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異世界冒険記『ストレージ・ドミニオン』  作者: FOX4
お久しぶりの王都
174/1923

PHASE-174【小休止】

「ああ……急がないと、ゴロ太が」

 うむ。


「俺たちも手伝いましょう」

 勇者だからね。

 大魔法使ってやらかしたから、名誉挽回しないと。

 周囲に目を向ければ頷きが返ってきてくれる。


「ありがとう。勇者殿」

 ワックさん、俺の手を取って大いに感謝してくる。

 俺の失敗を咎めることもない。すごくいい人だ。

 でも直視は出来ない。

 笑いが吹き出てしまうから。




 ――――現在、森の中を探索中。

 索敵の達人でもあるゲッコーさんと、ハンター職のシャルナが木に登って偵察に励んでくれる。

 二人とも器用に木々を移動している。

 

 ゲッコーさんはサーマルゴーグルを装備して、自分たち以外の熱を発する存在を探しているところ。


 二人が励んでくれている合間に俺たちは小休止。

 即応できるようにイヤホンを装備。


 倒した山賊と、俺のやらかした大魔法で気を失った山賊たちは、先ほどまで一緒にいた村の方々に任せた。

 現在は、俺、ベル、ゲッコーさん、コクリコのいつものパーティーに、シャルナとワックさんのクレトス勢を含めた六人で行動。


 水筒のぬるい水を飲む。

 ぬるい水にも随分と慣れた。

 学校の夏場の水道水は嫌いだったが。


 ぬるいと思うのではなく、常温と思えばいい。

 メンタルが逞しくなってきたよ。異世界生活のおかげで。

 絹ごしメンタルから、木綿メンタルに進化してるね。


 横には、ワックさんを探す時、倒壊した小屋と泥水によって軍服に泥汚れが付着したベル。

 それが大層いやなようで、乾いたのを見計らってから払い取っている。


 探索時にまとめたポニーテールを現状維持。

 白髪ポニテもいいね。


「なんだ?」

 おっと、俺の視線に睨みで対抗してきましたよ。


「軍服が白いと汚れが目立つなと思って」


「そうだな……」

 返ってくる声は些か暗い。

 風呂好きだからな。汚れるのは嫌なんだろう。

 軍人なのに、この辺は乙女心が勝ってしまうご様子。


 ふむん――――。


「替えの服に着替え――――」


「お断りだ」

 鋭い語気での返答。

 先ほど以上の睨みのおまけ付きだ……。

 

 既成事実での、白髪バージョンのバニー計画は容易く水泡に帰してしまった。

 まあよかろう。

 なんといっても、ここは温泉地なのだ。

 チャンスは転がっているさ。

 フフフフ――――。


「さあ、愚かなる悪党共をしばき倒して、ゴロ太くんを救い、祝勝会を開こうぜ!」

 祝勝会=温泉ですけども。


「気合いが入っていますね。私もやってやりますよ!」


「コクリコは気合いを入れなくていい。緑豊かな山が、はげ山になってしまう」

 悪態の冗談を言ったつもりだったんだが……、


「分かりますよ。私の強力な魔法で焦土になるのではと、心配しているんですね」

 ――……さんざっぱらマレンティや俺にノービスと言われたのに、なんでそういう発想になるんだ?

 どうやったら、ファイヤーボールや、むかつく魔法(ランページボール)でこの山を焦土にする事が出来るんだ?

 

 乾燥、強風とか、自然状況が最悪に重ならないと、お前の魔法じゃ焦土には出来ないよ。

 自信に満ちた強気な発言はどこから来るんだ?

 コイツのメンタルはカーボン製なのかな。

 メンタルが豆腐の俺からしたら羨ましいかぎりだ。

 素晴らしき鈍感力。

 

「ゴロ太。無事だといいけど」

 祈るように呟くワックさん。


「ところでゴロ太ってどんな背格好なんです?」

 珍しいってのだけは分かったけども。

 

 正直ここまで来ると、ワックさんの容姿から推測すれば、聞かなくても分かるけどね。

 人間の大人よりたっぱがある子グマなんでしょ?

 でもって、ゲッコーさんのように渋くて格好いい声をしてるんでしょ?


「ゴロ太はね――――」

 と、語り始めようとしたところで――、


『捕捉した』

 木の上からゲッコーさんが何かを発見。

 

 この場合の何かは、山賊かゴロ太なんだろうが。

 

 ――――小休止を終え、追跡の足を速める。

 

 先頭のゲッコーさんとベルの足には当然ついていく事は難しいが、高木の根が隆起し、下生えによる悪い足場の中を離されることなく走れた脚力を誇りたい。


 森はエルフのテリトリーだと自負していたシャルナだったが、先頭の二人の移動速度には舌を巻いていた――――。


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