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異世界冒険記『ストレージ・ドミニオン』  作者: FOX4
お久しぶりの王都
184/1827

PHASE-184【アストラルサイドにクリティカルヒット】

 ――――程なくして村から派遣された屈強な男達。

 来た当初は、やはりというべきか、ティーガー1を目にしてギョッとしていたが、安全と分かれば山賊たちを連行していく。


「終わった。あっけなかった。流石はティーガー1だぜ」

 などと、気取ってティーガーから降りる。


「凄いねトール!」


「お、おう」

 初対面の時とは打って変わって、俺に尊敬の眼差しを向けてくるシャルナ。

 テンションが上がってるのか、長い耳を上下に揺らして、ティーガーに触れている。


「全部が鉄だなんて!」

 と、鉄の塊が動いているのが不思議なようで、更に耳を激しく動かしながら、全体をペタペタと触りながら見ていく。


「いやしかし」

 ここで更に目を輝かせた人物が、コン、カンとノックしつつティーガーを見物。


「鋼鉄の箱はどういう原理で動いているんだろう?」

 言葉を継いでのワックさん。


「勇者殿、これは解体してもいいですか?」


「ダメです」

 速攻で断ってやる。

 

 オーバーテクノロジーを探求できないのは残念そうであるが、一歩離れてから全体を見つつ、「なるほど。帯状の走行装置なら普通の車輪と違って、悪路も――――」と、呟き、初見で無限軌道の特性を理解する姿を目にすれば、王様が天才と言っていたのも頷ける。

 流石はワック・ワックさんだぜ。

 間違いなくこの人が、火龍の鱗で装備を作ってくださる方に違いない。

 

 ――だが、ここはそれよりも先に実行しなければならない事もある。


「ワックさんとゴロ太の無事を祝おう。ワックさんは泥で汚れてしまっているし、ゴロ太も小さな体で森の中を走り回って疲れただろう。クレトスは湯治場って事だし、温泉に入らせてもらおうぜ。瘴気だってはねのける湯気なんだ。温泉には更なる効能もあるだろうさ」


「そうだな」

 ここで真っ先に賛同したのは風呂好きのベル。

 混浴ってのは無理だが、仕切りの向こう側には、浪漫イベントが発生してもらいたいところだ。


 仕切りと言う名の境界線を俺は攻略したい。

 そう! 浪漫イベント・NOZOKI。

 

 俺は称号を得たいのだ!

 覗き魔(ラインブレイカー)の称号を!

 フフフ――――、ん?

 

 愛玩生物がトコトコとベルへと近づき、


「お姉さん、お風呂が好きなんだね」


「あ、ああ! 大好きだ!」


「ゆっくりと楽しんでね」

 見た目とはかけ離れた声だが、首を傾げながら可愛さを前面に出してやがる。

 その姿にベルは後退りだ。

 怖がられていたのに、急な接近をしてきた事も、浮き足だった要因の一つだろう。


「ゴロ太、いつもみたいに背中流して~」


「わかった~」


「「な!?」」

 ここで、ベルと声を合わせてしまう。

 ゲッコーさんとなら分かるが、ベルとシンクロ。

 ベルは慌てた感じで、


「シャルナはゴロ太と入るのか?」


「たまにね。背中を流すのが上手なのよ。この子」


「わ、私も是非!」

 これがシンクロの原因ですわ。

 心の中で舌打ちだよ。

 俺が見たことのない興奮した乙女がおりますわ……。

 

 とにかく、可愛いものに目がないようで、ファンシーな喋る子グマと温泉に入るという、ファンタジーな世界がたまらんらしい。


「う~ん……」

 なぜに子グマは熟考するようなポーズを取る。

 頤に手――、前足を当てるんじゃない! 俺だったら即OKなのにさ!

 ロケットおっぱいを拝めるんだぞ! 何を考える必要があるか!


「駄目……だろうか?」

 ベルの弱々しい語気よ……。


「えっとね。お姉ちゃん、怖いもん」

 言い方は可愛いが、声と内容は可愛くなかった。ベルにとっては――、可愛くない内容だった。


「なん……だと…………」

 まるで鈍器で頭部をクリティカルヒットって感じで、ベルの足がふらついている。

 本当に、真新しい光景がよく見られる一日だ。

 

 子グマにとって、興奮している姿や、いいところを見せようとして、ハンター達や俺に凄む姿が怖かったようだ。


 立ってるのもやっとなほどのショックを受けているな。

 


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