仲良い三人が羨ましい
僕らがコンビニに入った時には、もう三人共買い物を終えて、車に戻ろうとしてた。
一応、少し遅れるかもしれないので一言声を掛けようとした。でも、隣を通った時、声を掛けるのをやめた方がいい気がして何も言わずに進んだ。
三人は僕らが隣を通った事に気づかないほど、楽しく笑い、話をしていた。
その三人を見ているとなんだか昔の自分を思い出す。あの頃はいた友達と共通の話題で盛り上がっていたあの頃を。
僕もあんな風に会話したいが、仲良い三人の中に割り込むのは宜しくない。だから声を掛けるのを断念した。
でも、『どうやったらそんなに仲良くなれるのか』は知りたいので、今度タケちゃんにでも聞くとしよう。
僕はおにぎりや弁当等が置いてあるコーナーに行き、ツナマヨおにぎり二個を取り、飲み物が置いてあるコーナーに向かった。
弁当等のコーナーは入り口から真っ直ぐ行った先、そこから体を右に向け真っ直ぐ行ったら飲み物コーナーがある。
そこに行きペットボトルの緑茶を取り、レジに向かった。途中で雑誌コーナーの方を向くと、新聞を手に取りカゴに入れる智樹さんがいた。
智樹さんはニュースをとても見ていて、常に気を張っているような気がする。
少し不思議に思い声を掛けようとしたが、さっきみたいに触れてはいけない部分だった場合
の事を考えるとやめといた方が無難だ。
そうして、レジに並んだ。前の人の会計を待ってる間、レジ近くにある豆大福に気づき無性に食べたい自分の手は知らず知らずのうちに伸びて、豆大福を二つ手に取っていた。
そして僕の番になった時レジに立っていた店員さんが微笑した。
正直何を笑われてるのかが分からなくてとても怖かった。
「あの、どうか、されましたか?……」
僕が少し怯えながらそう聞くと、店員さんは自分が笑ってた事を理解して焦ったように
「あ、ごめんなさい。今日は同じ豆大福を買われるお客様が多いなぁと思いまして……つい……」
と言い、レジをすぐに終わらせた。
「本当に申し訳ありません」
「あ、いや、全然大丈夫です」
智樹さんを待っておこうと思っていたが、コンビニの中にいるのが気まずくなり、そそくさと三人が待つ車に戻って行った。
車の前まで行き扉を開けようと思ったが中から何やら怪しい話が聞こえてきた。
「若いから全部いけるでしょ」
「いや、一番世話になったのは私ですから、私に譲ってください」
「ちょっと二人とも、一度隼人君に聞いてからでいいんじゃないか?」
七瀬さん、雪さん、タケちゃんの三人が争いのようなただの会話のような事を言っている。
僕の名前が出たということは僕も関係するということ。だから、平然を装い扉を開けた。
扉を開けると、開け方が不自然すぎたらしく、話を盗み聞きしてた事がバレてしまった。
謝ったら逆に三人から謝られた。そしてタケちゃんが話の内容を教えてくれた。
結論から言うと三人が僕にお礼をしようとして、三人共豆大福を買った。三個の豆大福は流石に食べきれないだろうと言う事でどうするかで迷ってたらしい。
定員さんが同じ豆大福を買う客が多いと言っていたのも納得。三人で笑い合っていたのも多分これの話だと思う。
僕はここでとても言いづらい事を言ってしまう──
「あの、実は僕も豆大福買ったんですよね、しかも二個……」
その言葉で三人はもっと悩み出した、でも僕は違う。ついさっき思いついた、良い案が一つある。
その案を実行するには智樹さん含めた全員の許可がないといけない、だから智樹さんを一度待つ事にした。




