17/35
僕より百倍
「本当に、優斗は優しいな」
手紙を読み終わると、いつの間にかこんな事を言っていた。
優斗はまだ中学二年生なのに、僕より百倍優れてる。僕が兄を名乗るのが烏滸がましいほどに。
優斗からの手紙はあまり触らない所に入れてあった。
僕が手紙をもう一度読み返そうとした時、智樹さんが声を掛けた。
「隼人君どうしたの? 大丈夫?」
なんだか、少し慌ててる様子だ。
「え、全然大丈夫ですよ、どうしたんですか、そんな慌てて」
すると、智樹さは
「いや、だって、涙出てるよ……」
と、言った。
自分でも気づかない間に、視界がぼやけていっていた。
涙を拭いた後も、手紙の文字が所々滲んで読みづらい。
涙を拭いて少しした時、もう一度智樹さんが
「大丈夫? 背中を摩ろうか?」
と、言ってくれた。
「いや、大丈、夫です」
涙が出なくなるで擦り続け、二分もしないうちに涙が止まった。
智樹さんとタケちゃんは僕を心配そうに見てきた。だが、僕がいつもと同じ態度で接すると、何も言わずに、車でしていたような普通の会話をしてくれた。




