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異世界冒険記『ストレージ・ドミニオン』  作者: FOX4
お久しぶりの王都
168/1920

PHASE-168【俺は見下されやすいようだ……】

「強いね……。で、どうする? 私のことを奴隷にでもする?」


「本当にしてやろうか! でもって、メチャクチャないたずらをしてやろうか!」

 憤怒の亨と呼ばれたいくらいに怒り心頭だよ。

 

 指をわきわきしながら、体中を触りまくってやろうかと思ってるよ!


「アレの言っている事は冗談だ。そんなことはしない」

 いいや俺はするね!


 俺のパトスが伝わったようで、ベルから睨まれる……。

 睨みで瞥見して、そのまま視線をエルフへと戻すと、


「なぜ攻撃を」

 柔らかな口調で問うベル。


「あんた達が村に近づいて来たからさ」

 なぜに村に近づいただけで攻撃を受けないといけない。

 

 ここは秘密とはいえ、王族の湯治場だから財宝でもあるのか?

 それを狙った野盗の類いと間違えられたのだろうか。


「怒気から感じるに、村は襲われているのか?」

 質問を続けるベルに対して、首肯で返すエルフ。


 詳しくと続ければ、ベルの所作で、俺たちが野盗の類いじゃないと分かってもらえた。


 ――――瘴気が一帯を覆ってからというもの、近隣で悪さをしていた山賊たちが凶暴化。

 

 周囲を執拗に探索したのか、麓からわざわざ山道を歩き、クレトス村まで賊がたどり着いたそうだ。

 

 襲われた時に、この湯治場を気に入って、駐留していたこのエルフが助っ人として、村の人々とともに撃退し続けていたという。


 瘴気が晴れてからは、山賊たちは凶暴化からは解放されたが、そこは山賊、悪は悪だ。


 凶暴性のままに力を振るうことから、浅知恵を使う戦い方にシフトチェンジ。

 

 村を襲うよりも、その周辺で暴れ回り、村から意識を散らせる戦略を立ててきたそうだ。


 王族の湯治場という事もあり、村の防備は高いそうで、村の警備を若い衆に任せて、エルフを中心とした腕っこきが日課として、村を出て警邏を行っているらしく、その最中に俺たちを目にして敵と認識したようだ。

 だが、気になることがある。


「なんで山賊は凶暴化しているのに、村の人達は問題ないんだ? 瘴気は村までは来なかったのか?」

 股間の痛みがひいてきて、ピョンピョンと跳ねつつ質問。

 自分で思うのも何だが、かなり滑稽な光景である。


「…………」


「なあ」

 ――……。

 おかしいな、返事ないぞ。


 跳ねながら質問するから変なヤツと思われたのか? それとも弱いヤツと馬鹿にされてるのか? はたまた両方なのか?

 抱く思いは――、ムカつく!

 

 この世界に来て、ムカつく事はいままでもあったが、今回も中々に苛立たせてくれるね。

 

 ファンタジーのド定番だよな。エルフが高慢ちきってのは。

 美人だからって、許されることじゃないよ。


「で、あいつの言うように、なぜ無事なのだ?」

 俺の台詞を復唱するベル。

 それに対し、


「村にはワックがいるからね」

 でた! ワック・ワックさん。

 

 湯治場のお湯には、四大聖龍(リゾーマタドラゴン)の一柱である水龍の加護があるそうで、温泉の湯煙には浄化の力があり、それにより村は瘴気から難を逃れた。

 

 水龍が囚われた時点で加護の効果も薄まりだしたそうだが、ワック・ワックさんが作りだした、浄化の効果を増幅させる魔導具で堪え忍んでいたらしい。

 

 で、現在に至り、村は完全に瘴気からの恐怖より解放されたそうだ。


 ワック・ワックさんがいなかったら、今ごろ村の人達も凶暴化を免れなかっただろうとのことだ。


 流石はワック・ワックさん。会ったことはないけど、名前からして不可能を可能にする事が出来る人物だというのは分かっていた。


 だからこそ、有能な人材として、山賊たちは村の財宝ではなく、ワックさんを狙っているそうだ。


 攫って、その才能を無理矢理にでも発揮してもらい、財を築こうとしているのか。

 魔王軍に引き渡して報酬を得るのか。

 はたまた人質として利用し、王族から物資なんかを脅し取ろうとしているとも想像できる。


 自分たちの腹さえ膨れればいいという稚拙な行動。やはり賊の思考は単純だ。


 山道を歩いていただけで、賊と判断して攻撃してくる目の前のエルフも単純だけども!


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