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第19話

ルチアナは光の中に出るなり、素早く

「神聖呪縛 ロックトオン」と唱えた。

古代に創られた天井からの不思議な光の中に、何百匹という獰猛なゴブリンが毒牙を剥き出しながら、横穴の出口から獲物の出てくるのを待ち構えていた。

ルチアナの強力な神聖呪縛呪文は彼女の強力な霊力と魔力により、光に満ちた地下空洞全体に、即座に有効となり、毒牙をもったすばやいゴブリンたちは、金縛りとなり数秒で動きを止めた。

しかし、彼女がその呪文を唱え終わるより1秒早く、女教皇に毒牙で襲い掛かったゴブリンをギニーンがとっさにわが身でかばった。

ギニーンの日焼けした褐色の筋骨隆々の腕がその毒牙で毒を受け、どす黒くなった。

ギニーンは一瞬、ひざまずき、「うぐっ!」と吐いた。

素早く、その可愛い手でギニーンへの毒消し呪文を唱えたルチアナは、そのあと、子供の小さな体で、後ろに飛び退り全体の様子を把握しようとした。

ハルナはギニーンにヒーリングを唱えた。

ギニーンのゴブリンの毒牙による傷は、即、癒された。

ギニーンは力をため即座に両肩から左右の鋼の重い大剣をいとも軽々とスラリと抜くと、体を回転させゴブリンをすさまじい勢いで肉塊にし始めた。何百匹という知能は低いが素早いゴブリンもルチアナの神聖魔法で動きを奪われ、金縛りで動けない。

エレオノーラは、底なしのタフネスさで体を回転させ大剣を振り回し、すさまじい勢いでゴブリンの肉塊を量産していた。

ギニーンはエレオノーラに負けじと両手の大剣を振り回しゴブリンの肉塊を大量生産した。

ファイガはルチアナの横にぴったり付きルチアナを守っている。

ハルナも右手に持った白銀のレイピア構えて素早く左右に切りまくりゴブリンの肉片と毒を含む黒い血しぶきを飛び散らせる。白銀のレイピアを振り回しゴブリンが痺れているうちに、この獰猛なゴブリンの大軍を殺滅させねば前に進め無い。

ルチアナが大呪文を使わなくても、数百匹程度のゴブリンは3人に任せておけば片付くように思われたので、3人に任せて、この地下空洞を見回した。

光は天井にある光源から来ているが、自然の岩でできたものではなく、ここも巧みな石組で見事に造られた巨大な人工の巨石で造られた地下空洞である。今、自分たちが出てきた地下水の流れる横穴から向こう側に3本の他の場所に通じると思われる通路の入り口が見られた。

ギニーン、エレオノーラ、ハルナは数百匹の、魔法で痺れて動けないゴブリンを殺し終えた。

これで、背後に心配せずにようやく前に進めるようになった。

「次はどうすりゃいいんだい?女教皇さんよぉ」とギニーンがはぁはぁと息をはずませて聞いた。

エレオノーラは顔色一つ変えず息一つ乱さず、ギニーンの後ろに立っていた。まわりにはうずたかくゴブリンの肉塊の山ができていて、足元にはところどころにゴブリンの毒の血の海ができていた。ゴブリンの肉塊からかなりな臭気がするが、我慢できないほどではない。

ハルナも息を弾ませながら、自分の意見を述べた。

「この先に何があるのか知らないけれど、超古代遺跡というのに、なんでこんな数百年しか生きない魔物が、ごっちゃり生きてるんだろうね?」

ルチアナが小さな体で背筋を伸ばし、背伸びしながら言った。

「この先に何が待っているかはまだわかりませんが、明け方からここまで歩きっぱなしでした。ここで昼ごはんを食べて少し休憩し作戦を考えましょう」

横穴から流れる地下水で4人と1匹はゴブリンの血を洗い、手を洗い、ゴブリンの死体の無いところで思い思いに座り、宿のおばさんの用意してくれたスペシャルサンドイッチを食べ、水筒からお茶を飲んで休息した。

ルチアナは3人から意見を求めた。

「次の部屋に行くこの3つの入り口のうち、2つはフェイクだと思いますが、

 真はどれでしょうね。どれだとおもいますか?」


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