第41話
エレオノーラはギニーンとともにジャスティス将軍のゾンビに向かっていた。
ギニーンが激闘の真っ最中に、背後から妖剣 戦慄を両手で握りしめ、天性の獣の感覚で大きく振りかぶって渾身の一撃で切りかかった。
しかし、ジャスティス将軍はまるで後ろに目があるようにジャンプして交してしまった。
身の丈3メートル近い身体で、赤い鋼の鎧を装備して居ながら、この恐ろしい素早さと、勘の鋭さは、ゾンビとは思えない。
ギニーンの攻撃を斧で受け止め、エレオノーラの妖剣ダイモスの攻撃は、見事に交す。
「おい、エレオノーラ、俺の剣は受け止めるのに、お前の剣は、交わし身で、極力、接触しないようにしてねーか? こいつ」
「そうだね、ギニーンのと私の攻撃と反応が違うね」
「俺は妖剣ダイモスが、すべての魔物の瘴気を吸いつくす呪われた剣だ、と聞いたことがある」
「そうなの? じゃあ、二人で攻めようか」
「どうやって?」
「こうするのよ」とエレオノーラはギニーンの肩の上にヒョイと乗った。
「肩車作戦。3本の剣で攻めるのさ」
「肩は痛くないのね?」「ああ、いまは痛みはねえっ」「じゃあ、行こう」
ギニーンがエレオノーラを肩車したまま、左右の大剣で同時にジャスティス将軍に打ち込んだ
ジャスティス将軍は斧でその攻撃をはじき返すと
真横からギニーン狙って斧を打ち込む
エレオノーラがそれをダイモスで受けようとするが、相手が斧を寸止めして逃げる
そこへ右の剣で切り込み、それを避けたすきに左の剣を打ち込む
ギニーンの大剣の左右の打ち込みを、ジャスティス将軍が斧で防いだ、一瞬隙ができた。
その瞬間をエレオノーラは待っていた。
ウエイトターンでいたエレオノーラがジャスティスの腹めがけて、ダイモスで刺突!
見事にゾンビの腹に、呪いの剣が刺さった。
「ぐふっ!」
ジャスティス将軍のゾンビは、ごぼっと口から大量の毒液を吐き出すと、たちどころに、身体が黒い霧に分解されて呪われた妖剣に吸収されていった。
ジャスティス将軍のゾンビは消え去った。
「やった!」
エレオノーラがドヤ顔してギニーンの肩車の上でガッツポーズ
「ふうっ」とギニーンは一息つくと、「俺はハルナたちと合流しとく。お前はあのリッチとあの綺麗な女顔の男の魔法使いの戦いに加勢してきなっ!」
「あの女顔の男、だれか知らないが、リッチと対峙して動じない魔法使いて言やぁ。グリシュ・ルドくらいなもんだろう」とギニーンがエレオノーラに言った。
エレオノーラはグリシュの足元に駆け付けて、グリシュが自分に何か指示するのではないかと、それを待った。