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対等な関係

 相変わらずの蒼天。暖かい日差しを浴びて、思わず背伸びをする。

 あまりの心地良さにあくびまでした。

「隼人君。行くよ!」

 七瀬さんに呼ばれ、僕は歩き出す。

 もっと混むと思っていたが、そんなに車も止まっていない。

「思ったより人いませんね」

 もし近くに神社の関係者がいて、聞かれたらまずいので、七瀬さんの隣で囁いた。

「今日は平日だしね。休日はもの凄く人が多いらしいよ」

 言われてみれば、確かに今日は平日。色んなサイトで見た写真は土日の写真ばかりなのかも知れない。

 七瀬さんに言われて納得した僕は「あー。なるほど」とまた囁いた。

 上部では人が少ないことを気にするくらい神社に興味がないように見えるかもしれないが、内心高揚している。

 あの赤い鳥居を見て、感情が昂らないわけがない。

 心なしか足取りが軽く感じる。

 僕はいつの間にか、前にいた三人を追い越していた。すると後ろから智樹さんに声を掛けられる。

「どうした? なんかあった?」

「いえ、なんでもありませんよ。それより早く行きましょう‼︎」

 僕は後ろを振り向き、そう返した。智樹さんは優しく微笑んだ。

「そうだね。早く行こっか」

 僕らは七瀬さんたち三人を置いて、先に鳥居の前についた。

 まず入り口の鳥居を写真に撮って、ガードレールの奥に見えるもの凄い量の鳥居を写真に写した。

 海沿いの神社から、今いる崖の上に向かって続く鳥居の数は全部で百二十三基らしい。

 こんなに綺麗な景色は滅多に見られるものじゃないから、この目に焼き付けとかないと。

 優斗にも見せてあげたいな。なんてことも考えたりしてる。

 僕が色々な場所や角度で写真を撮る中、後ろかシャッター音が聞こえてきた。

 思わず後ろを振り向くと、智樹さんがスマホを縦に構えている。

 そうか、智樹さんもここからの光景を撮りたいのか。

 テンションが上がりすぎて周りを見れていなかった。

「気づかなくてすみません。どうぞ」

 今立っている場所から少し横にズレる。

「別にいいよ。ここからでも撮れるし」

 智樹さんはこう言ってくれたが、本当に申し訳ないから、別のところで写真を撮ろうとした。

 すると、七瀬さん、雪さん、タケちゃんの三人が追いつき、合流した。

「いっぱい写真撮れた?」

 七瀬さんがそう言った。

 そういえば、何も言わずに鳥居の前まで、先に行ってしまった。そのことに途中で気づく。

「撮れました! ……あっ、すみません」

「いいよ。智樹君からメッセージ来てたし」

 僕が智樹さんと共に鳥居に向かって走ってる間、メッセージを送ってくれてたらしい。

 僕は隣にいる智樹さん頭を下げた。

 すると、智樹さんが慌てたような声で「頭上げて」と言い、僕は頭を上げる。

 顔を上げ、僕の目に映る智樹さんはいつもより優しく見えた。

「俺たち出会ってそんなに経ってないけど “旅仲間” でしょ。だから、頭なんて下げなくていいよ」

 旅が始まってまだ二日。皆のことを旅仲間だと思ってるし、仲良くなりたいと思ってる。でも、それは僕だけなのかもしれない。

 旅を計画したあの日から毎日悩んでいた。だからこそ、智樹さんが旅仲間と言ってくれて嬉しかった。

「はい。ありがとうございます!」

 初めて、対等な関係を知れたかもしれない。

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