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181/310

181.強くてニューゲーム……?


 長い長い悪夢を見ていた。

 1つの職場で仕事が終わったら、別の職場へと延々仕事が終わらない辛い過去の記憶の集合。


 目を開くと、そこにはプレダールが居た。

 よかった……あの手紙を受けて対応してくれたんだ!


 「ありがとうプレダーる……ゴハッ!」


 お礼を言おうとしたら胴体の左側に激痛が走る。

 薄れゆく意識の中、はースッキリした! と言うプレダールの声が聞こえた気がする。



 2度目の目覚めは、どうやら医務室のようだった。

 周囲の確認をしようとするも、大量の文字が視界を埋め尽くした。




 プラチナトロフィーを3種類獲得したので以下の機能が開放されます。

・トロフィー閲覧

・ギフトの上限解放


 以下412種類のトロフィーを獲得しています。


以下のブロンズトロフィーを獲得しました。


・初めて大鬼人連合国に入った

・初めてファッシーナ王国に入った

・初めてエルフ公国に入った

・初めてロイリア合衆国に入った

・初めて能力解析を使った

・初めてコピーを使った

・初めてコピーした能力を使った

・初めて刀剣適正をコピーした

・初めて加速をコピーした

・初めて透明化をコピーした

・初めて消音をコピーした

・初めてマナ貯蔵庫をコピーした

・初めてレアスキルをコピーした

・初めて風魔法をコピーした

・初めて縮小化をコピーした

・初めて飛翔をコピーした

・初めてシェルをコピーした

・初めてギフトをコピーした

・初めて呪いのスキルをコピーした

・コピーした能力が通算5種類になった

・コピーした能力が通算10種類になった

・初めて大鬼人と友好関係を築いた

・初めてエルフと友好関係を築いた

・初めて貴族と友好関係を築いた

・初めて王族と友好関係を築いた

・初めての光魔法

・初めての闇魔法

・初めての火魔法

・初めての水魔法

・初めての回復魔法

・初めての付与魔法

・初めて魔砲を撃った

・初めて人間を殺した

・初めてエルフを殺した

・初めて大鬼人を殺した

・一週間生き残った

・1ヶ月生き残った

・初めて金貨を手に入れた

・初めて金貨を使った

・初めて高級客船に乗った

・初めて呪われたスキルを使った

・初めて精霊と会話した

・初めて精霊の恩寵を受けた

・初めて精霊と契約した

・初めて中位精霊と契約した

・精霊に関するチュートリアルを受けた

        ・

        ・

        ・


 長すぎてうぜえ!!

 全部見なくていいし、今はどうでもいいよ!

 パニックになりながら実績閲覧をオフにした。

 目の前にいる、エルフのヒーラーに声をかける。


 「えっと、ココはどこでアナタは誰ですか?」


 「その女性は我が侯爵家の医務担当じゃ」


 ドアからクレット男爵の娘フェローナが入ってきて説明してくれた。

 侯爵って言った気がするけど、気のせいだろうか?


 「服部殿は10年石化していたのじゃ。

  大変だったのだぞ?

  砂だらけの地下墓地を奥の奥まで掘り返すのは……」


 砂漠化するらしいと記述があったけど、掘り返す手間を考えていなかった!

 おかげで元々詳しい世界でもないのに浦島状態だ。

 フェローナは小さく笑ってから口を開く。


 「まずは食事にすると良かろう。

  そこのメイド、ここに持って参れ」


 そそくさと2人のメイドが出ていった。

 飲み物はベッドサイドに置かれていて、自分で注いで飲んだ。

 ずいぶん美味しいな?

 なんだっけ……この味……日本茶だ!

 なぜこんなものがあるんだ。

 また疑問が増えてしまった。



 出された食事は箸と白米、魚の干物、すまし汁。

 なんだこの素朴な朝食は!!

 まだ夢でも見ているのではなかろうか?!

 いや、夢なら沢庵の2切れ位はあるはずだ。

 ゆっくり噛み締めて食べるが、現実らしい。

 若干お米はぼそぼそしているけど美味い!

 生き返った気分だ。


 「なるほどのぅ……

  初めて見るはずの箸を流暢りょうちょうに使う様子を見ると、やはり日本人というヤツなのか」


 言われてみればその通り。

 なぜ箸が出てきたんだ?

 食事の方にばかり気を取られたが、箸なんて普通の異世界人は使えない。

 食後のお茶を飲んで一息つき、少し世情について聞いた。


 ・現在は天翔てんしょうという元号で、10年目。

 ・この大陸を1年で平定した偉大な皇帝がいる。

 ・その皇帝は日本人で醤油を好む為、今はクレット家は爵位が侯爵になった。

 

 聞いていると、よくわからんが平和になったらしい。

 だが、自分の能力についての方が重要だ。

 せっかく怨嗟の指輪とオサラバできたんだ!

 体調が良くないと仮病を使って1日そっとして欲しいと伝えた。



 自分の部屋に案内され、1人きりになった事を確認してギフトの確認を始める。

 能力解析だったはずのスキルが能力解明に。

 コピーの横に上級と変化していた。



 能力解明 パッシブ(301/999)


 スキル所持者の知識を越える能力でも詳細が全て見えるようになる。

 能力詳細の可視化範囲は半径3m。

 新しいスキルを読み込むほど範囲は広くなる。

 


 コピー(上級) アクティブ(033/999)


 マナを吸収しなくても能力をコピーできる。

 ただし直接体に触れる必要はある。

 コピーした能力者の使用経験を少し含める事ができる。

 


 よくわからんけど便利になったらしい。

 そして、デリートのスキルが追加されている。


 

 デリート アクティブ(013/999)


 能力やスキル、状態異常を消し去る事ができる。

 能力発動範囲 半径0m

 使用回数に比例して範囲は広くなる。



 嬉しさのあまり、一瞬メリアを呼ぼうとしてしまった。

 そうだ……今はいないんだった……


 どうにかみんなと再会したい。

 もう迷惑をかける事もなくなったんだ、と少しだけ胸が張れる気がする。

 でも、許して貰えるだろうか。

 自分の決断で多くの人の命が消え去った事を隠し通せる自信は、まだ無い……


 気分直しにプラチナトロフィーを確認してみる事にした。

 実績閲覧を1番下の部分までフリック動作ですっ飛ばす。

 プラチナトロフィーの部分を見て驚いた。



・能力解析を使わず10年経過した

・コピーを使わず10年経過した

・100種以上の複合スキルを初めて消去した



 能力を10年使わずに過ごす事が、偶然にも条件だったらしい。

 これは運が良かったのだろうか……

 普通に生きていたら絶対に達成できないじゃんコレ!


 それに100種以上の複合スキルって何だよ?!

 と思ってそこをタップすると、怨嗟の宿主と表示された。

 どうやらボクが今まで色々と成長度が速かった気がするのは、怨嗟の宿主のスキルの副次効果だったようだ。

 完全に呪いだけではなく、意外と有能な効果まであったのか。

 少し惜しい気もしたが、2スロットも食って精神汚染付きでは割に合わない。

 さらに覚えの無い殺人容疑までかけられたんだ。

 消えて清々した!


 鏡を見ると、自分のステータスがハッキリと見える。

 あまりに弱くて愕然とした……

 スキルが付かなかったのも、怨嗟の宿主の複合スキルのせいだったのだろう。

 それが分かっただけでも、少し嬉しかった。



 服部 晴樹  性別 男  年齢 26

        マナ 70/70


 ギフト      スキル


 能力解明     回復魔法(中)

 コピー(上級)  水魔法(中+)

 デリート          


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