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異世界冒険記『ストレージ・ドミニオン』  作者: FOX4
死因は蝉でした……
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PHASE-03【異世界という選択。能力の選択】

「で、もう一つの選択肢は、今の状態で、別の世界――、つまりは異世界に行くやつね」


「異世界に行って何すんの?」


「悪い奴らをバッタバタ。ちぎっては投げ、成敗して、世界を平和にするのよ」


「俺のスペックじゃ、荷が重すぎるよ」


「ファンタジーな世界で、魔王を倒すって浪漫よ~」


「だから、県大会準優勝程度で魔王は倒せないよ」


「大丈夫。ちゃんとサポートしてあげるから。言語なんかは全て貴男用に変換されるし。スーパーパワーや、伝説の武器的なのを一つだけ授けるわよ」

 一つとかケチくっさ! どんと寄こせよ。そしたら楽じゃん。魔王討伐をぬるゲー扱いさせてよ。


「馬鹿ね~。一つだからいいのよ。浪漫が大事。後は地道に強くなるのよ。ゲームでも一緒でしょ。チートやグリッチの何が面白いの? ってやつよ。あんなので楽しんでる奴らは、簡単に達成するぶん、直ぐに飽きてそのゲームの良さを堪能できないままやらなくなるんだから」

 えらく現代のゲーム事情に詳しい死神だな。

 言っている事は賛同するけど。


「まあチーターの中には、プログラムに干渉して、制作サイドに穴がある事を指摘して楽しんでるのもいるわよね。プログラムを書き換える事が目的で、大抵はこの時点で達成しているってのが多いからね。IDを晒しても意味なかったりするのよね~。達成してる時点で、アカバンされても何とも思ってないし……。本当に、迷惑なのよ!」

 本当にゲーム事情に詳しいな……。コアゲーマーとみた。


「チートやグリッチで勘違いしている俺TUEEEEは、選択肢なんて与えずに地獄行きよ!」


「いや、その話もういいから。ゲームじゃなく、俺の場合、生き死にがかかってるから。チート使えるなら使っていくよ」


「じゃあ早く決めなさいよ。どうする? 聖剣、魔剣。武器なしで能力カンストetc.どんな力でも欲するなら一つ叶えてあげるから」

 う~む。どうしたものか。飽きてもいいから、武器は諦めて、生きるためにステータスに能力全振りか。

 でもな~、結局は一人で頑張らないといけないんだろ。

 向こうの世界で仲間が出来ても、その仲間が魔王倒せるほどの実力があるか分からないしな。

 もし一人で頑張るとなると……、面倒くさいよな~。


「さあ! ゲームの主人公みたいな立ち位置が、異世界で君を待ってるわよ! トートー」


「だからそれやめろ! 後、心を読むのもやめて……」


「仕方ないわね~。まあ、君が何を選ぶか楽しみだから、読心はやめたげる」

 とりあえず心を読むのをやめてもらえてよかったよ。結構ストレスだから。

 ――――ゲームの主人公ね~。らしくないよな~。俺が主人公って。

 ――――ふむ、ゲームか……。

 心残りがあるよな。ゲームをインストールしながら死んだんだから。まだ夢だとは思っているけどさ。

 主人公たちの前に立ちふさがる敵キャラがもの凄い好みだったから、早くプレイして戦ってみたかったな~。

 ――――うん。ゲームの主人公みたいな立ち位置に、ゲームのキャラ達――――。


「あのさ」


「決まったようね」


「俺というより、アレに力とか授けたり出来る?」

 映し出された俺の亡骸を指さしてから問う。


「いや、死んでるから。目の前の君にだから」


「俺が何を言っているのか分かってるくせに、わざと言ってるだろ」

 意地悪そうな笑みを湛えてるからな。心を読めない俺でもわかるぞ。

 心を覗かないとか言っておいて、全力で約束破ってるな。分かってんだぞ、その半笑い。


「まったく! 美人でも駄目なのは駄目なんだな」


「駄目駄目って、そんなストレートに……」

 ちょっと……、なんだよ。急にしおらしくなってさ。

 あのさ、俺、女性と接する事ほとんどないから、こういう時どうすればいいのか分からないんだけど。


「ぷ~クスクス」

 くそ! ずっともてあそばれてるな――――。


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