第17話
6頭立ての馬車はすごい速度で半日走り続け、ハイプリエステス市の女教皇庁教会宮殿の正門についた。
女教皇ルチアナの後について、ずんずん入っていくと、最奥のVVIPプライベイトエリヤの中庭に犬の走り回るような音と吠え声がした。
「はーい、ここよ、ファイガ。いい子にしてた?」
「がうがうがう!」
「はい、この子があと一人の仲間よ」
ギニーンが露骨に嫌そうな顔をした。「魔法獣かよ……」
ギニーンはあと一人はカッコいい女教皇庁の神聖魔法剣士の女性を期待していた。
「ちぇーっ! 神聖魔法剣士は参加させないんですか?」
「させますよ。」
「!?」
「ハルナさん、こちらへきてください」
ハルナはルチアナに呼ばれて、奥へ付いていった。
暫く、二人は待たされている間に、
魔法獣はキュンキュンと鼻を鳴らして遊びたがり、
ギニーンの前に枝を銜えて持ってきて、
投げてくれと要求し、可愛く尻尾を振った。
1時間後にようやくハルナが出てきた。
ギニーンはハルナをみて、
「おぉ!?」
ハルナはギニーンを見て
「ええ!?」
ギニーンはファイガに押さえつけられて顔を舐められていて、
エレオノーラも、
「こっちだよ!こっちだよ!」
と木の枝を持ってファイガの気を引こうとしていた。
すっかりエレオノーラとギニーンとファイガは仲良くなっていた。
ハルナは国宝級の神聖魔法騎士の装備を身に着けていた。
聖霊石のついた白銀の盾と聖霊石のついた白銀のレイピアを装備して、
パラディンであることを表す聖霊石のついた白銀のペンダントを着けていた。
「はい、ギニーンさん、エレオノーラちゃん、
神聖魔法騎士ハルナちゃんよ。
いまハルナちゃんを騎士に任命式をしていたのよ」
「平民の俺の娘が神聖魔法剣士どころか、ランク上の神聖魔法騎士
にいきなりなったのか!?たいしたもんだな 貴族でもないのに……」
ギニーンはハルナの出世がまだ信じられないよう。
「もともと大僧正の地位にいらっしゃいましたし、
大僧正は爵位があるのと同等ですよ。
パメリヤ町での活躍はハルナさんを神聖魔法騎士
に任命する功績であると評価しましたので私の権限で任命式を行ったんです」
「これで5人のメンバーがそろいました。あとは荷物をととのえて、
薬も最高級の物を、十分に準備して向かいます。
必要な物があればおっしゃってください。用意しますよ。
荷物の準備にあと少し時間が掛かりますので、その間に宿を用意しましょう。
この小姓にすべてまかせてありますので、ご希望は彼に言ってください」
10歳位の僧侶のお小姓が、3人の前に出てきて挨拶をした。名前はペレだそうだ。
小姓ペレ「どうぞよろしく。みなさんの宿にご案内します。」
小姓ペレに案内されたのは中クラスの宿である。
「なんだ、最高級じゃあないのか」ハルナはつまらなさそう。
「向こうのおごりなんだから、贅沢言うなよ」とギニーン。
「あとのお時間はハイプリエステス市でも見物なさっててください。
僕が明日の夜明けにみなさんを呼びにあがりますので、
そのおつもりでご用意をお願いします」
まだ夕方までには時間があったので、
3人はハイプリエステス市をゆっくり見物した。
そして早めの夕食を小洒落たレストランで食べた。
レストランの勘定をすませて外にでると、夕日が沈んでいく、今は夕方だった。
街角には大きく松明が焚かれ、家々の戸口や窓に灯が灯り、空に星が見え始めた。
宿でハルナが寝付くと、ギニーンが起きだし、
ハイプリエステス市の下町の娼婦宿にルンルン気分で出かけたが、
お楽しみのあと、お勘定を払おうとして、
ギニーンはハルナに財布を取り上げられているのに気が付いた。
39歳の父親が娼婦宿に行くことを見越しての18歳の娘の先手であった。
このままでは宿に帰れない、がギニーンのあとをエレオノーラが付けていた。
エレオノーラはギニーンの娼婦代金を払う羽目になり
二人で宿に帰ってきたのは夜中だった。
エレオノーラはハルナを起こして、一部始終を話し、お金を返してもらい、
ギニーンは娘にこっぴどく叱られた。
そんなこんなで3人は二度寝して、夜明けに小姓ペレが迎えに来たが
なかなか目を覚まさず、小姓ペレをやきもきさせた。
結局、3人は小姓ペレにたたき起こされ、
寝ぼけ眼で宿のおばさんの作ってくれた朝食を取り、
8歳の幼女の姿の女教皇ルチアナと共に、
2人の御者の乗った6頭立ての銀の馬車で
女教皇ルチアナと剣士ギニーンと神聖魔法騎士ハルナと
女教皇のペットの魔法獣ファイガと
(自称17歳だが本当は13歳のガキでませたガタイの170センチ
クールな細マッチョ巨乳の怪力で底なしのタフネスで天才剣士の)
女剣士エレオノーラの4人と1匹は大陸の西にある超古代遺跡へと旅立った。