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仲間

河原に行くと、世永が1人待っていた。


世永「ちゃんと挨拶した?」


樂「した。」


世永「…ま、迷惑はかけないように気をつけてね。じゃあ行くよー。」


世永が急に俺の手を取り、人の目が触れない高架下に行く。


樂「どこ行くんだよ。」


世永「はいはい。」


世永は何か呪文のような物を唱え始めた。

なんだ?何してんだ?


すると少し強い風が吹き、俺は反射で目を閉じる。


世永「ついたよ。」


世永がそう言って俺の手を引いたまま歩き出す。

俺は歩きながら目を開ける。


樂「は!?ここどこだよ!」


世永「俺の家。」


そう言って、世永は目の前にある日本家屋に足を進める。


なんでだ?

俺らさっきまで河原にいたのに、川の流れる音もしなくなったぞ。


世永に引っ張られながらその屋敷に入る。


「わぁ!新人さんですか!?」


世永「そうだよー。俺のズッ友の樂。」


玄関に入ると、ポニーテールの紫づくめの服を着た女が昼ご飯を持って立っていた。


「世永さんの友達なんだ!私は幸田こうだ 絢愛あやめよろしくね。」


樂「…早く行こう。」


世永「ちゃんと挨拶しないと入れてあげなーい。」


絢愛「何 樂さん?樂 何さん?」


女はキラキラと目を輝かせる。


樂「…梵唄 樂。」


世永「人見知りくんでごめんね。」


絢愛「大丈夫です!これからたくさん仲良くなるんで!」


世永「ありがとう、あやちゃん。」


いえいえと言って女は満足そうにして、どこかに行った。


俺は世永の叱りの言葉を無視しながら案内された場所に行く。

だんだんと獣臭い匂いがしてくる。


世永「ここは封印した凶妖を保護して、また元いた場所に返すため妖力を取って治療する場所なんだ。」


と、世永は説明し少し背の低い扉を開ける。


その部屋には沢山の種類の動物たちがいる。

その中に1人白づくめの短髪の女が立っていた。


世永「ズッ友連れてきた!」


「何言ってるんですか。仕事してください。」


世永はその女に話しかけに行きながら、飛びかかってきた動物を抱き上げ撫でる。


世永の仕事…って、聞いたことなかったな。


なんとなく世永についていくと、女にまじまじと顔を見られる。


「本当に世永さんの友達ですか?若過ぎます。」


世永「友達に年齢は関係ありませーん。」


俺に抱きついてくる世永。


「…その様子だと、本当に友達みたいですね。私は作治さくじ きょうと言います。ここの災獣園を管理している1人です。」


その女の突き放した感じが、俺にはちょうどよかった。


樂「梵唄樂です。」


杏「梵唄くんはどこに所属するんですか?」


世永「俺と同じまじない系かなー。」


2人が俺のわからない話を進める。


杏「なるほど。喉にわかりやすくありますもんね。…頑張ってください。」


その応援の力なさに俺は少し引っかかる。

まあ死と隣合わせの世界に頑張ってと言いたくもないだろう。


世永「この子、見てみて。」


と、世永は抱き上げていたうさぎを俺の顔に近づける。


世永「こうやって、妖力を取ってあげればみんな普通の動物と一緒。生命として生きてるものとして一緒の命の重みがある子たちなんだ。

だから、殺すことは考えないであげてね。」


樂「…俺らの大切なものを奪ったくせに?」


世永「…どんな生き物も間違う事はある。けどね、このきっかけ…」


樂「いい。とりあえず俺は凶妖を封印出来ればいい。」


世永「…はいはい。じゃあ杏ちゃんこれから樂の事よろしくね。」


杏「はい。」


杏という人はお辞儀をして俺らの事を見送った。


世永と長い廊下を歩き、ある部屋を唐突に世永が開けた。

そこには1人の長髪の半裸男が昼だと言うのにまだ寝ている。

口元には大きく引っかき傷が治癒しても残っていて痛々しかった。


世永「おーい、いい加減起きろー。」


世永がその部屋の襖と障子を全て開けて強制的に光を入れる。


「…あ?…きのぁ」


と、言葉が切れまたその男は眠り始める。

眠りが深いのかその男は世永が肩を揺らしても寝言を言うだけで起きない。


俺はその人の掛け布団を取り上げる。


「あ!おい!俺は裸だぞ!」


と、言って体を起こした全裸男の体には無数の傷があり、痛々しかった。

自分の長い髪の毛を大きい福耳にかけ股部分を隠し、俺に挨拶をしてきた。


「新人か。俺が寝てる時は布団を取るな。襲うぞ。俺は嘉田苛かたいら げん東京の腹方はらがただ。」


握手を求めているのか手を差し出してくる。

けど、さっきまで股付近にあった手なんだよな。


樂「梵唄樂。握手するなら手洗え。」


世永「おい!目上だよ!?」


眩「…確かにな。」


そいえば風呂まだだったなと言いながら、眩と言う男は手を引っ込めた。


世永「…眩。服はどこにあるの?」


眩「昨日は…、団服脱いだ後そのままここに来たからここには何もないぞ。」


世永「いや、服着ようよ。女の子もこの屋敷に住んでるんだからさ。」


2人が服を着る着ない論争を始める。


3分ほど待ったが辞める気配が無いので、自分の来ていたビッグTシャツを渡す。


眩「こう言うナウい服は久し振りに着るな。」


と、なぜか嬉しそうにそのTシャツを着始める。


樂「で?腹方って何?」


世永「あ、そうだった。なんだろ、ランク付けみたいなものかな。臓方はつがた腹方はらがたがあって、臓方は日本を5つの区域に分けて、それぞれ1人代表がいて、そのサポートをしているのが腹方だよ。腹方はどこでも飛んでいける動けるリーダーだね。」


眩「雑用係って事だ。」


世永「そんな事思ってないよー。」


ぴゅぴゅと世永が下手な口笛を吹く。


樂「腹方には誰でもなれるのか?」


世永「誰にもチャンスはあるけど、なるためには相当な事をしないといけないよ。」


樂「なる。」


眩「今6人いるから、満席だぞ。」


樂「は?」


世永「うん。臓方は俺の華宮本家と分家の5人でやってて、腹方は団員か分家の6人って決まってるんだ。」


樂「増やせないのかよ。」


世永「昔からの決まりなんだって。まあ眩よりも樂が強くなったら腹方になれるよ。」


眩「一生来ないな。」


樂「やってやる。」


眩「活きのいい奴が入ってきたな。楽しみだ!」


と言って、眩は立ち上がり背伸びをして、庭に走り出しラジオ体操を始めた。


世永「眩より強くなるのは相当だけどいいの?」


樂「あいつも、お前も超えて俺は夢を叶える。」


世永「…そっか。頑張れ!」


世永が俺の背中をとんとんと叩き、布団をたたむ。


しかし、強くなるとは言ったはいいが何をすればいいかまだ何もわかってない。

俺は近くにあったちゃぶ台に腰かけて考え込む。


眩「樂!」


チラチラとTシャツの下からモノを見せながらこちらに走ってくる眩。


眩「自我穿通はもうやってるのか?」


俺の目の前に顔を近づけてくる。


樂「何?」


世永「まだだよー。」


眩「そうか、じゃあ行こう!」


俺は眩たちに手を引かれ地下室に連れていかれた。

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