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クリエイティ部

高校生活が始まってより約3週間という月曜日、愛車のママチャリに乗り出かける。

思えば初めの頃より家を出る時間も早くなった、なんとなく自分のプロ意識に感動してしまう。この時間に出かけるのは少しでも多くの情報を得るためだ。

幼馴染の美少女と登校するなんとも羨ましいターゲットの背中がいつもどうり見える。ここは声をかけなければなるまい。

「いやー朝からラブラブで羨ましゅうございますな。」

「な⁉︎ちょっと!なに言ってるの藤峰くん!」

顔を真っ赤にして反論する姿は幼馴染の反応としては100点だろう。

「アハハッおはよう、藤峰」

アハハッじゃねえだろとも思えるがコレが出来るというのは流石だ、この余裕は間違いなく彼らにしかない。しかしだ、呼び方はそろそろ変えてもらおう。

「おいおい、レンさんよぉ苗字なんて他人行儀な、直行とかナオって呼びな」

ちょっと朝から早急過ぎたか?いや、親友となるなら名前呼びは早くてしかるべきだ。

「そうだな、じゃあナオって呼ぶよ」

「じゃあ私も呼ばせて貰おうかな?ナオくん」

よし、一歩前進だ、さっさと報告しよう。

俺は朝練だからと言い自転車を飛ばした。一年後の今はあの通りは人がごった返すだろうと思うと静かな通学路が消えるのが早くも悲しくなる。だが、やらなければいけないのだ。俺は同志のいる部室へと足を運んだ。

高校生活に憧れを持つのは誰しも同じであろう。漫画や小説などの主役の身分は高校生であることが多い、そのためだろうと考えられる。

彼、千葉直哉もその一人である。高校生活が始まってより約2週間という月曜日、少し慣れてきた通学路を愛用のママチャリで通学していた彼はまだ小説の主人公のような生活を夢見ていた。

長い坂道を登りようやく見えてきた校門はいつもと少し違った。風紀の文字の書かれた腕章を付けた生徒がウロウロしているのだ、この学校の委員会は侮れない、特に風紀委員は舐めてはいけない、他の生徒を指導する立場の彼らは最大で停学を言い渡す程の権限を持つ。

直哉は朝から大変だなぁ。くらいに思い正門に差し掛かったときだった。

ピーッと笛が大きく鳴ると風紀委員が叫び始めた。

「そこのママチャリ!止まりなさい!」

まさかと思ったがそのまさか、直哉の事である。別段服装も乱れていないし…とオロオロしていると角刈りの、一言で言うならば応援団のような男が現れた。

「風紀委員だ」

とまるで警察かのような威圧感で言い始める。

「あの、なにか?」

「通学用の自転車には校名の書かれたステッカーが義務づけられている。知らん訳ではないだろう」

なんて偉そうな口調なのか…とも思うが威圧感がそれを感じさせない。

それよりもステッカーは学校で配られた際に付けたという記憶がある、名前も書いた。

「あれ?なんでついて無いんだ…」

「なんでではないだろう!」

と完全に説教モードの風紀委員、小中と怒られ慣れている直哉はこれが長引くと感じとった。

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