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第24話

副王都メジンに着くと、冒険者ギルドへ行った。


カウンターのおじさんが、三人を見かけると、

「おかえりさない、女教皇さまの依頼の大きな仕事を片したんだね」

と言いながら「そっちの背の高い姉ちゃんはハンター5級の緑クラス。小柄な僧侶の姉ちゃんは4級の橙クラス。イケメンのおっちゃんは3級の銀クラスになったねえ」と上機嫌。


エレオノーラが

「なんか腹が減ったね。少し飯食っていこうよ」というので三人は早い目の昼ご飯にした。

ギニーンはふと、ギルドの酒場の奥のテーブルを見た。 

ギルドの酒場の一番奥に見かけない若い夫婦が座っていた。

女は非常に育ちの良い感じだが、男は……相当強いな……とギニーンは思った。

なんと二人は珍しい魔界の小動物のパピヨンゴブリンを連れていた。

パピヨンゴブリンとは、魔界に住むウサギと子熊のを合わせた様な見かけで小さな翼が生えている。

非常に珍しい小動物である。

ハルナがその小動物に気づいた


「うわぁ~可愛い! もふもふだぁ~」といきなり声を上げた。


男は振り返ってハルナを一瞥すると、横でフワフワ浮かんでいるパピヨンゴブリンをそのまま捕まえると、自分の懐にヒョイと突っ込んでしまった。

そのまま二人は何事も無かったように黙ってお茶を飲んでいる。


ーーなんか感じ悪いなーーとハルナが呟く


ギニーンは横に自分の娘がいるのに、ボーッと独り言


「あの女良い女だな~ 30歳位だけど、俺のタイプっ」


と他人の嫁をガン見して涎を垂らしている。

ハルナが父親の向う脛を蹴飛ばしたーー「ひぃっ!」ーー


「パパはそこそこダンディでカッコいいのにそうやって女の人にいつもガッツいてるから。毎回惚れた女に逃げられるのよ! もうっ! ご主人に聞こえたらどうすんの! カッコ悪いから他人の振りするわよっ!」


「俺は嫁さん褒めただけだろうが!」と剥きになる父親。


「まったく、ママより怖いな~」


三人がスペシャルサンドとジャム入りの紅茶を飲んでいると、

そこへ上級貴族の召使らしき男が少し威張って酒場に入って来てカウンターのおじさんに偉そうに話しかけた。

「埃っぽい場所だな。なんか臭い匂いがするな。ふん」と嫌な感じ「フォグ副王さまの使いなんだが、仕事で優秀なハンターが必要だ。至急、10人ほどすぐに集まらんかね。ここは副王都だから強いのいるだろ? いないならギルド幹部に直接直談判するが」とカウンターで大声で話している。


「わかりました。フォグ副王さまの御用とあれば、すぐに手配しましょう」とおじさんはフォグ副王の召使にそう答えた。

そして酒場の客に向かって声をあげた

「いま、フォグ副王さまから難易度の高い仕事が来たのですが、どなたかお請けになりませんか?」


奥にいた男が「俺が受けよう」と答えた。

エレオノーラが「ギニーン、私たちもあの仕事受けようよ」と言った。

ハルナも「うん、いいね」と答えた


「よし、俺たちも受けるぜ。おっちゃん」


「よしじゃあ、あと5人だな」とおじさんが言うと、男が「妻はハンターじゃないんで、数に入れないでくれよ」と言ったので、「あと6人の募集だ」と、おじさんは奥から出てきた少年に言った


「では、魔法の鏡で各ギルド事務所に知らせて手配します」と少年は答えて、走り出て行った。

男が言った


「各事務所に1個づつ、錬金術で作られた非常連絡用の魔法の鏡は無いのかよ!」


「あれは結構、高価なんでね。どこか奇特な錬金術師協会から寄付してくれればいいんだけどね」

とおじさんは肩をすぼめた。





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