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異世界冒険記『ストレージ・ドミニオン』  作者: FOX4
ギルドを立ち上げてみよう
33/1908

PHASE-33【NOZOKI】

 ――……なんでこんなところで待機するのか?

 昼間にだだ滑った演説をした俺は、未だにヘコんでいるのに……。


「まったくもって、ゲッコー殿は便利な物を沢山お持ちですね」


「喜んでもらえて何よりだ」

 暗視ゴーグルを借りて、説明を聞けば、先生は器用に操作して、暗闇の世界を明るくするアイテムに感動している。


「凄いな」

 と、同様にベルも驚きだ。

 現在、俺たちは、昼間に調べた西城壁の内角部分に開いた穴を監視するように、ほこり臭い納屋の中で身を潜めていた。


「――――はたして正にですな」

 と、先生が嬉々とした声を上げる。気付かれるのはまずいのか、そこはちゃんと小声だ。

 暗視ゴーグルで捕捉したのは、一般的な平民の服装の人物。だが、フードを被って素顔は見えない。

 ランタン片手に小走りで、穴の空いところへ近づいている。

 肩幅と身長から男だというのは分かった。


「住人の服を着ているが、歩幅が均一。あれは間違いなく兵士だ。ここの兵たちと違い、練度が高い兵士だ」

 歩き方一つで、相手の素性を予想するゲッコーさん。

 兵と思われる男は、穴から外へと出て行った。


「よしよし。さあ! 戦の準備を始めましょうか」

 ん? どういうこと? 先生の発言に、ベルとゲッコーさんは頷いているけども。

 ――つまりは、


「さっきの奴ってスパイですか?」


「すぱい?」


「間者のことです」


「その通りです。あの者が情報を流すことで、こちらに軍勢が向かってくるはずですよ」


「軍勢って、戦いが始まれば、こんなボロボロの城壁なんて簡単に崩れて、中に侵入してきます。容易く陥落しますよ」

 そもそも未だに穴とか塞がってないし。


「本来ならすでに陥落していたんでしょうが、相手は余裕という名の怠慢に思考が支配されています。だからこそ、ちょっかい程度の攻めで、じわりじわりと苦しめて搾取を楽しむ遊戯に耽っております。怠惰の思考からこういう答えが生まれたのです。以前も言いましたが、戦いを終わらせる力を有している時は、時間をかけずにさっさと陥落させることが重要。兵員と物資の無駄に繋がりますからね」

 喋々と先生が話す。

 遊戯に走った思考のおかげで、俺がここに転生した時は、まだどん詰まりですんでいたんだよな。

 どん詰まりでよかったんだよ。終わってはいなかったんだから。

 早々に王都が終わってましたじゃ洒落になってない。セラもその辺は考えて、この世界に送り込んだんだろう。

 すでに終わってたら、別の世界に転生させてただろうし。

 で、どん詰まった世界に転生して、初っぱな召喚したベルの活躍で、オーク達を壊走させられた。

 何が凄いって、召喚したばかりの王都での戦闘では、ベルは剣を二振りしただけだったな。

 その二振りに、王都は救われた。

 あの時は少数だったけど、あれが大軍勢だったとしても、問題なかったような気がする。

 本気で怒らせてはいけないな。この中佐様は。

 そして、王都が守られ、砦を陥落させたから、今回の戦いに繋げられるわけだ。


「どのくらいで攻めてくるかな~。先駆けの動員数で、本隊の規模を計算したいところですね。今回は遊戯ではなく、本気で攻めてくるだろうな~」

 何とも楽しそうに先生は語る。

 そもそもだが、本当に来るのだろうか?


 ――――三日が経過した。

 王都の南西から、濛々とした土煙が上がっている。


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