第14話
副王都メジンに着くと、ギルド酒場へ行った。
カウンターのおじさんが、二人を見かけると、
「フォグ副王さまから使いがあって、今、お城にヴィルガルド教主長さまからの
お使いが来ておられるそうです。なんでもパメリヤの港町の住民がすべて
アンデッド化していたそうで。それに関する調査のために来られたそうです。
その方々に、パメリヤの港町で何があったかを見たままを報告して
欲しいとのことです」
カウンターのおじさんは、ハルナの依頼終了書を受け取りながら、言った。
エレオノーラとハルナはやれやれとを顔を見合わせた。
ハルナは冒険者のレベルが緑級に上がり、エレオノーラは黄色、
ギニーンは冒険者を以前やっていたそうで、緑級の上の橙級だった。
「若い頃、まだ10代の頃は冒険者をやってたのさ」
「それをボロボ傭兵隊に誘われてな。もう20年昔の話だが
隊長はボロボの姉のリンダだった。リンダは指揮力も人望もあって傭兵団も
あの頃は500人ほどの規模でな。あれは偏にリンダの人望だったな。
弟のボロボは金の勘定がうまくて、お偉いさんへのおべっかがうまくてなぁ。
お偉いさんとの付き合いや人脈もあってな。あいつらは姉弟でぜんぜん
性格が違ったな。ボロボが傭兵団の出資者で団長を名乗ってた。
姉のリンダはつええ男勝りの女戦士でなぁ。
つええし、気っ風が良くて、情に厚くてちょい年増だったけど美人でなあぁ、
いい女隊長だったぜ。弟のボロボはあの頃から金のやりくりはうまいがケチで
人望がなくてなぁ」
「私のママだね」
「そうだ、コロっと忘れてた。
リンダの装備をお前が使うことがあるかもしれないと、
リナんちの倉庫にあずかってもらってたんだが、お前は神官になったから、
どうだ?エレオノーラにやってもいいか?」
「いいよ」
「ならお前らがフォグ副王んとこに報告にいってる間に
俺はリナんとこへ戻ってリンダの戦士装備をとってくるよ」
「ここでまた落ち合おう。今夜は、おまえらに夕食おごってやる、じゃな」