渡世の森にて。
森の妖精(意味深)
渡世学園のごみ処理事情は、少し特殊だ。ここでは、それをいくつかのステップに分けて説明してみよう。
ステップ1・収集されたゴミの中から再利用可能な、いわゆる資源ゴミを抜き出す。
ステップ2・残ったものを科学部作成のアトラスボム(爆心地から直径約20メートル以内の物体を灼き尽くす爆弾)を使って処分する。
この為、渡世高校にはゴミ箱が『燃えるゴミ』『燃やせるゴミ』しか存在しない。世間一般で言う可然ゴミ・不燃ゴミに近いニュアンスだが、これも分ける意味は特にない。
「そうさ、兵器だからって生活に貢献できないわけじゃない。だからこんなとこに無造作に積むな!死ぬぞ!」
科学部隔離室、通称『古谷工房』。友人に会うために真崎が訪れたそこには、テーブルの上にアトラスボムが平積みにしてあった。いくつかは今にも落ちそうになっているこれに信管の類は存在せず、開発者の古谷曰く『同じ体積のガラスが割れる程度の衝撃で爆発する』ものだ。間違ってもこんな扱いをしていい物体ではない。
「おー、久しぶりー。ジュースでも飲むかい?」
真崎の進入に気づき、部屋の隅で機械に埋もれていた少年――隔離室の主、古谷創一が振り向いた。恰好は他の生徒と同じく学校の制服だが、何故かその上に科学者あたりが着ていそうな白衣を着用している。何をしていたものか、天然パーマ気味の茶色い髪は前半分が焦げて黒くなっていた。
「お前もたまには教室に顔出せよ。生存確認しなきゃならないのも骨だぜ?」
「生存確認って。まずどこに死ぬ要因があるのさ?」
・平積みアトラスボム
・日々生産される兵器類
・以上二つの誘爆
・備品類の崩落
・引きこもりによる食糧不足
・引きこもりによる孤独死
・etc
「けっこうある」
少なくとも生存確認が必要な程度には。
「で、また見慣れないものが増えたな」
「へへん、新作だよ。レジスタニウム式光学シールドに、都合よく服だけを溶かす薬品、それとハンドガンとショットガンとマシンガンとランチャーだ」
「盾と薬と銃と銃と銃と銃か」
発明品の八割が兵器という事実。ちなみに、真崎の所有する『愛染』も彼の作品である。
「はい、ジュース。よく冷えてるよ」
「サンキュ・・・なんじゃこりゃ」
渡されたペットボトルの中身は、完全なる固体だった。しかもどんな環境に置かれていたものか、溢れ出す冷気が大気中の水分までも凍らせてゆく。凍傷になる前に速やかにそれを手放した真崎の判断は実に的確なものだったと言えるだろう。
「この前偶然にも冷蔵庫が出来ちゃったからさ、どうせなら何かを入れようと思って」
「どっちかと言うとそれは冷凍庫と呼ぶべき物だと思うんだ。実際は埒外の何かなことは間違いないだろうけど」
この調子だと他の発明品も怪しいものだ、とペットボトルをリフティングしながら真崎は額を押さえた。
「・・・行くか。いつもの実験」
「ラジャー」
渡世学園敷地内、未開択区域。通称『森』。木々が鬱蒼と生い茂り、五メートル先がぎりぎり確認出来るかどうかの道を十分ほど進むと、やがて開けた場所に出る。古谷工房の新作をカートに積んでやってきた真崎と創一は、周囲に人がいないのを五分程の時間を掛けて念入りに確認した。
「生命反応、無し。じゃ、まずはこいつからいってみようか」
真崎はカートからショットガン『エクスプロージョンバレット』を取り出し、慣れた手つきで所定の動作を行なった。創一曰く、『ゲームをやっててふと思いついた』とのことであり、そういうのは大抵ろくなことが起きない。真崎は虚しき願いを込め、トリガーに指を掛けた。
「そのゲームがFPSでありますように・・・!」
そして、銃口が爆発した。
そうとしかいいようのない現象だった。
「・・・モンハンか」
現象名:竜撃砲。黒焦げになった真崎は頭の中でそう命名した。
「名前に『エクスプロージョン』って時点で嫌な予感はしてたんだよ」
「感想は?」
「作り直せ馬鹿野郎」
続いてマシンガン『フラッシュレイン』を選ぶ真崎。弾倉の中には単三電池が四本詰まっていた。
「何を撃ち出すつもりなんだ・・・」
トリガーを引く。瞬間、数えるのも馬鹿らしくなるほどの大量の光の弾丸が前方の木を物凄い勢いで薙ぎ倒して進む。指を離すまでのたった三秒で、50メートル近い通路ができてしまっていた。
「油断してた・・・ちょっと電動ガンっぽいからって、油断してた・・・っ!」
単三電池という微笑ましい動力とは裏腹にこの脅威の殺傷力。電池式なら大したことはないだろうとサバゲーに持ち出しなどすれば、そこには目も当てられないような惨状が広がることだろう。
「構造に問題はなし、倫理的に多大な問題あり。次!」
出てきたのは、片手で扱うには難のありそうな巨大リボルバーマグナム『シグマ』。
リボルバーの大きさから中にあるのはまたも電池のようだ。
「また電池式か」
「いえす」
まさか電池をそのまま撃つはずもないので、推測するに電池一本を丸ごと使ったエネルギー弾を発射するのだろう。これに耐えきれず砲身が融解するという可能性を視野に入れ、真崎はできるだけ身体からそれを離して右手で引き金を引いた。打ち出された弾丸は、予想に反する実弾。しかし強度不足だったのかそれは途中で砕け散り、それでも衰えぬ凶悪な威力で眼前の樹木数本を粉砕した。
「え、こっちがショットガンなんじゃ・・・」
創一の話によると、電池はグリップ部分に仕込まれていたらしい。巨大なリボルバーに内蔵されていたのはそのまま巨大な弾丸だったということだろう。
最後は、ランチャーとだけ呼ばれていた謎の物体。白い角柱にトリガーとスコープを取り付けただけの適当感溢れるこれは、しかし創一の自信作らしい。
「よし帰ろう。試験は終わりだ」
「なんで!?」
「お前の自信作は何かが起きるんだよ!アトラスボムの事件を思い出せ!」
アトラスボムの原初は今より後先を考えない代物だった。
具体的には、爆心地から直径100メートル程の範囲の物体を消滅させる手榴弾だった。
かくして当時の二人は『爆発』という名の青い死神から死力を賭して逃げ切り、彼らのいるこの場所はその時のクレーターというわけである。どういうわけか地面だけは多少へこんだ程度で済んだため、地形が変わるには至っていない。
「大丈夫!今度は銃だから安全だよ!」
「爆発するショットガンを見た後でそんな言葉信じられるか!」
「じゃあ自分でやるもん!」
「ええい、命を粗末にするんじゃない!貸せ!」
セイフティを外し前方に向けて構える。銃身は思っていたより軽く、それがまた不安を煽るのだった。
「頼む、渡世補正・・・俺達を護ってくれ・・・!」
トリガーを引く。
息を呑むほど美しい、青く巨大な光の柱が前方へと顕現する。
思わず目を閉じてしまうような眩い砲撃の後には、スケートボードの練習に向いていそうな半円状の谷が出来上がっていた。
「・・・破壊することしかできない、悲しい兵器が存在するのもまた事実か・・・」
彼の能力は、『見たもの及び自身の思い付きを実現する』という目的でのみ発動する思考活性能力である。本来、この類の能力は記憶力や計算力、言語能力などを大きく底上げするものだが、古谷の場合はある出来事から『いざという時の爆発力が足りない』と能力の発動条件を限定し、特定状況下でのみ極めて高い活性能力を得ることに成功したのである。その結果、一般常識と物理法則からは大きく逸脱することになったのだが、彼は気にしない。なぜなら、作るだけで彼の目的は達成されているからだ。
彼の発明品には『目的』が存在しない。ただ自分の作りたいものを野放図に作っているだけ。それを人間基準にデチューンし、『目的』を与えるのは真崎の仕事なのである。
「俺としてはなるべく破壊以外の目的を与えたいんだがな」
「世の中には、手段のためには目的を選ばない人種もいるのさ」
「どこで習ったんだそのセリフ。・・・てか、お前の目的が戦争にでもなろうものなら世界が滅ぶ」
発明の為に条件を限定され、爆発的な効果を生み出した古谷創一の能力。それが更に目的を手に入れればどうなるのか。
真崎は少し身震いし、彼の脳内がこれから先もお花畑であってくれることを願うのだった。
「午前中全部自習な」
『は?』
朝のHR。その終了の直前にとんでもない台詞を残し、真崎たち2-E担任教諭の夏原隆一は教室を後にした。
「・・・どういうことなんだ」
「ちょっと調べてくるね」
北里愛理が瞬間移動でどこかに消え、残った面子は唐突に降って湧いた自由時間の使い道を議論し始めた。
「読書」
「モンハン」
「野球」
「囲碁サッカー」
「千年パズル」
「闇のゲーム」
「はいストップ。それ以上議論してもせいぜい死人が出るだけだぞ」
妙な方向に向かおうとするクラスメイト達を真崎が止め、同時に愛理が戻ってきた。
「確認してきたよ。先生が何人か出払ってて、それが全部見事にうちのクラスの担当なんだってさ」
「出払ってる理由は?」
「色々。不登校の家庭訪問から町内の調査とか」
「つまりこの自習、本当にただの偶然だと」
「そうそう。で、自由に過ごしたんでいいよね?」
「いいんじゃないか?ま、よそのクラスの邪魔をするなよ」
「大丈夫、口は塞いでおくから騒音は出ないわ」
「もう何をするつもりか分かってしまった俺はきっと疲れてるんだろうな」
「じゃ、そういうことで」
軽く手を振り、真崎の目の前から消失した愛理。ほぼ同時に音速の御堂結城が視界を横切った。
「・・・バカな、避けられた?」
「僕だって迫りくる脅威にただ怯えているだけじゃない・・・残念だったな、瞬間移動系の能力者に対するシミュレーションは完璧だ!」
「言ってくれるわね。本当かどうか、その身体に聞いてあげる!」
「今までのようには行かないぞ!」
二人の戦闘がクラス全体を巻き込み、いよいよ視認不可能な速度になってきたあたりで『自習』の重大な問題に気付く真崎。
「これは・・・こいつら全員が好き勝手に暴れたらヤバい・・・」
既に幹本英次が二人のスカートの中を覗こうと床に這いつくばり、それにつまずいた吉岡義仁が坂本弾を巻き込んで転倒、反射の能力の発動により三人揃って別々の方向に飛び散っていく。その際、偶然を装って檜原花梨を押し倒す形で地面に転がった幹本が消し炭と化す。一方では起き上がった吉岡が愛理の中継点として利用――要するに顔面を踏み台にされていた。
「大丈夫か、吉岡。鼻血が出てるが」
「水色の・・・横縞」
「出血多量で死んでしまえ」
流れる鼻血には物理的ダメージ以外の原因があるようだ。ともかく、この狭い教室の中で彼らを野放しにしておくことの危険性を悟った真崎は元凶である愛理を軽く縛り上げ、動きを封じた。
「《森》に行くぞ。ここじゃ何か起きた時に逃げ場がない」
渡世学園敷地内に広がる広大な樹海、通称《森》。身も蓋もない呼びかただが、他に気の利いた名前を付ける人もおらず、何より分かりやすいため今日までこの名が通っている。
「だいぶ地形が変わったから、今日は信号弾はいらないか」
「ああ、それそれ。なんでこんな渓谷が出来てるの?戦車でも通したの?」
偶然近くにいた立花の質問に、真崎は自分の付き添いで行った科学部の装備実験の事を話した。
「・・・ってな感じで、つまりはいつもの古谷だよ。ま、いいんじゃないか?ちょうど木も生え揃っていい感じの土手に――」
ちなみに、科学部の実験を行ったのは昨日の事である。
「木が・・・生えてる・・・」
たった15時間前に雑草一本生えていない空白地帯にしたはずの斜面には、日の当たる場所を奪い合うように何本もの木が地面から突き出していた。
「そういえば・・・古谷がちょっと前に作ったクレーターもいつの間にかなくなってたような・・・」
「そりゃ遭難者も出るわね。私が木に掛けていった射的の的も同化しちゃってるし。ほら、あれ」
「木の中に的が入ってる・・・」
「高いものじゃないからいいけどね。便利だし」
過程はともあれ、結果として安定感の増しているそれに手を伸ばす照真。しかし、指先に触れたのは的ではなく相原の眼球だった。
「ぐぁぁぁぁっ!目がぁぁぁぁ!」
「っきゃぁぁぁぁ!なんでそんなところから出てくるのよっ!」
「吉岡と取っ組み合いしてたら・・・投げ飛ばされて・・・」
「なんでわざわざここから出てくるのよ!おとなしく地面から生えてなさい!」
不毛の地面から一夜にして木が生えているのもいい加減非現実的な光景だが、人間が生えるのはそれをも上回るシュールさに違いない。
真崎はとりあえず二人を仲裁し、騒ぎの発端である吉岡たちのいる方向へ向かった。理由は簡単、面白そうだからである。
「真崎、大変だ。坂本が木に刺さった」
「毎回肝心なところで能力を解除するよな、あいつ」
樹齢3か月の大木に頭から突き刺さった坂本を見て溜息をつく真崎。話によると、吉岡が相原を投げ飛ばした後に坂本が勝負を挑み、能力の応用で作った『物理攻撃反射』を発動した結果がこれらしい。
「詳しい状況は?」
「叫んで走ったらいきなり飛び上がって、この木に当たって加速して刺さって動かなくなった」
「なるほど。足裏にまで『反射』を入れたのか。木に当たって加速したのはまたデタラメな方向に跳ね返った結果だろうな・・・運の悪い奴め」
「で、どうする?あのままほっといたらそのうち死にそうなんだが」
「というか今の時点でもう頚椎骨折で死んでるんじゃね?木に刺さるような速度で頭から当たったら・・・」
「いや、まだ足が動いてる」
「そうか。それなら・・・茶でも飲みながらゆっくり考えよう」
「最低だっ!クラスメイトを見捨てるつもりか!」
「私はこの件に一切関与しておらず、私が発見した時にはすでに手遅れで・・・さておき、日高でも呼んで引っ張り出して貰うのがいいだろう」
その瞬間、坂本の刺さっている木が燃え上がった。
「!?」
このクラスで、生木を燃やすほどの火力を起こす人間。該当する者は一人しかおらず、落ちてくる火の粉の一つから肉体を形成した彼女に向かって真崎が叫んだ。
「檜原ぁ!お前は坂本に恨みでもあるのか!?」
「え?いや、私はただ木炭を作ろうと・・・って、何か刺さってる!?どうしてあんなとこに!?」
「まあ、もっともな疑問だよな。・・・じゃねえ!吉岡!木をへし折れ!本当に死なれちゃシャレにならん!」
「落下の衝撃で死ぬんじゃ!?」
「なんとかする!こんがり焼かれるよりはマシな手だ!」
「分かった!」
吉岡が『戦鬼』の力を発動、加速をつけて木の幹にドロップキックを叩き込む。
「・・・足が刺さった」
「大馬鹿野郎がぁぁぁっ!なんで折るのに突き技を使うんだよ!」
全く役に立たなかった吉岡に見切りをつけ、真崎は物質破砕ハンマー、『愛染』を取り出して柄の末端を右手で引いた。
ロックが解除され、破砕機構のスイッチが入る。
「結局、俺がやるんだよな!」
振りかぶった『愛染』が燃え盛る木に叩き付けられた瞬間、打点を中心として木の幹が爆発。
真崎は空中に放り出された坂本(頭は木片に刺さったまま)の落下地点に走り込み、とりあえずは死なないようにと蹴り飛ばした。
「そこまでやったらキャッチしようよ!」
地面を焼く炎を伝い、坂本の進行方向に現れた檜原が彼を抱き止める。多少檜原の体に炙られたのは、命に比べれば許容範囲内のダメージだろう。熱によってか衝撃によってかは分からないが、ちょうどいい具合に坂本の頭を挟んでいた木片が割れる。
「ひいじいちゃんが・・・川の向こうで呼んでた・・・」
「お前のひいじいちゃん確かまだ生きてるだろ」
あちこちに木片が刺さり、見るも無残な有様になってはいるが命に別条はないようだ。しばらくの間を置いた後、ゆっくりと彼は立ち上がった。
「キャッチしてくれたのは礼を言う・・・だが檜原、何か俺に恨みでもあるのか?」
「さっきも言われた気がするけど、ぶっちゃけかなりあるね。もういちいち数えてないけど、一番の恨みは・・・」
坂本から離れながら黒く炭化した樹木の破片を拾い、檜原は人間くらいなら焼き殺せそうな視線を彼に向けて言葉を紡いだ。
「・・・この前、みんなの前でまな板呼ばわりされたことかな」
「デリカシーに欠ける言動だね」
「無いわー。それは無いわ―」
「死んじゃえばいいよ」
いつの間にか、坂本の周囲をクラスメイトたちが取り囲んでいた。考えてみれば大樹一本を丸ごと燃やしたのだ、人が集まるのは当然の事だろう。
「まあ、ちょうどこうして木炭もできたことだし・・・」
思わず見入ってしまいそうなまばゆい笑みを浮かべる檜原。しかし、その心中は胸元に抱える木片よりもどす黒いに違いない。
「待て・・・悪かった・・・こんど焼き鳥でもおごるから・・・」
「まずはあんたをこんがり炭火焼にしてやんよ!」
「ぎゃぁぁぁぁ!待て!いくら俺の能力でも熱は防げないからぁぁぁっ!」
逃げ回る坂本と、火炎と化して追う檜原。その進行方向の樹木がことごとくへし折れ、焼き尽くされてゆく。
「ああ・・・自然破壊が進む・・・」
「自然保護何たらが見たら怒りのあまり覚醒しそうな光景ね」
「気にするな。どうせ2週間もたったらすっかり元通りだろうよ」
なぎ倒される樹海の心配はしても、誰一人クラスメイトの心配はしていないらしい。
「ま、それも信頼かね」
おもむろにへし折れた木の一本を取り上げ、鞄から出したナイフで削り始める真崎。
「何をする気?」
「ちょうど木材を提供してくれているワケだし、投擲用の槍でも作っておこうと思ってな」
「何故・・・」
「何かの役には立つと思うね。古谷から買った物は総じて殺傷力が高すぎる」
「どうでもいいけど、槍投げの経験はあるの?」
「いいや。だからちょっと森の妖精の加護を借り受けるつもりさ」
「これだけ荒らされた森にそんなものがあるとは思えないけど・・・」
立花の台詞を裏付けるように、またしても遠方で爆炎が上がる。
「問題ないさ。俺の知ってる森の妖精は逞しいからな」
それから約20分後、残火のくすぶる樹海の一角から炭火焼にされた坂本が発見された。