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第11話

   朝食をとるために副王都のギルド酒場へ2人はそろって行った。

ギルドにはカウンターに中年の男と簡易調理場に若いウエイトレスの服を着た女の子がいた。

エレオノーラはーーこのおじさんとウエイトレスさんも相当強いなーーと思った。


 ハルナが少し不機嫌だった。

慣れない安宿で寝不足のせいなだけだが

エレオノーラは黙っていた。

ハルナがチキンサラダ、エレオノーラがスペシャルサンドを注文したとき、

ギルド酒場の入り口に


「誰か、僕を守ってください」


と一人の14歳くらいの

貴族の服を着た少年が飛び込んできて叫んだ。

 あいにく、朝で事務所にはカウンターのおじさんと

奥の酒場のウエイトレスのお姉さんと二人以外、誰もいなかった。



エレオノーラがかけよった。


ハルナは「朝飯前なのに」と思いーー他に冒険者がいればと思いつつ、

仕方なく少年のもとに駆け寄った。

少年は体の数か所から血を流していた。ハルナはヒーリングをかけた。


おじさん「どうしたんですか?依頼ですか?」


「ここは冒険ギルドなんですね。僕のボディガードおねがいできませんか」


「いいですよ。手数料は仕事の難易度で違いますが、どんな内容ですか?」


「パメリヤの港町まで、僕の護衛をお願いしたいです。

 敵がなんなのかもわからないので僕自身も説明できないんですが」


「では、仕事料金不明扱いで、これは後払いですので、それでいいですか?

 その場合 手数料は前払いで金貨1枚いただきます。

 多ければお返ししますので」


「はい、お願いします」

と少年は答え金貨1枚だすとおじさんに渡した。

(お金持ってるやん!)


「そこの女性冒険者さんたち、引き受けますか?」


「いいわよ、引き受けた」とエレオノーラが答えた。


ハルナは「やれやれ」と思った。


「朝食前なので、せめて食事終わるまでまってね」とハルナは言った。


「はい、すいません、よろしくお願いします」と少年


二人の注文したものがテーブルに届いた。

少年もお腹がすいたようなのだが、視線をそらしている。

ーー自分も注文を頼めばいいのにーー


「好きなもの頼みなよ、腹が減ったら頭が働かないよ。」

とエレオノーラが言った。


「すいません、お言葉にあまえます。じゃあそのスペシャルサンドイッチを」


3人は食事を済ませた後、イチゴジャム入りの紅茶を頼み、ゆっくり飲んだ。

少年はすっかり落ち着いたようだった。

ここの支払いに少年は銀貨6枚払い、おごってくれた。


「わかっている限りでいいから、話を聞かせて」とハルナが言った。


「父からこんな手紙が今朝届いたんです。」と二人に手紙を見せた。


父親からの手紙は

『あの木彫りの像を陸路でパメリヤの私の本店に届けてほしい』

という内容だった。

「木彫りの像というのは?」

「これです」と少年が布に包まれた包みを出して、布をとると、


それは邪神の像だった。


「なんで、こんなもの?」とエレオノーラ


「まって、これは見たことがあるわ。

 たしかネクロマンシーに使う儀式に必要な

 道具じゃないかな」とハルナ


「ひえ~、そんな恐ろしい秘儀に使う道具なんですか?」と少年


「今朝がたから、これを持って家を出るなり、

 顔を隠した男二人に襲われたんです。

 丁度、近くを巡回していた副王軍の兵隊が3人、

 すぐに駆け付けてくれたんで助かりました。

 一緒に行くはずだった下男はどこかへ逃げてしまいました。

 うちの召使で一番大男なんで、同行を頼んだんですが、

 家で待ってても そいつ帰ってこないので、

 ここに冒険者ギルドがあるのを思い出し駆け込んだんです。」


「僕の名前はジメです。よろしく」


ハルナとエレオノーラは、カウンターのおじさんに聞いた。

「副王都から陸路でパメリヤまでどのくらいかかりますか?」


「船なら一日だけど、陸路なら馬車で5日はかかるね。

 徒歩だと、どれくらいかかるかねぇ」


「ギルドから馬車を借りれるようにできる?」


「あの、僕の家の馬車を使うつもりだったんですが」


「それを早く言いなさいよ」とハルナ


「外の階段下に待たせてあります。一応、僕は御者もできます。

 召使と2人で出かけるだけの食糧や荷物も用意してあります。

 同行する下男は大食いだったので、食料はかなり多いめに積んであります」


「OK、じゃあ私達も準備するのでちょっと待ってて」


「もう少し冒険者の数を増やしたいんですが、僕としては。

 お二人はうら若い女性ですし」


カウンターのおじさんが言った

「ハルナさんは神官で大僧正だし、

 エレオーラさんは傭兵で『女鬼』呼ばれてる凄腕剣士だよ。

 この二人の組み合わせなら傭兵50人には相当する戦力だよ。

 この二人は信頼できる人たちだよ」


「ハルナさんて大僧正だったんですか?わぉ!」


「ただ、傭兵さんだし、モチベーションもあるだろうから、

 料金が未定というのだけは、なんとかしてあげてくれないかな?」

 とおじさん


「では、前金で金貨2枚づつ差し上げときます。

 残りの料金はギルドからの請求次第で、ということでいいですか?」

ジメは二人に金貨2枚ずつ渡した。


「いいね、よろしくお願いするわ」ハルナはジメに笑顔で言った。







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