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第4話

貨幣レートは

金貨1枚=十万円

銀貨1枚=五百円

銅貨=十円

感じで、金貨1枚=銀貨200枚 銀貨1枚=銅貨50枚

のレートで

 ここはウィルガルド大陸という広大な大陸。


東の方は恐ろしく高い4千メートル級の高い山脈があり、

人跡未踏の土地である。

しかしその山脈の向こうにも人は住んでいる。

その東の方の土地は魔法体系すら違う全く未知の世界である。



このヴィルガルド大陸は、ヴィルガルド教が信仰されているが、

ヴィガルド正教派とヴィルガルド新教派とに分かれ、

数百年の長きにわたり戦っている。

ただ単にヴィルガルド聖典の解釈の違いなだけなのだが、

対立は根深く戦争は終わる気配はない。


何者が興したかすら分からない数万年前の超古代文明の遺跡が大陸の西の方に存在し、

人間以外に魔法獣がいたり、獣人がいたり、

それ以外にも魔法使いのギルドや錬金術師のギルドがいくつもあり、

そのギルド同士が対立し、戦争にさらに混迷を加えている。





 今回の戦いで活躍したのにエレオノーラはーー新人なのでーー

という理由をつけられて、給料は基本給の銀貨100枚しかもらえなかった。

第3部隊司令官を倒したのはギニーンが「……金貨5枚……と

言い終わる前に倒した」ので無効と言われた。





(大将を倒した賞与はいつくれるんだろ?ボロボは何も言わない?!)


ーーひどいなーーやれやれーーエレオノーラは肩をすくめた


他の傭兵たちは、いろいろ賞与がもらえたようである。


 今回の戦場にほど近いアッパの港町にボロボ傭兵隊は引き上げていた。

アッパの港町にはボロボのなじみの娼婦がいるので、

ボロボは最近はアッパの港町を根城にしている。

ボロボ傭兵隊は戦死者が3人、今回のみ戦闘に参加した渡りの傭兵が

15人抜けて、あと、もう年だからとか他の仕事について結婚するとか

いうやつが4人抜けて今は179人になっていた。

3日間の休暇が全員に与えられた。

4日後にまたアッパの港町の入口の西の門に

午前11時に全員集合ということだった。

解散になった。

エレオノーラはギニーンの妹が嫁に来ている家に

来ないかとギニーンに誘われた。


 そこなら宿は無料で食費だけでいいと言われた。

寝る場所は物置か馬小屋の屋根裏だけどそれでいいならという。

エレオノーラは野外でなければどこでもいいと思ったので、

ついていってみることにした。

ギニーンの妹の嫁いでいる家は、港にほど近い薬屋だった。

ギニーンの妹と夫と女の子、夫の両親夫婦。

こじんまりした薬屋は客でいつもごった返していた。


店にはいって、ギニーンが

「やあ、リナ、また泊まりにきたぜ。

 今回はうちの女戦士連れてきたけどいいか?」


リナ「あら、にいさん、久しぶりね。

 今回も無事だったのね。良かった。」


リナ「女の人なら兄さんが馬小屋の屋根裏ね。

  女戦士さんうちの物置でよかったら勝手に好きなとこに

  シーツ曳いて自分でベッドメイキングして寝ていいわよ」


ギニーンは、わかったと妹に言うと、馬小屋の屋根裏に自分の荷物を置くと、

「ちょい野暮用があってな」と出かけてしまった。


リナ「にいさん、またなじみの娼婦のいる娼婦宿へ行ったのね。

  夕食までに帰ってこないかもね」と言ったので、

エレオノーラはこの港町の娼婦宿に興味をもって、

物置に荷物を置くと急いでギニーンのあとをつけた。

 ギニーンが入っていった建物に入ると、娼婦たちが


ーーなんだ、女か


と言わんばかりの顔でエレオノーラ見た。

エレオノーラも母が娼婦やってたので、

故郷の街で、娼婦宿が自宅だった……彼女はそこで育った

小さい頃はオネエさんたちに色々おやつをもらい

可愛がってもらっていた記憶があり、

娼婦宿はエレオノーラにとっては(女でも)なじみの場所である。


ギニーンは2階に上がっていった。戦場と違い、

上気したにやけた顔で幸せそうだった。


エレオノーラが娼婦宿のロビーにいると、

なんとそこへボロボ隊長がやってきた。

カウンターで女将と何か話していたが、

女将がいくつも下がっている紐の一つを引いた。

すると、さっきギニーンが入っていった2階の部屋から、

女があわてて、襟と乱れた髪を整えながら


「やれやれ」


と言いながら出てきて、ボロボのところへきて何か話していた。

女はそそくさとまた2階のギニーンのいるはずの部屋に戻っていった。

 エレオノーラはボロボに話しかけた。


ボロボはギクリ!として

「なんで女のお前が娼婦宿にいるんだ?」と聞いたので、

エレオノーラは


ーー自分は母が娼婦なので、小さい頃、娼婦宿で育ったので、

  ここが自分にとっては落ち着く場所だ


と説明した。


ボロボ隊長は

「ふうん、おまえ変わってるなあ」と言った。


エレオノーラは率直に聞いて見た。

「なぜ、いまギニーンの相手してる女を

 あなたも指名したんですか?」


ボロボ「やれやれ。まずいとこを見られたなあ。

  じつは俺とギニーンは同じ女に惚れてるんだよ」


「……あきれた! 揉めるんじゃない?」


「まあ、相手は娼婦だよ。色恋の道はなんとやらでな……

 仕方ないんだ。惚れちまったんだから」


ギニーンとボロボが惚れている女はルナナといった。

高ビーで貢がせたあげく男を顎でこき使う女だそうだが、

「そこがたまらんのさ」とボロボは言う。

またエレオノーラは肩をすくめて

「やれやれ」という羽目になった。






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