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異世界冒険記『ストレージ・ドミニオン』  作者: FOX4
俺、異世界に来たんだってよ
9/1815

PHASE-09【ZERO】

{ヤッホー! セラだよ。さっきの死神ね。キャラを初めて召喚したみたいね。私の力で、パラメーターを表示できるようにしてあげたよ。大いに感謝してね~。それを使って、今の状況を確認して、召喚したキャラとの関係向上のために使用してちょ♪}

 ――――だからパラメーターがあったのか。

 ありがたいけど、数字化されると、虚しくなってきたぞ……。

 

 ベルヴェット・アポロ。

 武力100(カンストオーバー)

 知力98

 統率84

 魅力100

 忠誠0

 歴史シミュレーションゲームのような表示だな。

 やはりハイスペックだよベルヴェット。武力に関しては表示以上って事なんだろう。それは先ほどの一振りで理解できる。

 だけど、肝心なところがさ……。

 忠誠0!?

 ――…………0、ゼロ、零、ZERO……。

 へっ、不思議と某フライトシューティングゲームのシリーズで使用された、ラストステージの音楽が脳内で再生されたぜ……。

 この忠誠って、俺に対しての数値と考えてOK?

 ゼロ……。

 無理じゃん! なんか下手こいたり、間違った発言したら、本当に消し炭ルートに突入するじゃんよ!

 てっきり、なんだかんだでいい感じになって、楽しくお喋りなんかのイベントが待ってると思ってたのに。

 まあ、ファーストコンタクトは、切っ先を喉元に向けられるってものだったけどさ……。


「おい!」

 切れ長の、エメラルドグリーンな瞳に睨まれればゾクゾクだ。

 怖いとかじゃなくて、美人の睨みってのは、名状しがたいものがあるな。


「な、なに?」


「何度も言わせるな。なぜ私を知っているのだ」


「それは……」


「さっきも言ったが、明らかにここの住人たちとも服装が違う」

 まあ、チェーンストアで売ってる千円くらいのTシャツと、三千円くらいのカーゴパンツだからね。

 ゲーム以外にはお金をかけないスタイルなんだ。

 とか、そんなことを問うてるわけじゃないよな。


「無理矢理にでも聞いてよいのだが?」

 ひぃぃぃぃ。簡単に剣を抜くなよ。忠誠心ゼロはダテじゃないな。


「ん?」

 ――……おいおい……、勘弁してくれよ。

 眼前の状況にも困り果ててるのに、今度は兵士かよ。

 手に槍なんて持って、俺たちを囲んできたよ。さっきまで住人を押し倒して逃げてたくせに。

 悪いことは言わない。やめとけ。さっさと逃げろ。この美人に敵対心を向けたら消し炭になるぞ。

 ただでさえ、お前等への評価は低いんだから。


「なんだ、臆病者ども」

 ターゲットが俺から包囲し始める奴らに移行する。

 一応、穂先をこちらに向けてないから、ベルヴェットもまだ切っ先を相手には向けてない。


「こちらに敵対の意思はありません」

 明らかに一般の兵士とは違うのが、こちらに歩み寄ってくる。

 マントに、腰の鞘と剣の柄を見る限り、一般の連中より作りが丁寧だ。兵長的な存在だな。


「貴方方には、是非とも王城に来ていただきたい」

 来たコレ。あれだよ。俺が勇者となって、魔王討伐的なやつだな。

 というか、王城って事は、ここは王都なのか? 中心地がすでに侵攻されてるって状況なのか?

 もしそうなら、やる気がなくなるぞ……。

 だがしかし、この世界が現実だと理解したからな。日本に戻るためにも受けないといけないか…………。



「ふん」

 結局、俺のことを問いただせないままに、兵士たちの後をついていくのが納得いかないようだ。


「ご機嫌ななめだな」


「気安いぞ」


「俺はあんたを知ってるし、この世界の状況も理解してる。協力は大事だぜ」


「私はお前も、この世界とやらも知らん。これでは不釣り合いだ」

 お堅いな……。


「遠坂 亨ってのが俺の名前」


「トール?」


「ああ、うん。トールでいいや……」

 やはり横文字文化の人には、横文字っぽいのがいいのかね~。


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