大臣クラスの首がポンポン飛びそうな、裏金スキャンダルの真っ最中ですよ? 先生は国会を見てらっしゃるような書き方をされていますが、なにを見ていたのでしょうかね。先生は日本国内の話をされていたんですよね。もし違っていたらごめんね、と謝らせてもらうけどさすがに国会って書いてあったら、普通は日本の話だと思うよね。で、日本の話だとしたら、すげえとんちんかんなんだけど。これを今言う? みたいな。
もしやと思うけど、先生、知ったかぶった? ぼく政治知ってますよ、みたいな。野党悪く言えばいいんでしょ、みたいな。先生、先生。これ恥ずかしいから消した方がいいっすよ。それか外国の話なのであれば、そう明記した方がいいっすよ。ところで先生、いまの内閣総理大臣の名前って言えます?
まあいいや。冒頭のほんの枕の話だし。それにしたって、まじでおれ頭にクエスチョンマークだったけどね。まあ世の中には色々なものの見方があるからね。先生は実にユニークな視点をお持ちなんでしょう。そのへんを詳しく説明してもらいたいんだけど、先生できないだろうな。いやなんとなくね。なんとなくそう思っちゃっただけ。理由は特にないっすよ。
まあまあ。先生の専門は政治ではないから。専門外のことをちょろっと何か書いただけで、とやかく言ってやるなよ。でも国会を見るのが日々の楽しみらしいよ? 知らねえよ。特定の政治家のファンとかそういうのかもしれないだろう。あんまり先生を馬鹿にするなよ。いや! 馬鹿にはしていない。はっきり言っておくが、馬鹿にはしていない。反論ですから。
もういいや。飽きちゃった。このあとの先生の専門であられる統計にも色々と言いたいことあったんだけど、どうでもいいよ、もう。おれに関係ないし。冒頭のたった数行だけで、ここまでムキになって反論するやつもおれぐらいだろうて。やっぱおれ狂ってんのかな。すぐムキになるのってよくないね。疲れるし。
さてさて、気を取り直して、なにを書きましょうかね。もうなにもないよ。阿部さんはもうからっぽだよ。なんかないの? おれに書いて欲しいこととかさー。感想くれとかそういうんじゃなしに、普通に訊きたいんだよね。阿部ちゃんはこれに対してどう思っているのだ? とかさ。あったら教えてよ……ってさ。虚空に向けて語りかけたってしょうがないね。読んでくれている人が、いるにはいるんだろうけど、どういう気持ちでおれのこんな文章を読んでいるのか、いまいちよくわからないものね。おれの想像だと、こいつはムカつくけど毎日投稿してるから何となく読んでるって人が多いような気がする。今日もこんなムカつくこと言ってるぜ、ああこいつムカつく! みたいな楽しみ方。暗いよなあ。でもおれだって人のこと言えないからね。そんな風に読んでいるやついっぱいあるし。まあどんな楽しみ方をしようが、そもそも楽しんでいなかろうが、あたしゃ構いませんよ。コンゴトモヨロシク。
あ、おれに書いて欲しいことを訊きたいとか言ったけど、あれはなかったことにして。よく考えてみたら、面倒くさい。仮にそういった要望があったとしても、ごめんなさい嫌ですっつって断りそうでさ。いや、ないよ? 要望なんてくるわけがないのは理解した上でだよ? その上で一応、要望とかいらんですよってことで。マッカクレ。コンゴトモヨロシク。
いつにも増してつまらないなあ、今回の文章は。でもいいの。つまらない文章だって文章だもん。文章に貴賤はあるけど、いいの。賤で。贅沢な名前だね。あんたの名前は賤だよ! ……ねー。こういうさ。こういうつまらないパロディみたいなのさ。本当テンション下がる。コンゴトモヨロシク。はいいの? あれはいいの。だってゲーム好きなんだもん。えへへ。また新しいゲーム買っちゃった。だってセールだったんだもん。SIFUってゲームね。カンフーアクション。ちょろっと遊んだけど、うむ。確かにこれは面白い。ですが、わたしにはいま、世界樹の迷宮という方とお付き合いさせて頂いているので、しばらくSIFUさんには電子の海の中で眠っていてもらいます。金がねえっつうのに。だってだって半額だったんだもん。ずーっと気になっていたタイトルだし、しょうがない。買うなら今しかなかったんだ。未来のおれへの、暇で暇で死にそうになっているおれへの、先行投資だよ。そんな時はSIFUで遊びなさい……っていうメッセージ入りのタイムカプセル。過去の自分からの手紙。
タイムカプセルなんて本当に掘り返すやついるのかな。いるんだろうな。これだけ人がいりゃ、ずっと地元にいて暇を持て余している連中だっているだろう。そういうやつが過去の自分が書いた手紙とか読んで、なにを思うのかな。まあおれだったら読まずに捨てるね。どうせそんなことおれが真面目に取り組んでいるわけがないんだから。死ね、バーカ! とか書いてたっておれは驚きゃしないよ。嫌なガキだったんだよ。よく頭が回りすぎて教師に嫌われるイヤな子どもだった、みたいな話を聞くけどさ、そういうのじゃないのよ。本当に嫌な、小憎たらしいガキだったんだ。何度、大人がおれを本気でぶん殴ろうか悩んでいるのを見たことか。唇とか拳とかぷるぷる震えてたからね。正直怖かったよ。それでも大人を挑発するガキの頃のおれ。憎まれっ子も命がけなのよ。そんなガキが未来の自分に宛てた手紙。黙って破り捨てるのが正解でしょう。そもそもおれタイムカプセルを埋めたことなんてあったか? うーん。わかんない。あるような、ないような。ちびまる子ちゃんのエピソードとおれの記憶が混ざっているような気もする。
えっ、もうこんな字数? おれ今日なにも書いてない気がする。まあたまにはこういう文章も書くさ。もしかしたら、もうこんな文章しか書けなくなってしまったのかもしれないけど、その時はその時さ。
結論。先生が悪い!




