水色の宝石箱(7)
夏休みが湯水のように溶けていくよお……!!
「……莉月」
『あれっ、鈴じゃん。なんかあった?』
核に手をかざし魔力で包みながら呼びかけると、響くような声がしました。
「すいません、間違えて莉月さんの名前を出してしまいました」
『んー、ま良いよ。ところでさ、今なにかしてる?』
「え?あぁ、核を魔力で包みこんでいますね」
『ああなるほど、そういう感じか……それさ、もうちょい力入れて潰してみてくんね?』
「?分かりました」
何をしたいのか疑問に思いつつ、ぐっと力を込め……。
すると、2倍くらいの力で跳ね返されたような感じがしました。
「わっ」
『鈴、そっちはどーなった?』
「跳ね返されました。もう少し強くやってみますか?」
『跳ね返されたか……いやいい、ちょっと待ってな……』
すると、しばらくして透き通った水色の球体がピンク色に変化しました。
そして同時に核を挟んだ私の反対側に莉月が――。
『お、ちゃんと変わってるなぁ、久しぶりに見た……』
「――それは、昔の?」
『え?あ、戻ってんのか』
私に言われるまで気づかなかったようで、頭の後ろで1つに束ねられている、長い夜空のような藍と青を混ぜた色の髪を見て少し驚いた顔を見せました。
『……まあそうだな、目の色もか?』
「薄い綺麗な紫ですね」
『うわ、そりゃやなもん見せたな……すまん』
そう言って前髪で目を覆うので、少し不思議に思いました。
「昔は紫が駄目だったのですか?」
『ん……あぁ、そういえば今は黒だったな、ならいいか……まあ、厄介な妖精の目が紫色だったんだよ』
「なるほど」
しかしそんなことを話しているうちにピンク色だった核は水色に戻りました。
『あ、悪いもう一回行ってくるわ、声かけたら押しつぶしてくれ』
「分かりました」
そう返事をして、30秒も経たないうちに色が変わります。
『やってくれ』
「……はい」
先程と同様に魔力で力をかけると、今度は反動がなく、その代わりに――。
“パリン”
と大きな音がして、えっと思ったのも束の間。
浮遊感と共に、見ていた景色は崩れ去り、視界は全て水色の空と雲になったのでした。
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「「――」」
突然過ぎて頭が混乱していることもあり、しばらく押し黙ったあと顔を見合わせました。
「……ね、弘」
「……はい」
「莉月って、言ってた、よね」
「言ってました、ね」
「ってことは、光兄の前の体って……!!」
「兄様はおとぎ話に出てくるあの……!!」
「「【最初の王】!!?」」




