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約束の時間

 そして取られたのは、僕から見て右のカード。ハートのキングだ。

「うわぁー、負けたー。悔しい!」

 トランプにここまで熱中したのは多分初めて。これほど楽しいゲームだったのを今更ながら知った。

 悔しがる僕に、タケちゃんは優しく微笑んだ。

「久しぶりに楽しかったよ」

 勝ち負けなんて気にしてないタケちゃんを見習わないといけないな。

 そのままトランプを続けようとした。だが、智樹さんに止められた。

「あ、もうそろ時間だよ」

 そう言われ、スマホで時間を確認すると、あと三分で、七瀬さんとの約束の時間だった。

 智樹さんに言われたから、渋々部屋を出た。といっても七瀬さんたちの部屋は隣なので、もう少しトランプをしていたかった。

 僕が七瀬さんとした約束とは、漫画の資料のための写真撮影だ。まぁ、軽くポーズを取るだけだろうし、そんなに硬くなる必要もない。

 少し歩いて、二人の部屋前まで来たので、扉を二回ノックした。

「はーい、誰ですか?」

 ノックに対して出てきたのは七瀬さんの声だ。

 呼んでおいて「誰ですか?」は少しおかしいとも思ったが、僕以外の人が来る可能性もあるから、まぁ仕方ないことだ。

 七瀬さんが危機感を持ってる女性で安心した。

「呼ばれてた隼人です」

 僕がそう言うと、鍵を開ける音がして、扉が開いた。そこから七瀬さんが出てきた。しかも、なんだかいい匂いがする。

「おー、隼人くんかぁー、入って、入って」

 彼女はラフに話してくれるから、何というか友達のように感じることがある。

 ただ、さすがに雪さんにも一言声を掛けないとまずいよなぁ。

 そう思い、一応言ってみた。

「あの……雪さんには聞かなくていいんですか?」

 この人のことだから、僕が来る時間を雪さんに教えてなさそうだ。

 僕が聞くと、七瀬さんははてなを顔に浮かべたような顔で、聞き返した。

「え、なんで?」

 旅仲間だと分かっていても、女性は女性だ。

 その部屋に気安く入っていいものなのか。せめて七瀬さんから雪さんに、許可をとってほしい。そういう意図で聞いた。

 だが、少し勘違いをされたようで

「雪ちゃーん、今、下着姿じゃないよねー?」

 と雪さんに聞き出した。説明不足な僕も悪いが、ここまでの間違い方をするか?

 すぐに訂正しようとしたら、部屋の奥から、慌てた声で

「ちょ、隼人くん!? なんでこんな時間に? ちょ、ちょっと待っててね」

 と雪さんが言った。

 まさか、下着姿だったのか……。

 急に顔が熱くなり出した。


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