第2話「どんな人なんだろう」
土日月は量が少なくなります。すみません。
なんとなくそわそわしながら準備をしていたら昼はあっという間にやってきて、昼飯を食べていよいよ対面の時間が迫っていた。
どんな人なんだろうか。
母となる人は。
姉となる人は。
妹となる人は。
これから、『家族』になっていく人たちは。
そんなことを思いながら親父とともに向かいの家のチャイムを鳴らす。
『ピンポーン♪』という聞きなれた軽快な音を立ててしばらくすると、家の中からどたばたと音がし、やがて家の扉が開かれる。
「えっと喜彦さん。それと、勝くん、よね?」
扉から顔を出したのは、綺麗な黒髪をした、若々しい女性だった。しかし僕の姉や妹になるような歳には見えない。
親父のことを「喜彦さん」、と呼んだことからも、きっと、この人が僕の新しい母なのだろう。そう直感した。
「ささ、上がって。私含めみんな新しい家族に会うのを待ち遠しく思ってるわよ」
案内されるがまま、家に入り、リビングへと通される。
リビングにはすでに3人の少女が楽しそうに談笑をしていた。
いや、訂正しよう。3人そろってはいるが、楽しそうに話しているのは2人だけで、もう1人は本を読んでいた。
楽しそうに話している二人のうち、身長にそれほど差を感じはしないが、やや身長の高い方は、滑らかな黒髪で、もしかしたら腰まであるかもしれない。
案内してくれた女性に一番顔立ちが似ている気もする。
そしてもう片方は茶髪で、少年のようなボーイッシュなショートカット。
何より目につくのは健康的にこんがりと焼けた肌。もしかしたら外でする体育会系の部活なのかもしれない。
そして本を読んでいる女の子は、驚くほど肌が白く、腰ほどではないがそれなりに長い髪をしている。
しかし先程の女性とは打って変わり白い。
僕らの存在に気が付き、楽しそうに話をしていた二人はすっと黙る。
本を読んでいた少女は、急に静まった二人に違和感を覚えたのは顔をあげてきょろきょろあたりを見渡し僕らを見つけると、読んでいた本にそっとしおりを挟む。そして手を膝に置き背筋をピンと伸ばした。
その様子になんだか笑ってしまいそうになった。
「お母さん、新しい家族って、その人たち・・・・・・?」
恐る恐る、と言った様子で年長の雰囲気を漂わせた女の人が、僕と親父のほうを見ながら女性に確認をとる。
「ええ、そうよ。この人たちが私たちの新しい家族。それじゃあさっそく、自己紹介、しましょうか」
パチン、と両手を合わせて女性はそういうのだった。
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