第20話
エレオノーラはスペシャルサンドイッチをぱくつきながら
長い三つ編みを結びなおしていた。
ブルネットの美しい長い髪を1本の三つ編みにまとめ長さは腰まである。
鋭い灰色の目をし、少し大人びて見えるクールな面立ちの美少女。
エレオノーラは三つ編みを編みながら自分の装備や仲間の装備を観察してみた。
エレオノーラはギニーンからもらった女傭兵隊隊長だった亡き妻リンダの戦士装備。
ルチアナのペットの
狼より一回り大きな金色の眼をした灰色の巨大な犬の様な
魔法獣ファイガは聖霊石の填められた白銀の首輪をしている。
前足に魔法石の填まった白銀の爪
口に魔法石の填まった白銀の牙を装備している。
ハルナの格好は
少し微光を発している淡いピンクの細かな銀の鎖でできた鎖帷子に、
魔力アップの宝石のついた銀の鎖の帽子、
ギニーンはマッチョで気合を入れるとすさまじい腕力だ。
ギニーンは右手と左手に魔法の宝石の填められた鋼の大剣を2本装備し、それを軽々と振る
女教皇ルチアナは神霊を受け年を取らないので8歳の幼女に見えるが本当は56歳。
幻獣の毛で織られた淡いピンクのローブに幻獣の皮でできたピュアスノーの靴。
これからの作戦話を4人がしていたとき、遺跡ネズミがちょろちょろっと現れ、4人が出てきた横穴へ走って行った。
ルチアナの横に座っていっしょにお茶を飲んでいたファイガが「がぅがぅ」と吠えるとその遺跡ネズミを追って元来た横穴に走って行ってしまった。
「あの子ったら! すいません、ここで待っててくださいね」
ルチアナは3人に微笑むと軽く会釈してファイガを追っていった。
ルチアナの姿が消えて数秒後に、これから行く先の一つの入り口から
「ぐぎゃぁ!ぐぎゃぁ!」と耳障りな叫び声がしたかと思うと、
血に飢えたゴブリンが毒牙を剥き出し、30匹ほどが現れて、エレオノーラ、ギニーン、ハルナたちに襲い掛かってきた。
「やべぁなっ!みんな背中を合わせて固まれっ!」
戦い慣れたギニーンの言葉で3人は背中を合わせ固まった。
「予防解毒魔法 バキネィション」「これは短時間しか効かないから、早く決めてね」
「わかってるわ!」「あたぼうよ!」
ハルナが呪文を唱えると淡いピンクの霞が3人を包んだ。
「聖なる守護魔法 セィキュリッドプロテクション
聖女の守り ディフェンスセイキュリッドウ~マン」
ハルナは次々と聖なる守護バブをかけた。
エレオノーラは大剣を抜くと斜めに構えて呼吸を整えている
力をためてギニーンがスラリと背中の2本の重そうな鋼の大剣を抜いた。
ハルナはギニーンにまず聖なる呪文をかけ次にエレオノーラに聖なる呪文をかけた。
これで魔物は霊体にも攻撃のダメージが与えられ大ダメージになる。
ハルナは白銀の聖霊石の填められた盾を構え白銀のレイピアを右手に構える。
ゴブリンたちがサメのような牙を剥き出し、30匹が一斉に3人に飛びかかった。
エレオノーラは神業のような素早さで剣でゴブリンを切り裂きまくる。
ギニーンは風車の様に右手と左手の鋼の重い大剣を回転させ、飛びかかるゴブリンたちを肉片に変えていく。ギニーンは自分の丈夫さを頼みにし防御に多少甘い。2回ゴブリンの毒牙が肩と頬を掠ったが、予防解毒魔法の効果で毒は食らわなかったが、ハルナはすぐにヒーリングを父ギニーンにかけた。
ハルナは盾でゴブリンの攻撃を受け流しながら、白銀のレイピアでゴブリンを切り裂きながら他の2人がダメージ受けないかにも気を配る。
すさまじい殺戮の戦闘が続けられて、ようやく30匹のゴブリンは死に絶えた。
可愛い子供の声が響いた。
「もう、あなたってば、仕方ないんだから!」と魔法獣ファイガを叱りながらルチアナが可愛い顔をしかめて小首をふりふり帰って来た頃には、4人がお弁当を食べていた場所はゴブリンの肉塊の山と黒い血の海に変わり果てていた。
「すいません、ごめんなさい」ペコリと頭を下げ、3人にルチアナはすまなそうに謝った。