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ありがとう

私は全神経を集中して気配を消している。

そう私は空気、世界の一部、ここには存在しないのだ!

超婆(ちょうばぁ)「あら、まりちゃん!お茶取りにきたの?」

次の獲物を見つけ、目を輝かせながら近づいてくる。その隙に先ほど話を聞かされていた人は、そそくさと立ち去って行った。


カレン「あっけなく見つかってしまいましたね」

違うぞ!これは、あえて見つかったのだ!さっきの人が困っていたからな、あえてだ!あ え て!

セラ「さっすがご主人様!!」


超婆(ちょうばぁ)「お茶取りに来たんでしょ。さ、どうぞ」

私「え、は、はい」

超婆「また部長に頼まれたんでしょう?まりちゃんも大変ねぇ」

私「い、いや、まあ、あはははは」

超婆(ちょうばぁ)「あ、そういえば、まりちゃんも聞いてちょうだいよ~。実はね…」


そこからの記憶はない。あまりのくだらn、楽しいお話に思考を停止してしまったようだ。

部長の叫び声で我に返り、なんとか逃れることができたが、時すでにおすし。いや、遅し。

結局、昼時間はもうなく、せっかくの機会を逃してしまった。


気が付けばもう就業時刻。私は少し風にあたりたくなり、屋上にきた。

この時間の屋上はとても好きだ。仕事帰りの人たち、車のライト、街の灯りを見てるだけで少し心がやわらぐ。

カレン「風邪。引いてしまいますよ。帰りましょう」

私「そうだね。ありがとう」

渡せなかったプレゼントを手に帰ろうとした。


みっちゃん「あれ?まりあんぬさん?」

私「え?み…本田さん?!」

みっちゃん「どうしたんですか?こんなところで?」

私「い、いや、少し風にあたろうかと…。ほ、本田さんは?」

みっちゃん「私はさっき給湯室でここに行ってみたらって…あれ?それは?」

突然の出来事に私は手に持ったプレゼントを隠すのを忘れていた。想定外のことでどうしていいかわからない。気まずい空気だ。


だが、彼女はクスリと笑い

みっちゃん「まりあんぬさんも持ってきてくれたんですか?プレゼント!」

彼女の眩しい笑顔、私の思考は停止する。

私「そ…その…どうぞ…」

思考が停止し、真っ白になった頭で私はプレゼントを渡す。


それを受け取った彼女は満面の笑みで


「ありがとう!」

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