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▷アグリーメント  作者: px-h
第5章 祝福と天呪
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水色の宝石箱(3)

なんか3日に1回みたいになってるけど今日結構長いから!

許して!





「――報告をお願いします、高菜」


「……」


「報告を、高菜?」


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいー!!」


ため息ともとれる長く思い返事をした彼女は、実は話を半分以上聞き流していた。

途中途中“暴走”だとか“精霊”という単語が混じっていたのは聞いた気がするので適当にぺぺっと話した。

何故ペペっとなのかというと、まあ機嫌が悪いの一言に尽きるだろう。

一応これでも高菜は『やればできる子(自称)』である。

しかし今、高菜はとてもイライラしていた。

優等生(自称)というキャラを貫き通せなくなってしまうくらいには。


「――と、まあ?以上です」


何せ、何せ何せ!?

目の前に彼女が……いや彼と言った方が良いかもしれないが、とりあえず高菜と姫花の大好きな光棄が、高菜があまり好きではない凄く『天主』という感じのする笑顔でずっとニコニコしているのだ。

これが【鈴】だったなら、全然良かった。

いくら体が、容姿が、顔が同じだといえ、高菜は鈴と光棄を別人物だと割り切っている。

というかそれくらいわきまえている。

勿論、何でいきなり天主になったのーだとか聞きたいことは盛りだくさんだが、まあ大急ぎでそうしなくてはならない理由があったのだろうと理解しているのだ。

していたのだが、しかし!


どか、っと高菜は椅子に座った。

今日の朝8時過ぎ。

突如天使の集会(アセンブリー)は開かれた。

それも対象が全天使(エンジェル)という過去最大規模でである。

上位者(オーナー)だけが使える、核に付属する魔法の一つ、【天使の集会(アセンブリー)】。

どこにいても基本的に上位者(オーナー)考える(イメージする)仮想現実へと強制転移させる権限を持つ。

例外は相手が同じ上位者(オーナー)である場合。

まあ断れるだけなのだが。

そんな中、高菜は知っている。

光棄が合理的に見えて、結構やらかすときはやらかすような性格をしていること。

同時に最近になって高菜は知った。

鈴は結構真面目っぽいこと。

実は高菜は目を覚ました後も、数回鈴に会っている(姫花は知らない)。

音和と行っていた糸についての確認である。

その際彼女は適当に書いた報告書を見てこう言ったのだ。


『すいません、私は彼のような解読能力を持っていないので一度持ち帰らせて下さい』


デスマスをひたすら重ねて文字数をかさ増ししただけの報告書だ。

解読能力も何もない。

この子騙されやすそうだなあ、と高菜は思った。

同時に、優しい子だったんだなあ、とも思った。


話を戻すが、要するにあの子なら、(あれが仮面じゃなければ)きっと要人だけを呼んで話すのだ。

二人の二面性を知っている高菜からすると、こんな大量に魔力を消費する面倒くさいことをしてまで天使の集会(アセンブリー)を開いたのは光棄だとしか思えないのであった。


さらに言うなら、あの図々しい兄がなぜこんなに大事なときに片割れを表に出しているのかが高菜は本当に理解できないのだ。

まあ復讐のためだとか言われたら終わりだが。


話を戻すが、思い出してほしい。

光棄は基本的に作り笑いしかしない。

笑えないのかもしれないが、いや少なくとも高菜が見たことあるのは相手を馬鹿にする時の薄笑い程度である。

そして、同じ片割れである鈴も、いや光棄よりも、仕事一筋というか。

物事を楽しむのを諦めている感が否めなかった。


「そのような経緯で、『欠片』は我々の下に……」


高菜は視線を上げる。

目の前の光棄は、引くほどキラキラしている。

今高菜が持つカードでは、どちらかを正確判断するのは難しい。

難しいのだが、高菜には分かるのである。

何も確固たる証拠などないのに、確信めいたものを持っているのである。


(これは、何だろう)


その正体を、高菜自身あまり良くわかっていなかった。

糸が切れてからだとは思う。

本能的に生きることに対して必死になったからなのだろうか。


(気配?)


違う。


(存在感のようなもの?)


違うと、何故かそう思う。


(これは、何なんだろうなー?)


話し続けている光棄をちらりと高菜は見た。

そして彼女はこれから当てられることはまずないのをいいことに、その存在の正体についてを心と自問自答していた。





「おい、弘?大丈夫かよ弘?おーい?」


「……あー、もう!うるさいですね、本当に!!」


意識が覚醒しました。

浮かび上がってきたというよりも、無理矢理すくわれたと言う方が近いと思いますけれど。


「おお?大丈夫かよ、急にボーっとし出したぞ?」


「あーはい、大丈夫です。大丈夫ですよ……」


目の前には次男の凛さんがいました。


「大丈夫なんですけどまあ、どうしますかね……?」


1時間近く意識を離されていたのに、現実では数秒しか経っていないとは。

どれ程魔力を無駄にしたのだろうと、つい考えてしまいました。

しかし目の前の凛さん(こいつ)は、空気を読まずに土足でこちらに踏み込んできました。


「何か気づいたのか?あと急に顔が青くなったが、本当にどうしたんだよ?」


(まさか、『天使の集会(アセンブリー)が急に開かれて貴方達について色々話したんですが、兄様の表の人格でこの天界で一番偉い鈴様という方がちょっと今大変なことになっていて……』なんて馬鹿正直に話せると思っているんでしょうか?)


しかし、そこで僕は気づきました。


鈴様(あの人)と僕は、先程すれ違いましたよね?)


思い出して、


(あの人は、この部屋から、出てきましたよね――?)


目の前の男に目を向けました。



「――凛さん、今日、兄様と会いましたか?」



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