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魔法少女のボスになった  作者: 八九秒 針
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第二話

 私は今、本物の魔法少女の戦いを生で見ている。感動で涙が止まらない。


(そこだっ!いけっ!そう、そこだぁぁぁぁぁぁ!!!)


 生きててよかった……。


『これで決めるにゃーーー!!』

 

「「「「「マジカルビーム!!」」」」


『ギャァァァァァァオォォォォォ……』


 やったか!?あ、これいけない。


「や、やった……」


『……ァァァァァアアアアアア!!』


「「「「「!?」」」」」


 うわぁぁぁぁぁごめんなさいぃぃぃぃぃ!!

 荒魂がバキバキいいながら巨大化しとる。五人の魔法少女はもう疲労困憊だ!どうなる!?


「そ、そんな……これでまだ倒れないなんて……」


「もう…無理……」


「ここまで……なの……?」


 諦めないでくれぇぇぇぇぇ!!世界の命運は君たちにかかってる!!


『諦めにゃいで!!世界の命運は君たちにかかってるにゃ!!』


 おいパクるなにゃん吉。くそぅ、そのセリフは私が声に出して彼女たちに言いたかった……!!


『ギャァァァァオオオオオ……オオォォ?』


「弱い……こんなのに負けてるなんて、無様」


 だ、誰だっ!?


「だ、誰っ!?」


 突然現れた謎の六人目の魔法少女に荒魂は討たれた。こ、この展開はぁ!?


『やっぱりウサの方が優秀だったうさね、にゃん吉ねぇさん』


『う、ウサ美にゃ!?ということはまさかその子は!?』


『そう、この子こそ―――』


『荒魂の消滅を確認。鏡面世界の崩壊まで10、9、8、7……』


 ここでぇぇぇぇ!?待って鏡面世界さん!!もう少し見させて!ていうかこのアナウンス魔法少女たちには聞こえてない?普通に会話続行してる。


『……2、1、崩壊。次は期待しています』


 て、あぁぁぁぁぁぁっ!?


「帰ってきた……なんか最後、鏡面世界さんも私に呆れてなかった?はぁ」


 アニメ見よ……。


  ◇翌日◇


 結局あれから気になって眠れなかった。次に鏡面世界に呼ばれた時はあの六人目の魔法少女も五人と協力して戦ってるんだろうか?それとももう少し段階を挟むか?ぅぅぅぅぅ気になるぅぅぅぅぅ。


「仕事が身に入ってないわね、日目自くん?最近はまた食べなくなったから大丈夫かと思ってたけど、悩みあるなら聞くわよ?」


「熊田先輩……いえ、アニメの続きが気になってるだけです。仕事に戻ります」


「そう?しっかりね」


 肩にポンと手を置いて熊田先輩は去っていった。今は仕事に集中しなきゃな。


  ◇一週間後◇


「今日は休日、あれから呼ばれることもなかったけど、気になるから魔女っ娘ドラマ見よ」


 鏡面世界さんも都合がいい時にしか呼ばないんだもんなぁ。魔女っ娘見て魔法勉強しよ。と、思っていたら。


「来たか!鏡面世界!戦闘音確認、直行するっ!」


 果たしてあの六人目は仲間になったのか?だが今回仲間になるパターンでもいいぞ!さぁどっちだ―――。


「今っ!」一人目

「そこっ!」二人目

「合わせます」三人目

「私も!」四人目

「せいっ!」五人目

「…喰らえ」六人目

「ラストぉ!」七人目


 増えてるぅぅぅぅぅぅ!?!?六人目も仲間になってるしなんか知らんうちに七人目がいる!?どういうことさ!?ぅぅぅぅぅ見逃したぁぁぁぁぁ。


(でも無事に荒魂も倒されたし、私なんで呼ばれてるんだろ?彼女たちを見るに私が呼ばれない間も戦ってるみたいだし、呼ばれる基準がわからん)


 まさか鏡面世界さんが気を効かせたわけじゃあるまい。こんな微妙なタイミングで呼ぶ奴があるか。


(……帰ろう)


 もういいよ。帰って魔女っ娘見るよ。鏡面世界さん早く帰して。


『みんなナイスにゃ!この七人なら最強にゃ!誰にも負けないにゃ!』


『ウサの雫が一番活躍してるうさけどね』


『オレの巴を見てなかったのか?ガオ』


 七人目の相棒はライオンのマスコットか。見た限り七人目は活発系女子っぽいしお似合いかな。そういえば私には相棒マスコットいないの?いるならパンダがいいな。ホントは黒猫が一番だけどもう猫はいるし。というか鏡面世界さん送還まだぁ?


「お前ら静かにしろ。まだ戦いは終わってねぇ」


 ん?


「そうね、でも確認よ。にゃん吉、この鏡面世界に私たち魔法少女以外の人間が入り込む事はできる?」


 おやおや?


『それは無理にゃ。ここはにゃんたち魔法精霊がいないと人間は絶対侵入不可能にゃ。でもなんでそんなこと聞くにゃ?』


 これは?


「……覗き魔が、いるから」


 おっとぉ?


「出てきなよ。戦闘中ならいざ知らず、敵もいない今ならはっきりわかるよ。もっとも、君が敵じゃないなんて思ってないけど」


 ……私のことだろうか?いやここは一途の望みをかけて他の者がいる可能性に賭けよう。そうしよう。今あの場に行きたくない。


「……そう。出てくる気はないっての?ならこうするしかないよねぇ!!」


 うわぁぁぁぁぁぁ……。蔓が巻き付いてきた……やっぱり私なんですか……。


『にゃにゃ!?にゃんでここにただの人間がいるにゃ!?』


 ビルの上から蔓でぐるぐる巻きにされて降ろされました……。地面に寝転がっている現在、思うことはなんで魔法少女のスカートの中は見えないようになってるんだろうなって。あ、いえ、すみません、なんでもないです……。


「で、てめぇは何者だ?オレ達が戦ってる時から見てたよな?本当のこと喋れよ?ここにいる時点で一般人じゃねぇんだ。手荒な真似も辞さねぇぜ?こんな風に…なっ!!」


 ドゴォォォン……


「ひえぇぇぇぇぇぇ」


 目の前で地面が砕け散った……この子怖いよ……。

 七人の魔法少女と三匹の動物マスコットが見つめてくる。これはなにか話さないとまずい。でもよく考えたら本当のことを話せばいいだけでは?よし。


「私は魔法使いで―――」


 ドゴォォォォン……


「本当のこと話せよ?次は頭潰すぞ」


「ひえぇぇぇぇぇぇぇ」


 誰か助けてぇぇぇ。


『ま、待つにゃ!この人間が悪い者のようには見えないのにゃ!』


 にゃん吉ぃぃぃぃ!!


「どうかしら?さっき私たちのスカートの中見ようとしてたけど」


 そ、それは不可抗力で……それに魔法的なにかで見えなかったし……。


『取り敢えず落ち着くうさ。これじゃ話もできないうさ』


 ウサ美ぃぃぃぃ!!


「ちっ。なんにせよこいつは逃がさねぇからな」


 そうだよ、鏡面世界さんなにやってるのさ。早く帰してよ。もう魔法使って逃げようかな……。ん?この気配……なるほど……。


「荒魂が来ますよ……デカいのが三体も…ね」


 荒魂がいるから送還されなかった。荒魂が来たら魔法少女は戦うだろう。戦い終わって荒魂が消えたら、私も送還される。

 特等席で魔法少女の戦いが見れるぞぉ!!やったぁ!!

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