表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/58

第46話

 エレオノーラは帆船に乗っていて船長である。

 エレオノーラは大国サマルニア王国の女王バージニア5世と賭けをしたガウス王から魔法のワンピースドレスを捜すように頼まれ、航海に出た。

 船は魔技術発明家ロロッペ博士とマダム・ブラスター二人で創った魔動帆船である。

 食料は十分積み込んだ。

 なぜこうなったのか?

 エレオノーラは不承知であるけど、成り行きで、こうなった。

 とにかく、まず行く先は魔法羅針盤で南東にあるエルフの島アイカスである。

 乗組員はエレオノーラの肩に乗る小さな氷姫アチキを含めて全部で八人の若い女の子。

 絵心のあるアナスタシアデザインの三つ編みのお下げ髪のついたドクロの海賊旗を掲げる女海賊団である。


 ハルモニア王国のハビリ半島のビリ港は深い波の荒い漁港であるが、そこそこ大きな町である。

 ハルモニア王国の唯一の海に面した港である。

 エレオノーラはここにハルナと遊びに来たのだが、

 ガウス王が、この町を気に入りここにガウス王の許可を受けて別荘を持っている同盟国で大国のサマルニア王国のバージニア5世女王と、口論をしたのが原因である。

 そもそも、昔、マダム・ブラスターの父で世界一の錬金術師ブラスター師がガウス王の父王に頼まれて、サマルニア王国の女王に贈る物として作った物だった。

 ところがバージニア5世女王の母バージニア4世女王に贈る直前に、女魔法使いに盗まれたのだ。

 その魔法のワンピースはーーそれを着ると、どんなデブでブスの女性でも絶世の美女になり、魔力もすごくUPするという性能ーーのドレスで代々女魔法使いの家系である大国サマルニア国の女王にプレゼントするために作られたドレスだった。

 同盟を結んだ記念としてガウス王の父王が贈るために作ったのである。

「そんなドレスほんとは存在しないんでしょう?!」とバージニア5世女王にそう言われて、ガウス王が怒ったのだ。

「このドレスが、今、この世界のどこにあるか分からないが、魔法のワンピースドレスを盗んだ女魔法使いを捕まえて、必ず魔法のワンピースドレスを取り返してこい」というとんでもない命令を、その場の感情で、冷静で温厚なガウス王は発してしまった。

 ガウス王はクリスタル将軍にその人選と派遣を一任した。

 クリスタルはエレオノーラにその任務を頼んだのだ。

 クリスタルは、パピヨンゴブリンの姿でクリスタルの左肩にチョコンと乗っているリユに聞いた。

「お前も行くか?」

「行かないわよ。船じゃお菓子食べれないもん」とリユはパピヨンゴブリンの姿で口を尖らせて言う。

 クリスタルのためにアナスタシアがデザインして、マダム・ブラスターが息子のために作った『水晶の鎧』という美しい鎧をクリスタルは装備している。なかなかカッコいい。



「あーあ、えらい依頼を頼まれたもんだな……」とエレオノーラは船の甲板に立ってブツブツ

 魔法のワンピースドレスを捜す女海賊船はビリ港を出て、一路、エルフの島アイカスへと進む。

 クルーは全員、エレオノーラとハルナの人脈で集めた友人たちである。

「海賊団の名前は何にする?」「癒しの海賊団」とハルナ。「大食い女海賊団」「娼婦の女王海賊団」

「女学者海賊団」「魔女海賊団」「人狼海賊団」「あちき海賊団」

「わたしが決める。ドウルガ海賊団よ!」とエレオノーラ船長

 海賊旗が絵心のあるアナスタシアのデザインしたエレオノーラの三つ編みお下げ髪をドクロにつけた旗だったので

王妃さまが「『三つ編み海賊団』ね」と言って以来、そう呼ばれるようになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ