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我儘令嬢やめます



「……」


頭がズキズキと痛む。


そりゃそうだ。8歳の頭に18年分の記憶が流れこんでいるんだから。


レイリア・エリティエス8歳。前世は沖縄で大学生やってました。


いやいや、冷静になってる場合じゃない。

ちょっと整理しようか。


私はレイリア・エリティエス。

エリティエス公爵家の一人娘だ。

一言で表すのなら"横暴"か。

それとも"自己中"か"我儘令嬢"か…とりあえずとんでもない自分至上主義のクソガキである。



対して前世の私。


沖縄生まれ沖縄育ちで特に取り柄のない、5人見たら一人はいそうなゲーマー大学生である。ゲームのあるあの時代に感謝。


前世の記憶についてはまだはっきりしない部分もあるが、大体こんな感じだったはず。



で、私の名前からも分かるようにここは日本では無い。何なら地球じゃない。いわゆる異世界というやつだ。


魔法国『キャンベラ』。

魔法国だけあって魔法がつかえる人間が存在する国だ。


魔法の種類は全部で6つ。

主なものが火、水、土、風。それに光と闇が含まれる。

光の魔法を使うものは実に希で、非常に貴重な人材だ。しかしそれ以上に闇の魔法を使うものはいないに等しい。もはや都市伝説レベルだ。


魔力が使えるようになるタイミングは人それぞれで、生まれた時から魔力をまとっている人もいれば、70代で発動した人もいるんだとか。

魔法国といってももちろん国民の7割は魔力をもたない。


魔法が使えるものは15になると強制で魔法学校に入学させられる。

15歳から18歳までの3年間、寮付きのでっっかい学校で魔法について勉強することになっている。



しかし嫌な法律だな。

強制で家族と離れないといけないのか…



「失礼します、お嬢様。お目覚めのようで幸いでございます。ご気分はいかがでしょうか。」


「アン…」


彼女はアン・シルテリア。私の専属メイドだ。

そう言えば私、家庭教師との勉強中に出来ないと怒って暴れてたら足滑らして頭打って気絶したんだっけか。

我ながらダサい…


「大丈夫よ。心配かけたわね、ごめんなさい」



あまりのダサさに苦笑しながらアンに謝罪を伝える。

するとアンは目を見開き私を見つめた。

でもその後すぐにいつもの無表情に元に戻った。



「い、いえ、お気になさらず。

無事そうで何よりでございます。」


心做しか焦ってるように聞こえたけど気のせいだったのかな?



「アン、申し訳ないのだけどお茶を入れてもらえないかしら。まだ少し頭が痛くて…」


「か、かしこまりました…」


「…いつもありがとうね、アン。」


「!?!?!?

お、お嬢様!本当に大丈夫ですか!?自分の名前とか言えますか!?それとも熱でもあるんですか!?」


「えぇ!?だ、大丈夫だと思うけど…」



アンが慌ててるなんて珍しい…

いったい何をそんなに慌ててるんだ?


いや、見た目は8歳でも精神年齢は18歳。前世と合わせて23年間生きてるんだ。いつもお世話になってるメイドにお礼の言葉くらい出るものだろう。

いくらレイリアが自分至上主義だからって…


あ、なるほど。だからか。


レイリアは前世を思い出す前は自分至上主義の絵に書いたような我儘令嬢。


日々暴言を浴びていただろうアンが急に謝罪やお礼を言われたら、そりゃびっくりして声も出ないわw


でも今まで見たいに横暴に生きるなんて申し訳なさ過ぎてできそうにないし…



まーいいや、頭打った拍子に改心しました☆ってことにしとこ。


レイリアのエリティエス8(23)歳。

今日から我儘令嬢やめます。



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