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異世界冒険記『ストレージ・ドミニオン』  作者: FOX4
レティアラ大陸
527/1925

PHASE-527【空が白む時間】

 ――――蹴って殴って踏みつぶす。単純な攻撃だけども、単純だけに強さがしっかりと伝わってくる。

 八体のゴーレムの力だけで、十分に状況を打破できる。

 取り乱す護衛軍。可哀想とも思ってしまうが、この好機を見逃してやるほど軍人さん達に慈悲はない。


「散れ」

 ベルも距離を取ると、ゲッコーさんのAA-12とともに、軽機関銃のグリューセンを手にして弾丸を無慈悲に見舞っていく。

 二丁から銃火が輝けば、輝くぶんだけ命が刈り取られていく。

 柱に鈴生りになって射撃を行おうとしていた者達も、高所の有利性など連続で吐き出される弾丸の前では無意味。

 

 加えて、


「アッパーテンペスト」

 柱の下より吹き荒れる暴風に襲われて柱より落下。

 一度、天井に叩き付けられた後に落下で床に叩き付けられるという、二度にわたる衝撃で立ち上がれる者達の数は少ない。

 少なくてもいる事が凄いけど。


「この兵数を相手にして圧倒的に立ち回れるとは! 私達は強い!」

 声の調子が更に上がるコクリコ。ワンドも、術者に負けないくらいに貴石を輝かせる。

 ライトニングスネークで倒しているから発言にも説得力がある。


 ――――圧勝だったな。

 五百はいたであろうレッドキャップスを含めた護衛軍の兵力。

 それがカップラーメンが出来るくらいの時間で全滅だ。

 あれだ、チートだ。チート主人公の作品のやつだ。

 ま、俺は何もやっていませんけども。

 手を合わせて弔うことしか出来ませんけども。

 地龍が封じられていた地下施設の門番たちも、この中に倒れているんだろうな。

 あのまま逃げていればいいだろうけど、護衛軍の考え方からして、それはないだろうな。


「鎧袖一触ってやつだ」

 一服を楽しみ始めるゲッコーさん。

 地龍の圧倒的な全体攻撃に、リズベッドの防御。

 チート二人の攻撃に、間隙を突くコクリコとシャルナ。

 唯一なにもしなかったのが俺とランシェル。

 理由は異なるけども。

 俺は動けない。ランシェルはリズベッドの護衛で片時も離れないという役目。

 結果、本当に俺だけ何もしていない。

 今なら他力本願寺の大僧正を目指せるね。


「トールはまだ動けないんですか?」


「無茶を言うなよ」

 動けるなら俺だって本来は頑張ってるっての。

 皆が頑張ってる中で一人座って眺めてるのって、内心では申し訳なかったり、焦ったりしてるから。

 ここでドンと構えられるのが大僧正なんだろうな。

 やはり小心者の俺には、なれない地位だ。

 頼りになる味方にただただ感謝だよ。


 ――――朝だぜ。


 最初の門まで到着。

 ティーガー1の88㎜(アハトアハト)によるダイナミック入場で破壊された門。

 唯一残った門柱から見える空は白んでいた。

 なんだかんだで夜通し戦ってたわけだな。

 でも皆は元気。

 要塞内での最大の抵抗は五百ほどが集まったところだけ、元々が敵に攻められるというコンセプトじゃないからなのか、わりかし配備されている兵力は少なかったようだ。

 少なくてもレッドキャップスという精鋭部隊が在駐していたわけだが、こちらの面子には脅威にならなかった。

 やはりチート二人と地龍が強すぎる。

 地龍の実力は本調子じゃないのに、それでも無双状態。

 最大の抵抗以降は、メンバーは戦わなくてもいい状況だった。

 地龍が生み出した八体のゴーレムによって、散発的な抵抗勢力は全て排除できた。


「後はさっさとこの要塞からおさらばだ」

 でもってガルム氏たちと合流して、リズベッドの無事を知らせてやらないと。

 でもって、仲間になってもらわないとな。

 救出の吉報を知れば、今は息を潜めている前魔王の派閥の方々も、味方になってくれる事だろう。

 戦力の拡充が見込まれるのは喜ばしい。


「よし、魔王討伐にも光明が見えてきた」


「などという発言をすれば、命を落とすことになる」


「!?」

 聞いたことのない声は、飄々としながらも仄暗く、陰湿さを纏っていた。

 でもしっかりとした声量だったんだろう。

 声が聞こえてきたのは、破壊された門の先――――、要塞外からだった。

 そして、そいつの陰湿な声が続く。


「テケリ・リ、テケリ・リ」

 と――――、


「はっぁぁあ!?」

 継いだ面妖な発言に、美少女らしからぬ声を上げるリズベッド。

 心臓が早鐘を打っているのか、息が激しく乱れている。


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