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▷アグリーメント  作者: px-h
第4章 天使と精霊と人と神
46/64

──は闇(6)

あーー!

待って、イヤうん、無理だわ。

宿題という名の怪物に追われてる。

明日!!明日は出すから!!絶対っ!!



「ところで、『欠片』の様子は?」


少し避けていた話題について言及され、音和(おとわ)は顔を強張らせる。


「――変わらず眠っております。やはり近づくものを攻撃するような素振りはなく、しかし確実に紋が広がっており……正直、かなり危険な状態かと」


せめて反感を買わないようにと、鈴の顔色を窺いながら話した。


「ああ、そのことでしたら貴女がこちらに連れてきた高菜(たかな)(ひろ)を除く(はな)の家族に会わせてください、天界などについての説明も」


「……よろしいのですか?」


しかし鈴が声色1つ変えなかったことに驚く。

地上界の家族を大切にしていると思っていたからだ。


「はい、それと精霊(フェアリープロテクト)の住処の散策と義父様へ面会の申請をお願いします」


「了解しました、お姉様。……それでは」


小さな疑問を抱えながら会釈をして音和は部屋を出た。





「――わかりました。それで、理桜瑠……様、えっと……今日はどういったご要件で?」


「……あー、そうでしたそうでした、()()()()頼まれている仕事があるんですけどやりま――」


「「やります!!」」


自分が言い終わる前に食い気味で答えてきた二人に、若干体がのけ反る。


「……おぅ?相変わらず光棄のことが好きなんですね、お二人は」


「はい、大好きですね!」


「そりゃあ、まあ……」


光棄の話題を出されて急に元気を出した弘と、先程の余韻がまだ残っている高菜。

愛されてるな、と口角が上がっているのを感じながら理桜瑠は思った。


「んじゃまあ、何であんな風に彼女が豹変したのかについて、お仕事しながら話しましょうか」


理桜瑠は小さな蒼い玉の乗った右手を差し出し、羽を広げた。


「「……はい!」」


続けるように二人も羽を広げ、玉に手をかざす。

次の瞬間三人が居たのはとある森。

理桜瑠は森の上を飛ぶ最中、三人へ話をした。

それは、少し自分より小さい子供への説明であり、未だ現実に納得できていないもう一人の自分への釈明でもあった。





「ごめんなさい(りょう)君、(りん)君、陽太(ひなた)君……悪いけど学校を休むことについては連絡をしておいたわ」


凄く雰囲気が重かった。

いつも兄弟をまとめてた麗華(れいか)兄さんがいないっていうより、ここがどこか分からなかったのと、お母さん( 花さん )の顔が、知り合ってから見たことないくらい真剣だったからだと思う。


「言うかはとても迷ったのだけれど……貴方達には、知っておく権利があると思ったから、話すことにしたの。よく聞いてくれるかしら?」


一瞬、聞いちゃいけないことのように思えてしまった。

聞いてしまったら後戻りなんてできなくなりそうな、恐怖に呑まれてしまいそうな、そんな気分。

けど、ここまで真面目に考えてくれた上での話だから、聞かなきゃいけないと思った。


「私や光棄、高菜や弘、そしてこの家に来るまであった人は、皆……人では、ないのよ」




ばいびー!

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