表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

ヒロイン、そのまえ

むかしむかしのお話です。


1人の女の子がいました。

たいへん美しい女の子でした。


ある時、世界に危機が訪れるのです。

世界に穴があき、そこからの爆発のせいで世界が滅びてしまう。

しかし、その穴には埋められるピースがありました。


それがその女の子でした。


美しい女の子は不思議な力を持っていて、その子がその穴を埋めれば世界は何も変わらず平和なままでいられる。

1人の犠牲。

かわいそうだ、そう思いながらもみんな彼女に託し、彼女もそれを受け入れました。


彼女に後悔がないように、なるべくなんでもしてあげたい、とみんな出来る限り彼女に尽くしました。

彼女ももう一生分のぜいたくをしたから思い残すことはないかもしれない、そんな風に思いはじめました。


けれど、彼女と幼い頃から仲がよかった男の子はそれを受け入れたくありませんでした。

あれを壊せば彼女は死ななくて済む。


彼女が穴を埋める日。

彼は世界に抗いました。剣を持ってそれに立ち向かいました。けれどそれはあまりにも強大でした。


彼女は言いました。

もういいよ、ありがとう。


しかし、穴に飛び込む直前、彼女の体がふわりと浮いたのです。


彼が、彼女を突き飛ばして、剣を穴に投げ込んだのです。


そうして世界は光に包まれました。



残ったのは、彼女だけでした。


不思議な力で守られた彼女を残して、世界は滅んだのです。


勇者が世界とヒロインを天秤にかけて救ったヒロイン。

それが、私です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ