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▷アグリーメント  作者: px-h
第5章 祝福と天呪
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水色の宝石箱(6)


昔から、それはそれはぼーっとした子だった。

寝るのが大好きだったし、別に魔法の練習もお母さんと遊ぶのも、楽しくないわけじゃなかったが、ぼーっとしているといつの間にか嫌なことを全部忘れて、湖の底に沈んでいける気がするのだった。





「……ぁ」


ゆっくりと、それでも確実に背中を押されて湖から出た。

起きる瞬間は苦痛だと、鈴は思う。

寝なくちゃ眠い、寝るのは楽しい、起きるのは()()

なら、寝かせてくれないかな、と考えるけれど、これも長く眠っていたせいなのだろうか。


「ぉ母さん?」


ぼやけた視界の中。

白く色の抜けた髪と赤い目が、見えた気がした。

何故か、自然に、いとも簡単に。

涙が溢れ出てくる、けど。


(なんで私は泣いている?)


理由のない涙って、どうしたらいいんだろう?

仰向けの状態から起き上がり、辺りを見回すけど、当然その姿は見えない。


(何に私は泣いている?)


懐かしいと思ったのかな。

羨ましいと思ったのかな。


(悲しいのかな)


なんで?

お母さんがいなくなったから?


(後悔してる?)


してないよ。

だってお母さん泣いていたの。

あんなお母さんは、お母さんじゃないの。


(でも、お母さんはもういないよ。君が殺したんだから)


……うん、知ってる。

この世の、全ての、誰よりも。



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