表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/58

第9話

   美しい古い建物である聖チア修道院。

 40人ほどの男女の僧侶たちが非常に厳しい戒律を守り

 神に仕えながら戒律に則った質素な生活を送っていた。

 

 ギニーンはなじみの娼婦ルナナに宝石などを貢いでいたことと、

 娘の装備を整えたことで所持金をほぼ使い果たしていたが。

 ガルード将軍の援軍の仕事でボロボからの分け前がそれでも金貨5枚。

 それがギニーンの今の懐具合である。

 

  ハルナがエレオノーラに話を持ってきた。

「父の怪我はかなり重く、ここで暫く静養させます。

 あの、良かったら、私と大きな城下町に行き、

 暫く冒険者をしませんか?」


「おまえら、なにをはじめるんだ?」

 ギニーンはハルナのことが心配で怪訝な顔。


「いいよ。私も身の振り方を考えてたんだ。

 せっかく誘ってくれたんだから一緒にいくわ」


「エレさんとは、ほぼ同い年なんだし、なかよくできそうですね」


 ハルナは18歳であるがエレオノーラは歳鯖読んでの17歳。

 実年齢が13歳とは誰も思わないようだ。

 エレオノーラはそれほどクールで大人びた顔立ちをしてる。

 170センチ以上のガタイとませたかなり大きな胸。

 それに娼婦宿で世の中の裏側を見て育ったせいで

 考えも子供のものではなかった。


 ハルナとエレオノーラは港町アッパから船に乗って

 フォグ副王の治める副王都メジンへ行くことにした。

 エレオノーラにとっては初めての船旅であった。

 船は半日で副王都メジンに着いた。

 レッサム街道を馬でドミュ山脈を回り込んでいけば

 4日はかかる行程である。

 副王都メジンは賑やかな街で

 いつも人込みでごった返していた。


 ハルナは以前、修道院長の使いや自分の用事で6度も

 ここへ来たことがあるそうで、勝手知ったメジンの都を

 さっさと人込みをかき分け、冒険者ギルドへエレオノーラを導いた。


 大きな立派な建物の扉を開けると、

 どこにであるようなカウンターがあり、

 その向こうに幾人かの若い男たちがたむろしているのが見えた。


 そこで初めてエレオノーラは冒険者として登録をした。

 なんとハルナはすでに登録済みであり、

 父親を待つこの1年に4件ほどギルドの依頼を片付けたことがあると言った。

 ギルドの初期ランクは茶級だった。

 ハルナは黄級だった。ーーよくわからないがどうでもいい。

 エレオノーラはそう思っていた。

 奥にある掲示板に依頼者は求人要件を所定の用紙に

 記入しピンナップするそうである。

 カウンターで手数料を払う必要があるそうだが

 依頼の難易度によって手数料は違うそうだ。

 二人は、ますギルドの奥にある酒場で

 少し早い昼食を取ることにした。

 二人は副王都の公園の花壇と噴水の見える窓側のテーブルに座り、

 値段が銀貨1枚のスペシャルサンドイッチと

 蜂蜜入りのレモンティーを注文した。

 ウエイトレスがすぐに持ってきたが、交換で銀貨4枚はらった。


 スペシャルサンドイッチは豪華で

 辛子の効いた薄切りパン2枚に薄切り玉ネギ、

 トマト、レタス、湯引きチキン、チーズ、目玉焼きが挟まれていた。

 エレオノーラはそれを男みたいに豪快に

 かぶりついてたちまち平らげたけど、

 ハルナは女の子らしくちびちび小さくちぎって口にいれていた。

 二人は食事を終えると、さっそく掲示板の求人ピンナップを見た。


 依頼1『獣人ウェアウルフの駆除。トリュフの採れる森林に数匹獣人が住み着き困ってます。駆除希望』

 依頼2『魔獣が2匹近くの古い墓場に住み着き、墓参りができなくなった。駆除希望』

 依頼3『ベテラン魔法使い神官求む。高級優遇。副王軍』

 依頼4『攻撃的な幽霊がゴーストタウンに出るので再開発ができない。高位の神官による除霊駆除希望』

 依頼5『強く若い冒険者傭兵募集数名 身辺警護 VVIP』

 依頼6『庭の害虫駆除』

 依頼7『庭の木の刈込、雑草刈り、どぶ掃除』

 依頼8『猫のお風呂と手入れ』

 依頼9『犬の散歩』

 依頼10『ベビーシッター 主婦』

 依頼11『錬金術のための素材収集 錬金術所』

 依頼12『真面目で辛抱強い弟子求む 魔法使い』

 依頼13『雑草刈りと種まきと作物の手入れ 農家』


「あらゆる依頼ごちゃまぜだな……」「そうだね」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ