表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
求めあう運命に憎しみを、そして悪意に幸せを  作者: サッキー
第1章 不死王
2/3

第2話 予感

冒険者というものがこの世界には存在する。端的に言えば何でも屋であるが、人に害をなす魔物や古代の遺物を探索し失われた魔法やマジックアイテム、過去の歴史を掘り出したり、隊商の護衛をしたりはたまた傭兵まがいもするかと思えばたまに世界を救うようなこともする。

悪く言えばゴロツキで良く言えば英雄候補。

そんな存在が必要とされているのだ、この世界は様々な危険に溢れ人を害なす魔物という超越的な生物が溢れている。


伝説では竜が世界を支配し、あらゆる生物の管理を行っていた。それがどういった支配だったのかは歴史に残されていない。

今はその竜は数えるほどしか残っておらず、伝説に違わない圧倒的な力を持つものの、ほぼ動かずにいる。

そのため強大な魔物に怯えながらもその数を武器に人間が世界を支配しつつあった。


そこに生まれる驕り。

それは世界は支える御霊にとって、そして動かない竜に次ぐ存在である、不死王らにとっても見過ごせないものであった。



不死王、そう呼ばれるものが5体いる。

血を操る絶世の美女、ヴァンパイア・ロードたる[鮮血の女王]サヴァン

夜の狼王、ヴァンパイア・ロードでありワー・ウルフである[ナイトメアビースト]ラトティーグ・L・ヴァンピーグ

腐敗の主、ゾンビの王[ロッツ]フェブニ

恐怖そのもの、霊体・精神体の集合体[ザ・フィアー]エニウェア

死を凌駕し死を支配せるもの[ノーライフキング]ヴィグラヴゥグヌ、今も生き残る竜すら上回る力を持つと言われる存在そのものが伝説である不死王。


人間もこれらには流石に手を出しては来なかった。

そう。過去形である。

増えすぎた人間はこれらの禁忌に手を伸ばしたのだ、とはいえ流石にノーライフキングやザ・フィアーなどの桁違いにまで手を出すほど自殺願望はなかった。

そもそもこの二種は支配欲は欠片もなく、わざわざ手を出さなければ何の危害もない。

しかし他の三種は違った、理由はそれぞれ違うが・・・

ロッツは存在そのものが災厄で、腐敗を生物に感染させてゆくためにそもそもが放置ができない。

血の女王はロッツに比べれば大したことではないが、吸血により感染していくため放置出来ない。

だがこの二つと理由は全く異なりナイトメアビーストことラトティーグ、いや御霊は純粋な欲で人間に狙われていた。

広大で肥沃な大地を奪おうと最初は冒険者で様子を見つつ、兵士を、軍隊を送りはじめて来た。

他の国の牽制もあり、少数の軍隊だったのだが・・・


流石に見過ごせず、単体戦力では人間ではどうしようもないはずの破宮で壊滅させたのに今だに緊張状態だ。

ロッツがどう思っているかは分からないが御霊としては敵対したいわけではない、普段は広大な土地に守護として分かれて過ごしていた御霊達はこの状況に数百年振りに全員が集合して事態の収集を臨んだ。

御霊の[柱]たる遺跡、御霊以外に誰も入ったことも見たこともない場所。その中心にある[墓所]で御霊らは集う。


「先に言っておくと俺様は、蹴散らせぶっ殺せ、だ」

口火を切ったのはティーグだ、普段から暴力的で脳筋な彼らしいセリフ。

「それで解決するならそもそも集まってないよね、僕らは人間に敵対したいわけじやない」

基本的には御霊を束ねる立場である鬥夜(とうや)が溜め息混じりに言う。

「改めて言うよ、例え人間から攻撃されても敵対はしない、もちろん反撃するなってわけじゃないし殺すなってことじゃない」

「思うんだけどさ、破宮の[逆さの塔]だけでいけそうなんだけど、何かダメなの?」

最もな意見を言うのは裂空(れっくう)、大気の精霊であり、歴史上最強と言われた魔術師の死後その肉体を契約によって依り代とした不死者だ。

「恐怖が凄まじく生まれる、それはザ・フィアー・・・いやエニウェアに力を与えすぎる」

「ティーグ、言い方に気をつけて」

「・・・悪い、だが、事実だ」

苦い顔で鬥夜が言い嗜めるがティーグは軽く謝罪を述べるだけだ。

「いいの、そういう力だって分かってるから」

能力の根元からして[逆さの塔]は恐怖を生む、それを理解している破宮はそれを受け入れる。

「そもそも、さ」

あくびを隠そうともせずにショートの黒髪の少年が言葉を挟む。見た目は16~18くらい、藍色の瞳に白の外套を纏い、素材は不明ながらも銀一色のハルバードを傍らに置いている。

彼の名はクリフ、御霊の中で戦闘力という意味では二番目に位置する。

「対処しなきゃならないほどの案件?フィアーやロッツ、いやロッツは流石に不味いか、ともあれ他の不死王が適当に処理しそうだけどねぇ」

「そうだね。今までならそうだった」

鬥夜が苦い顔で答え、それに対してティーグが重苦しい表情になった。

「最初に言ったよな、蹴散らせぶっ殺せって、な」

すでに聞いていた鬥夜と破宮以外の10人は嫌な予感がした。

「他の不死王、全員が敵に回った。まさかのヴィグラヴゥグヌの爺さんまでもだ、あのクソジジイ・・・」

予感は、最悪な形で的中した。

よくよく考えれば13人も御霊いるのにほとんどどんなのか分かんないな(笑)

まあいずれ少しずつ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ