僕は変わってきた
それから三分ほど話し、ひと段落ついたので他に必要なものがあるかを話し始める。
「智樹さんは何人ぐらい旅仲間が欲しいですか?」
「後二人ぐらいいたらもっと楽しいかも」
「じゃあ後二人募集しますね」
──募集をかけると複数人きた。二人で話し合い誰を旅仲間にするか決めることになった。
「隼人君、この人とかどう?」
七瀬美月、性別女、年25、住み福岡、旅の目的は『漫画のアイデア探し』
「いいですね、まずこの人にしましょう」
「おぉ、この人いたら楽しそう」
竹原聡、性別男、年82、住み熊本、旅の目的は『ある景色を見に』
「いいですね。じゃあこの人にもメッセージ送っときますね」
二人ともメッセージで話し合い旅仲間となった。
そんな時に一つダイレクトメッセージが来た。
もう二人決まったので断ろうとした。
佐藤雪、性別女、年21、住み佐賀、旅目的は『嫌な思い出を忘れたい』
保留にしすぐ三人にメッセージを送った。
「もう一人増えたりってダメですか?」
七瀬さんと竹原さんはOKを出してくれた。
だが智樹さんからは電話で話そうと言われた。
「ピピピィ、ピピピィ、ピィーーー」
電話に出ると智樹さんが
「もう一人増えるってどうゆう事?」
それはそうだ二人って言ったのに急に一人増やすなんて自分勝手すぎる
「すみません」
「いや謝らなくていいよ」
智樹さんは怒っていなかった。
「一人増やすのは別にいいんだけど、隼人君を何かそうさせる動機とかってあったのかなって」
智樹さんの声はとても信頼できた。初めてかもしれない、人に心を許したのは。
「実は僕昔不登校だったんです。不登校の時は休む罪悪感でどうにかなりそうだったくらい辛くて、さっきメッセージ来た人とその時の自分を重ねたんです」
動機を話すと、智樹さんは優しい声で承諾してくれた。
今、僕が変わってきたような気がする。
──雪さんにもメッセージを送った。
「是非よろしくお願いします」
するとすぐに
「よろしくお願いします、じゃあ────」
今度全員で通話する日程を決めてくれた。
「雪さんって頭いいですね」
「いやそんな事ないです」
これで旅仲間は集まった、通話時間までゆっくりしとこう。